壺阪の血
一年前と同様に元旦は津へ向かうことに決めたものの新春フリーパスの販売はなく、近鉄週末フリーパスを購入。30日からの3日間有効なので、どこへ向かうか悩んで壺阪山にしました。2025年の元旦は水曜日になるのでたぶん来年は新春フリーパスが販売されるかと。それに「おとくなきっぷ」用のQRコード決済が導入されるらしく、スマホで利用できる可能性がありそうです。
バス停風看板の無人販売所、雑煮用大根とは祝だいこんと呼ばれる大和の伝統野菜です。大和の雑煮は祝だいこんと里芋、豆腐に丸餅の白味噌仕立て。自分の実家のある岸和田の雑煮も伝統的に白味噌仕立てなので、婿養子だった祖父にとって居心地が良かったはずと気づきました。自分は子供の頃からお餅がキライなのですが、お餅が大好物だった祖父は雑煮を何杯もおかわりしていたことを思い出します。今なら喉を詰まらせないか随分心配しなければならないところです。
薬局だけでなく、街道沿いに立派な門構えの皮膚科医院、クチコミを見るとえらく評判が良く、特にアトピーにお強いようです。
町家カフェはお正月休みに入ってました。
その奥になにやら色んな人形、赤いユニフォームのオオタニサンらしきも、「天の川実行委員会」とあり、それをキーワードに調べると、10月に行われた「かかしまつり」に展示されていたかかしたちのようです。15年続けられたのに今年で最後だったそうで残念。動画を見ると、かかしまつりといっても可愛い人形ばかりで、お隣、明日香村の案山子コンテストとはだいぶ趣きが異なってます。
大きな卵型のお雛さまらしきがいっぱい並んでます。毎年3月に町家の雛めぐりというイベントも開催されていると分かりました。
ゲンノショウコのタイル絵、9月に貴船川沿いの道端に咲いているのを見つけました。他にナズナ、タンポポ、センブリ、アオキ、ドクダミ、キキョウのタイル絵も。
「助産婦」と掲げた格子窓のお宅、丸い門灯が素敵です。「生まれそうです!早く!」と飛び込んできた家族の声を聞いて、割烹着を着た産婆さんが出てくる場面が目に浮かびます。
見覚えのある石垣の奇妙な形の花は流谷でも見たウキツリボク。
さくらライナーと列車交換の橿原神宮前行普通の6519系6521で帰ります。八木からの今日のアンカーはお気に入りの5200系。
お好み焼きを食べながら、高取町の人口減少や商業の衰退、明日香村と較べての、観光や農業に対する国の補助の違い等、この町が抱える色んな問題も聞かせてもらいました。スーパーマーケットの閉店も眼の前にしてきたものの、明日香村とは全く異なる城下町としての魅力がたっぷりの高取町も見てきました。城下町でも山城の城下町という極めて特殊な魅力もあります。かかしまつりのようなイベントが継続できなくなったのは何とも残念ですが、地元のひとたちの並々ならぬ町おこしへの熱意や創意工夫も強く感じられます。
自分の血の1/8がこの町由来であることを誇りに感じさせてもらった壺阪、高取町です。花もいっぱい咲き始めているはずの、ひなまつりの3月にぜひ再訪したいと思います。まだまだ今日見逃したこの町の魅力が見つかるはずです。