プリンセス・トヨトミ

Image of プリンセス・トヨトミ (文春文庫)

この作品を原作にした映画が近々ロードショーですが、去年の夏、何回か空堀商店街で行われたロケ現場に出くわしたことがあります。綾瀬はるかさんを、わずか1メートル先くらいで見ました。メチャキレイなひとです。

映画化の話の前から、大阪国というテーマに惹かれてはいたものの、ハードカバーは手が出なかったところ、漸く文庫がリリースされました。ロードショーに合わせて文庫化というマーケティング手法に無理やり乗せられてるみたいで、ちょっとイヤな感じはします。

大阪国ということから、橋下知事の大阪都構想のようなイメージをSF的に描いてるのかなと想像していたのですが、全く違って、よくぞこんな発想がでてきたものだ、と思うほど奇想天外な物語です。プロット、その展開ともおもいっきりダイナミックですが、バカバカしさもつきまといます。

ストーリー自体に感動とかはあまりなかったのですが、著者の大阪への思い入れは強く伝わり、また大阪城周辺と空堀周辺と自分が好きな街並みの描写がふんだんにでてきてシンパシーも感じます。

榎木大明神性同一性障害の中学生、大輔の家は長堀通りの北側にあって、自分を女の子にして欲しいとお参りする榎木大明神という神木がでてきます。知らなかったので早速行ってみました。祠から急な階段を下りると長堀通りの横断歩道があって、そのまままっすぐいくと、空堀商店街のアーケードに横から入ることになります。作品の描写通りでした。

しかしながら,大輔たちの通う中学校は上本町西3丁目の上町中学の場所あたりで、ここから階段を下りて、空堀商店街の急な坂をまた上がるという作品に描かれた通学路はちょっと不自然、谷町筋を行く方が普通じゃないか、とも思いました。

作品の後半では、江坂のサラリーマン、四天王寺の参道の露天商、浜寺公園のたこ焼きやとかも登場、舞台が広がります。びっくりしたのが、大正区に8つも市営の渡し船があるとの描写です。調べてみたら、今も現役とわかりました。全然知りませんでした。これはぜひ連休中にでかけたいところです。

読み終わって、映画のプロモーションサイトをチェックしてみたところ、綾瀬はるかの役は、てっきり長身の美人検査官の旭・ゲーンズブールと思っていたら、小説では背が低くてデブでおっちょこちょいの中年オヤジ、鳥居の役になっていました。表紙の絵でわかりますよね。びっくりです。