男里川河口の春
シギチの夏の渡りにはまだ少し早いはずですが、今年初、半年ぶりに男里川河口へ。南海電車もずいぶん久しぶり、友人宅での新年会以来です。
高架化工事で3年間も運休していた高師浜線が昨日から運行再開、以前の昭和な2230系に代わって平成生まれの2000系が2連化されて投入されているのがちらっと見えました。
1.4kmの高架化工事の総事業費はおよそ700億円(大半は国と大阪府の負担)がかかったそうな。ざっくり計算して高師浜線の運賃収入だけだと事業費を償却するのに300年はかかりそうです。沿線はすでに完全に成熟した住宅地で開発余地はなく、水路を隔てた重厚長大なままの泉北重工業地帯を再開発して、熊本のようにグローバルな半導体工場を誘致するとか、来年の万博で紹介しようとしている未来図を実現するための場として、高師浜線を延伸してその足とするといった投資を数十年レベルで回収できるような青写真を国や府が描けている必要があるはずですが、そんな話を聞いたことがありません。
男里川河口のあと、花見に行くとしたら山中渓か岸和田城かと考えていたら、近木川右岸の丘の斜面が一面満開。二色の浜公園の芝生の丘と分かったものの二色浜駅から20分も歩くようです。
去年の10月にはすべてが刈り取られていた緑道には緑と花々が復活。
電線にはカワラヒワ。朱色やピンクじゃなくて真っ赤なボケ。
近くに下りてきたのは夏羽のユリカモメ(ガングロカモメ)じゃなくてズグロカモメ。ユリカモメと異なり頭が後頭部まで黒く、くちばしも黒いです。それに茶色っぽい黒のユリカモメに対しズグロカモメは真っ黒ですが、ひょうきんな目つきはほぼ同じです。白目に見える部分は目じゃなくてコチドリやメジロのようなアイリングです。
絶滅危惧Ⅱ類の冬鳥、もちろん自分は初見。右岸の堤防上でフィールドスコープを覗かせてくれたおじさんには失礼な反応をしてしまいました。