秋はどこへ行った

今週末は貴船と早い時点で決め、出かける前にも貴船川沿いを歩くシーンを頭の中で何度もシミュレーションしていた自分です。9月も半ばで京都は猛暑日の予想ですが、標高があり木陰を歩くことになる貴船、ま、だいじょうぶでしょう。

やってきた特急は3000系。8000系の方が快適なのでちょっと残念もトップナンバー、縦長LEDヘッドマークにはCOMFORT SALOON 3000 SERIESと表示、SERIES 3000とした方が英語っぽいかと。

天満橋のもより市(旧アンスリー)で買ってきた北海道ミルク紅茶はなんとセコマ(セイコーマート)ブランドでテンション上がりました。日本アスパラガス千歳工場製です。

出町柳に到着すると両側が3000系。叡電出町柳には1番線に「ひえい」が停車中、3番線に入線してきた「きみどりきらら」に乗り込むと、さらに2番線に800形が入線。3線満線になるのは珍しい。

1998年のローレル賞プレート、まだ新しい電車と思っていた「きらら」がもう25歳でビックリ。終点鞍馬ひとつ手前の貴船口で満員の乗客がほぼ全員下り立ちまたビックリ、きみどり「きらら」を見送ります。

改札を出て階段を下りると、まるで城崎温泉駅前のように客を出迎える旅館の人たち。川床のお客さんの送迎です。

貴船

なぜこんな小さな駅に空調完備のゆったりした待合所があるのか謎が解けました。送迎バスが出発するまで川床のお客さんに待ってもらうため設備と分かりました。たぶん叡電じゃなくて貴船の観光協会とかが設置したものと思われます。

待合所脇のモミジに紅葉がちらほら。川沿いを歩くつもりだったのですが、ちょうどバスがやって来たので乗ってしまいました。満員です。

貴船バス停から貴船神社までの道、お気に入りの花のひとつ、シュウカイドウがいっぱい。

赤い橋を渡ると鞍馬寺西門、鞍馬寺へ登ってみようかと言う考えが一瞬頭をよぎったものの、今日は渓流チェックが目的なので止しておきます。

貴船神社の石段下、ここで折り返します。

長い行列はお蕎麦屋さん。調べてみると1000円台から川床で食事できる貴重なお店と分かりました。狭い道路に少なからず車が行き交い渋滞すると歩行者も通れなくなります。この付近は駐車場も限られるので多くは貴船口駅近くの駐車場に車を置いてバスか歩いてここまで来るようです。

白い斑点の黒いアゲハはモンキアゲハ、高くは飛ばず地面を飛び跳ねているのですが、翅がもうボロボロでそろそろ寿命っぽいです。

あれ?、どうみてもアジサイです。秋に咲くアジサイ、タマアジサイです。

駐車場の観光バスには「長良川鵜飼と京都貴船の川床 舞妓の宴 大人の涼景」と掲示されています。調べてみると東京発で10〜12万も往復グリーン車、Aランクホテル2泊6食付きは自分の旅とは全然異なるもののなかなかリーズナブルかと。過去10年間で1万人も集客している、かなりのヒット商品のようです。

いよいよ貴船川沿いを歩きます。きれいな水に魚影、Google Lensはアブラハヤと教えてくれました。

アキアカネが目の前に下りてきました。そのすぐ近くに絶滅危惧種のスズムシソウ、先週府立植物園ではいっぱい咲いていたのですがここでは一輪だけ。

貴船で自生しているという情報があって期待していたのですが、一輪だけでも会えて嬉しい。

さらに白い可憐な花はゲンノショウコと分かりました。日本三大民間薬のひとつ、現の証拠がこんな可愛い花を咲かせるとはビックリ。

教えてくれたアキアカネにありがとう。

貴船口駅から貴船への京都バスは臨時便が頻繁に運行されていて、さっきもあわてて乗り込む必要はなかったようです。

かなり遅咲きのヤマブキ(一重)。貴船川の小さな滝、目を凝らして探すものの鳥は見つかりません。

鳥は見つからないものの、色んな花が咲いていて飽きない道、図鑑を手に花の名を調べる若い人たちも。白い密集花の木はイタドリ。

白っぽいオミナエシのような花はオトコエシと分かりました。女郎花に対する男郎花です。

4枚の萼の花はセンニンソウ。この辺り、6月頃にはホタルが見られるそうです。

あっという間に貴船口駅に着いてしまいました。駅前の河原に下りてみたものの何も見つからず。

午後からぐっと気温が上がることは想像に難くないもののまだ帰る気になれません。次の行き先を決めかねないまま、とりあえず出町柳行のデオ810形に乗り込みました。

一乗寺、出町柳

前に行ったことのある定食屋さんでランチすることに決めて一乗寺で下車。今日の定食の①番、ハムオムレツとからあげです。小鉢の切り干し大根やひじきの白和えも小鉢としては一般の倍サイズ、ご飯はこのサイズがデフォルトで「小」や「小小」だと少し安くなると気づいたのはお勘定する時でした。近所にラーメン二郎直営の京都店があるのですが、一乗寺は定食も二郎サイズ、それでも何とか完食。

動けなくなるくらいお腹いっぱいで店をでるとものすごい暑さにビックリ。京都のキワ、音羽川の砂防ダムに行ってみようかと考えていたのですがこれでは無理です。とりあえず出町柳に戻ることにします。

出町柳駅近くのお寺の門を覗くと敷き詰められた砂利の庭に伸びた長い花、ケイトウのようです。その先の喫茶店でいっぷく。

スマホをいじっていると去年の今日、賀茂川上流でいっぱいヒガンバナが咲いていたのを思い出しました。その場所までは4系統のバスに乗ってさらに歩くことになるので、とりあえず近くの賀茂川を歩いてみることに決めました。

日陰のある賀茂川右岸を歩きます。水辺のキクイモと中洲のフヨウ、淀川下流でよく見かけたコンビです。阪神高速左岸線の工事で長くご無沙汰の淀川ですが、ここも淀川ではあります。

比叡山と大文字山です。右岸も日陰が続くわけじゃなく、日向は強烈な暑さです。記録をチェックすると最高気温は35.7℃(14:40でほぼ現時刻)、去年の今日の最高気温は32.1℃、何と3.6℃も暑いです。

日向の道をハアハアしながら歩いていると自分よりかなり年上の男性が後ろから続いて来てます。土手沿いに木陰を見つけ自分はそちらへ向かったものの、後ろの男性はそのまま日向をまっすぐ行ってしまいました。熱中症が心配です。

もう限界、日陰ばかりのはずの糺の森へ向かうことを思いつきました。出雲路橋を渡って下鴨神社までの500mほど、日陰のない東西の道がキツかった。

本殿の東側、御手洗池の奥の縁台にへたりこみました。眼の前に十二単らしき顔出しパネル、十二枚あるのか何度も数えてみたのですが、見える限りでは7枚までです。調べてみると葵祭のヒロイン、斎王代の顔出しパネルと分かりました。

糺の森

ゴマダラチョウです。葉っぱの陰でじっと動かなくなりました。

砂利にコミスジ。下鴨神社の参道脇です。

笹の葉にモンシロモドキ。ヤブミョウガがいっぱい咲いてました。

奈良の小川です。ハグロトンボがいました。

いきなり目の前に虫を咥えたヒヨドリの幼鳥。同じ子(たぶん)が泉川で水浴び。

河の上の枝にもヒヨドリの幼鳥。

泉川のハグロトンボたち。

泉川を渡り高野川右岸へ向かうものの、この辺でお腹の異変を感じました。貴船川でゲンノショウコの葉っぱでも採ってくれば良かったのかもしれませんが、ちぎったばかりの葉っぱを齧って効くかどうかは不明です。

あれれ? ナミアゲハとキアゲハのカップルです。ググってみると交雑例も少なくないようです。キアゲハのメスにナミアゲハのオスという組合わせでのみ、交雑が可能とあったのですが、写真は逆ポジションです。

アゲハたちが舞っていたのは白い花、貴船川でも咲いていたセンニンソウ、こちらの方がずっと見事です。

漸く秋を見つけました。今年初物のヒガンバナ、まだ咲き始めたばかりのようです。

この辺の主、セグロセキレイです。

お腹の様子は緊急度を高め、出町柳駅のトイレに駆け込みました。お昼を食べすぎたのと、朝から500mlのペットボトルの水を4本ぐらい飲んでいるのが原因かと。普段駅のトイレの個室に入ることはまずないのですが、記憶の限り、この10年で長浜駅と宇治山田駅に次いで3回目のはず。

四条河原町へ寄り道して帰るつもりだったのですが、余裕がなくなり直帰しました。17,700歩10.7kmで先週よりずっと軽いけど疲労度はずっと激しいです。