今日は楽しいひな祭り♪

年末に訪ねた壺坂の町家の雛めぐりへ向います。人が多そうですが、せっかくなので3月3日に。町家の雛めぐりは昨秋のかかしまつり同様、今年で最後だそうです。

4番線に8:31発伊勢中川行急行、前4両は5200系、3番線には9:15発松阪行快速急行、こちらは8連で前4両が5200系。快適な5200系、中川まで乗って行きたくなったけど八木で橿原線に乗り換え、橿原神宮前に到着。

コロナ以来ずっと閉鎖されていた喫煙ルームが利用できるようになってました。喫煙者に優しい近鉄でも、とうとう特急列車の喫煙ルームが3月からすべて廃止されてしまったそうな。これで車内でタバコの吸える列車は日本中で絶滅したはずです。東海道新幹線の駅構内喫煙ルームも16日で廃止らしく、あとは近鉄だけということになりそう。

吉野行急行は4連でも結構乗っていて、みんな壺阪山で下りるとバスに乗れないかも、と心配していたら多くが飛鳥駅で下車してひと安心。

でも壺阪山駅からの小型バスはやはり超満員で壺阪寺前に到着。

バスを下りると圧巻の眺め、右手に畝傍山、真正面は生駒山、太古の昔多くの人が行き来した明日香から難波津への道のりはさほど遠くないと感じさせます。

ふりかえって壷阪寺の眺めです。

バスに乗っていた人たちの多くは壷阪寺へ入らず高取山へのハイキングコースを登って行きました。ここから高取山(高取城)まで2時間くらいの道のりらしい。

境内に入ると迎えてくれたのは首枕をしたニャンコ。

大雛曼荼羅

入ってすぐところの大講堂でスリッパに履き替えて上がると大雛曼荼羅。3列の雛壇にお雛さまがびっしり。iPhoneの超広角でも入りきりません。

後ろには鎌倉時代作の弘法大師像。町家の雛めぐりは今年で最後も大雛曼荼羅は引き続き開催されるようです。

トーキョブギウギ、リズムウキウキ、ココロズキズキワクワク♪

他にもウォーリーを探せよろしく、色んな変わり雛が隠されているようですがなかなか見つけられません。

日本で最初の盲老人ホームが壷阪寺により開設されたそうで、以前は隣接する建物がそれだったそうですが、現在は高取町の町中に移転しています。

壺坂大仏こと天竺渡来大釈迦如来石像はハンセン病患者救済活動への返礼としてインドから贈られた石材で作られたとのこと。

水盤の水はお賽銭を沈めたままキンキンに凍ってました。

三重塔と礼堂、その向こうに本堂。

本堂でも大雛曼荼羅、講堂よりさらに大規模で壮観。こちらはスリッパがなくて足が冷たい。

なぜかMカート、帽子には意味不明の「ヒ」。

マグカップを片手にひとりBBQ、炭バサミに軍手とかなり芸が細かい。手前のお皿はたぶんカレー、火の上のフライパンはトマトとオリーブの入ったアヒージョのようです。

雛壇の陰に清少納言。探した限り紫式部は見当たらず。平安時代には大いに興味があるものの、「光る君へ」は録画が溜まっていくばかりで殆ど見ていません。ひとつにはこの時代の貴族女性のまゆはこの清少納言のように額の上の方に描いていたはず、言葉遣いも現代語すぎて雅さが感じられず、その辺りの違和感で入り込めないでいます。

ほぼ全体像です。真ん中の窓からのぞいているのは壷阪寺本尊の木造十一面千手観音菩薩坐像。

何とも壮観、かつ雅び。雛壇の裏側に衛士たち。

眼病封じで知られる壷阪寺、心の目を開きましょうとのことで、視力検査表が。

大講堂のパネルにあったスイカヘルメットみっけ。

本堂の裏に壷坂霊験記のお里沢市投身の谷、下を覗いてみたのですがさほど深い谷ではなく、木が茂っていてここから身投げしてもたぶん死ねないと思います。

天竺渡来佛伝図レリーフ「釈迦一代記」、インドで延べ57000人の石彫師により制作され日本で組み立てられた由。他にもインドに関連する絵画等も多く京都や奈良市内の仏教寺院とかなり異なる雰囲気を感じさせます。仏教発祥の地インドでは8割がヒンズー教徒、仏教徒はごくわずかも、お隣スリランカは7割が仏教徒だそうです。

大釈迦如来石像の脇に清水寺の舞台のような名前が分からない建物の上、日陰が白くなっているのは霜です。調べてみると高取町の今日の最低気温は何と-4℃。

バスの時間をチェックすると30分あるので、もう一度大講堂をチェック。ミャクミャクと並んでポンデリングを首に掛けたお雛さま、手に持っているのはたぶんドーナツポップ。

パネルで紹介されていた「ポロ」がこれのようです。馬じゃなくて牛に乗って弓でボールを転がしボーリングのピンを倒す新しいスポーツと思われます。右下では鼓を叩くサポーター、左上の貴族はたぶんレフリー。

"ARE"です。おかっぱくんたちがドラッキーを胴上げ。

雛壇の裏側では仕丁さんたちによる水道工事中。なぜかハンバーガーの自動販売機、頭上でも何やら工事中。トレンドや世相だけじゃない変り雛、感性高いです。

ヒナブギウギをよく見るとチェロやバイオリン、トランペット、フルート等のオケをハトリ先生が指揮、手前には盛り上がる観客。ワテほんまによういわんわ♪

壷阪寺全体の航空写真です。礼堂と八角堂の本堂が繋がって一体になっているのがよく分かります。道路から右側には行ってませんが、ほとんどテーマパークのノリです。帰り際チケットブースで雛人形の総数を尋ねたところ4000体と分かりました。片付けるのが大変ですね、と返すと、出すのも大変でした、とのこと。

撮影禁止とか立入禁止とかがどこにも見当たらず、えらくオープンなお寺でした。

壺阪道

帰りのバスの車内、前の席のおばさんが壺阪山駅ではなく壷阪寺口で下りると話しているのを耳にしてマップをチェックしてみると、バス停からほど近くに★4.1のお蕎麦屋さん発見、その先高取町中心部へは歩いて行けそうなので、自分も下車。

座卓が2つの座敷と窓際にカウンター席が4つほどだけの小さなお店、ざるそば大盛りに炊き込みご飯を追加。お手洗いを借りようとしたら外に出て左手奥とのこと、隣家との路地をずっと奥まで歩くと清潔なお手洗い、かなり大きな古民家をリノベしたものと分かります。そばに海苔がかかっていないので、関東だとこれはおおざるじゃない、おおもりじゃないか、と言われそうですが、とても美味しくいただきました。お勘定を済ませて帰ろうとすると上り框に靴が出されていたりと、とても気持ちのいい接客が嬉しい。表からお店を撮るとさほど古い建物ではないものの、この地ならではの厨子二階建てです。

土佐街道で開催中の町家の雛めぐりへ向います。左手に古民家が並ぶ趣ある街道、まっすぐの方向に木造の塔、三角屋根が素敵です。

木造の塔から右へ進むと石段、高生神社と碑があります。これからまだそこそこ歩くつもりなので坂道を登るのはパスしておきます。

盛りを過ぎたツバキの木から美しい花を選んで撮ってみました。

木造の塔のある家の蔵と梅、電柱がちょっと残念。蔵と右手の建物の間に細い道が続いていて、何と右手の建物と左手の建物が渡り廊下で結ばれています。

かなり調べて「旧延壽堂製薬」、木造の塔は大正時代のドイツ製電動エレベーター収容する建屋と分かりました。六神丸という動悸、息切れ、気付けに効く強心薬を製造していたそうです(参考)。

渡り廊下をくぐって向こうへ抜けると野原が広がり菜の花畑。

道端の寂しい木に咲いたウメ。

池にはコガモやカイツブリ。右端の白い建物は薬膳レストラン。かなりの人気店らしくランチを済ませたらしい女性グループが何組も出てきました。

厨子二階建ての町家が並ぶ街道、土佐街道から分岐する街道で壺阪道、あるいは吉野道とも呼ばれているようです。葦原峠をトンネルで抜け下市口へ繋がる国道169号ができるまでは壺阪峠を越える壺阪道が明日香から吉野へのメインルート。京を追われた源義経や静御前が六田の渡しを越えて吉野へ逃れた時もこのルートだったはずです。

小さな壺にさりげなく挿されたオンシジューム、京都ともちょっと異なるこの町の人のセンスの良さが伝わってきます。

町家の雛めぐり

土佐街道を越えて街道外れにある雛めぐりの45番です。手前に置かれたお箏、ウチにも同じようなのがあって母が着物を着て弾いていたのを思い出しました。

街道に戻らず山沿いのふるさと農道を歩いてみます。振り返ると金剛山と大和葛城山。

ホトケノザとオオイヌノフグリが満開。

前回訪ねた上子島砂防公園まで行くのは止めて土佐街道に戻ります。ヤマネコノメソウです。

二上山がぽっこり。ウザい電線は削除しておきました。

土佐街道の丁石にキンセンカ。

土佐街道と壺坂道の分岐点から高取山中にあった子島観音院までの道筋を示すものと分かりました(参考)。

町家の雛めぐり、土佐街道沿いの町家のお座敷や玄関に飾られた雛飾り観賞が一般に開放されたもので、配布されていたマップでは49箇所の雛飾り、それ以外に番外参加もあるようです。

街道に沿って菜の花も並べられています。

格子窓のお雛さまが何とも色っぽい。

メイン会場の雛壇です。マスクで卓を囲んでます。背中の兄さん、平和断么九三色ドラ1くらいが狙えそうです。おにぎり、チョコレートケーキ、ホットドッグとこちらも芸が細かい。

街道は沿道のカフェでランチが売り切れになっているくらいの賑わい。

文久三年の雛人形。CGの高取城バックのお雛さまにこの町の人たちの誇りを感じさせます。

何番だったかのお雛さま、↑を見てくださいとあったので見上げると新築住宅の出窓にお雛さま。このノリだと正式には今年が最後でも有志ベースで継続されそうな町家の雛めぐりです。

享保雛、上掲の文久三年と較べると、江戸時代中期と幕末で人形のお顔や衣装がずいぶん違っています。

大名行列のお殿様。土佐街道の北側にも雛めぐり、シックでえらくおしゃれな板の間の雛飾りです。

ウチは男二人兄弟ですが、それでも祖母が大切な雛人形を飾るのを手伝った記憶があります。壊さないように木箱から取り出して、そっと雛壇に並べます。台に載った菱餅が食べられないのに美味しそうでした。ネットやテレビの無い時代にも、雛人形を飾ることで伝統や風習が世代を越えて受け継がれてきたと気づきました。

五月の節句にも鎧兜や金太郎の人形が床の間に飾られていたのですが、雛人形の方が思い入れがあります。以前どこかで書いたような気がするのですが、五月人形も殿様、侍大将、足軽、鉄砲組、軍目付、軍師、勘定奉行等々のフィギュアを並べるようなものだったら自分もハマっていたはず。上掲の大名行列がちょっと近いですが男の子向けじゃないですね。

APPENDIX

前から狙ってみたかった壺阪山駅南側の90°カーブです。金剛山をバックに青のシンフォニーですが、逆光かつ構図としてもイマイチ。

ヒメリュウキンカです。

駅前の双葉食堂でひと休み。年末に訪ねた時のことをしっかり覚えてくれていました。

なんやかんやと飾られている中に見覚えのある白樺でできたこけし、ウチにも同じものがありました。志賀高原か野沢温泉辺りのスキー場で買った記憶があります。

帰ります。会ったことのない曾祖母の里、1/8自分の町壺阪、また来ます。こんどは高取城にチャレンジかな。

さくらライナーと列車交換、やはり青のシンフォニーよりずっとカッコいいと思います。

八木で20分待ち、その間久しぶりに撮り鉄。3番線から難波行アーバン、4番線から京都行伊勢海老ライナー、1番線に五十鈴川行急行、2番線名古屋行ひのとり(通過)です。手すりに肘を付けて撮ったのに揺れてます。