露の都独演会
久々の繁昌亭です。
最初は、都師匠の弟子、露の眞さんで「時うどん」、最初見た時少年みたいな落語家さんだなぁ、と思っていたら、ワタシ女ですとの自己紹介、ビックリです。
お次は、都師匠の「みやこ噺」と演目が書かれていたので、そういうネタかと思っていたら、保育所の子供達が都師匠の家の前で、表札を見てここは相撲部屋だと思っていた話しとか、延々とマクラが続きます。つまり「みやこ噺」とは師匠自身の近況報告のことだったようです。
お次は、海人寄席にも出演されていた桂雀太さんで「天狗さし」、カラス天狗を捕まえてすき焼きにして売ろうという奇想天外なお噺ですが、雀太さん、かなり上手いです。奇想天外な発想の持ち主の性格や思考方法までがよく伝わってくる、そんな一席です。
中入り前は都師匠で「悋気の独楽」、やはり都師匠の子供役(丁稚の貞吉)はなんとも言えない味があります。可愛くて小憎たらしいガキって感じは他にはなかなか真似ができないのでは。それ以上にすごかったのがご寮人さん(ごりょんさん、本妻さん)とお手掛けさん(お妾さん)との演じ分け、気位が高く、嫉妬深いご寮人さん、控えめで優しいお手掛けさん、どちらも上品で、どんな着物を着ているかまで目に浮かぶような都師匠の演技です。ただ都師匠、よくカムんですよね。この噺でも一番大切なところで、相手を言い間違え、一瞬シラ~っと。まっそれを帳消しにするだけの価値はあるのですが、オチの直前だっただけに、ちょっとこれは…
ところで、都師匠はこのブログでお馴染みの仁福師匠と同じ「元祖大阪名物あほの会」のメンバー、ということで、仁福師匠の失敗談が度々マクラに登場、たまりかねて、楽屋で聞いていた仁福師匠が飛び入りの一幕もありました。
中入り後はナオユキさんの漫談、テレビで見たことのある方もおられるのでは?
今日最高に気に入ったのがこのナオユキさんです。「飲み屋を出ての夜中の3時の帰り道、路上で寝ている酔っぱらい、よく考えたらこの時間に寝ている方が正しいと気がついた」正確じゃないですが、こんな噺が延々とボソボソと繰り返されます。
周りの人達をコケにするだけじゃなくて、自分も同時にコケにする、自省的な漫談です。おもいっきり自分の琴線に触れました。
トリは都師匠の「子はかすがい」、仁福師匠が一緒に飲みに行くのを待っていたからか、かなり端折った一席でしたが、これもやはり都師匠の子役が光るお話でした。