ナンバ歩き

ナンバ歩きといってもミナミの地下街、なんばWalkのことではありません。

この週末は運動会のピークかと思います。運動会の行進では、右足に合わせて左手、左手に合わせて右手を出すのですが、これがどうしてもできなくて、右足と右手、左足と左手が同時にでてしまう、ぶきっちょな子供って必ずいますよね。

でもどうやら、このぶきっちょな子の歩き方が、江戸時代までの日本人の歩き方のデファクトスタンダードだったようです。この歩き方がナンバ歩き、あるいはナンバ走りと呼ばれます。

手と足で逆側を出す歩き方は明治以降の軍隊によってもたらされたもので、狭い道や山道が多い日本では、ナンバ歩きの方が、体のひねりが少なく姿勢が安定する、体力の消耗も少ないというメリットがあるようです。

相撲のてっぽうもナンバですね。どうやら瞬発力も出るようです。江戸時代の飛脚もナンバ走りだったそうで、陸上競技界でもナンバ走りの研究が行われています。

おそらく、ナンバ歩きといっても、大げさに、右足に合わせて右手、左足に合わせて左手を振っていたのではなく、殆ど手は振らずに、姿勢を丸めて下を向いて歩いていたというところと思われます。

運動会での、姿勢をピンと伸ばして、前をしっかり見て歩きましょう、というのと反対です。

ナンバの語源はおそらく「南蛮人」に由来すると思われます。戦国時代の日本人が南蛮人の歩き方を見てそう名付けたとしたら、西洋でも16世紀頃はナンバ歩きで、逆に戦国時代以前の日本人は現代人と同じように右足と左手、左足と右手を出して歩いていたのかも知れません。

歩き方ひとつとっても時の流れでこれだけ変化するんだ、ということは知っておいて損はないと思います。

参考:かかとのない履物と「ナンバ」

参考ビデオです。こんど、なんばWalk飲みに行く時やってみよう!