マルバマンネングサ
あと1回分残っていた南海の株優、橋本行急行で河内長野市流谷へ。
天見に到着、4年ぶりです。楠木正成軍と足利幕府軍が「出合った」出会いの辻交差点で国道371号高野街道を渡り、天見川に沿って山道を遡ります。
なぜか強い風が吹いているのですが雨は大丈夫っぽいです。石垣にシュウカイドウ。
紅色のシュウカイドウや殆ど白いシュウカイドウは初めて見ました。
現在地は河内長野市天見ですが、この谷の名前が流谷かと。谷の奥の稜線は岩湧山(897.1m)。田んぼにはおたまじゃくしたち。
山際には自生のガクアジサイ。対岸に八幡神社、赤い幟に囲まれた丸い高い木は樹齢700年の大イチョウ。
赤い橋を渡って神社へ、大イチョウと、その隣でたわわに実がなっているヤマモモ。
イソヒヨドリ♀があらわれた、イソヒヨドリ♀はようすをうかがっている。一輪だけの可憐な花はヤナギハナガサ。
坂道に沿った住宅は石垣の上にあります。視点の高さの石垣にきれいな花、ムシトリナデシコです。上から見ると5弁の花が集まっています。葉の下から分泌する粘液で虫を捉えるものの、食虫植物ではなく、受粉に役立たない虫を花に寄せ付けないためだそうです。
ウズアジサイです。青紫と赤紫と色づきはじめたばかりのウズアジサイ。
細い流れになった天見川、農作業用に架けられた小さな橋から川面を覗くとカワムツたち。
ミヤマカワトンボです。
砥石谷分岐、登山道なのか林道なのかよく分かりませんが、第17経塚へという新しい道標が立てられています。道標にある葛城修験日本遺産活用推進協議会を検索してみると、和泉山脈と金剛葛城山地に沿って、役行者により法華経が納められた28箇所の経塚があり、その17番がこの先の大阪和歌山府県境の稜線上にあるようです(参考PDF)。ちなみに1番は和泉山脈から海を隔てた友ヶ島にあり、28番は金剛葛城山地と生駒山地の狭間、王寺町の明神山と大和川の亀石です。
マップを見るとここからが流谷地区、天見地区にすっぽり囲まれているものの郵便番号も違っています。
足はまだ生えていないけどだいぶ大きくなったおたまじゃくし、たぶんトノサマガエルです。このページからすると孵化して18日目くらいのようです。振り返るとナスの花。
4年前にもこの付近で出会ったサカハチチョウです。
逆さ八の字の回りに赤や金色が散らされたゴージャスな蝶、網目模様の外側(裏側)も美しい。
動画もじっくり撮らせてくれました。4年前同様、翅をゆっくり閉じたり開いたり、何度も向きを変えたりのサカハチダンス、白い足もおしゃれ。
ホタルブクロとヤブカンゾウ。
まだ食べるにはちょっと早そうなビワ。硬そうな実がなっているのはたぶんツバキ。100個のツバキの実から採れる椿油は250mlほどだそうです。写真左上の葉っぱにカタツムリ。
ガードレール越しの石垣にへばりついた丸い葉っぱに星型の黄色い花が満開。この付近ソフトバンクでは圏外で、Googleレンズで花の名を確認しようもなく、帰ってからの楽しみにします。
帰宅後調べてみてびっくり、探し求めていたSedum makinoi Maxim、マルバマンネングサです。星型の黄色い花、多肉で艶のある丸い葉、間違いないと思います。Wikipediaで花期は5月とあり、また来年と思っていただけにめちゃ嬉しい。それに朝ドラ「らんまん」で見たマルバマンネングサよりずっと華やか。
天見川は天見地区と流谷地区の境界線のところで南の谷へ向きを変えているので、この流れはその支流、たぶん流谷川です。ここでもミヤマカワトンボ。
宅急便が坂道を上って行きます。国勢調査によると人口42人の流谷地区、河内長野市になる前は天見村ではなく岩湧山北麓の加賀田村に含まれていたようです。
電話機の撤去された電話ボックス、ということはキャリア次第で携帯がつながるはず。ドコモを調べてみるとLTEがつながるようです。張り紙には「流谷金剛童子、葛城第十六番経塚、足元が大変すべりやすくなっていますので注意して見学してください」とありますが、山奥の稜線にある17番よりは簡単に行けそうです。
ちなみにここ流谷は隠れキリシタンの里だったという伝説が残るようです。ミヤマカワトンボのいた辺りから高台に上がると薬師堂があり、そこに並ぶ十三仏石碑には洗礼名らしきが刻まれているそうです(参考)。
オニヤンマとすればちょっと小さめ、それにオニヤンマはこんなふうに水平に止まらないはず。コオニヤンマです。
右端が流谷観音堂、天見駅から2.2kmの道のりを1時間半かけて歩いてきました。ここで引き返すことにします。
坂道を下るとさっきと同じ場所にまだミヤマカワトンボがじっとしています。
この時点ではまだ花の名は分かっていなかったのですがマルバマンネングサのところまで戻ってきました。崖下を覗くとちょっとはなれた場所は崖下までびっしりマルバマンネングサ。これは牧野博士も大興奮かと。
懸命にアザミの蜜を吸っているトラマルハナバチ。毛皮風のジャケットが似合ってます。
翅を閉じたままのムラサキシジミ、翅を開くとこんな感じです。同じ葉っぱの右がわにいるのはホタルのようです。
夜になるとホタルが舞うはずの渓流ですが、夜中にここまで来るのはちょっとした肝試し。オレンジの花は総合対策外来種に指定されているヒメヒオウギズイセン。
クロキシタアツバです。
オトギリソウを見て駅に着くと林間田園都市折返しの区間急行、30分ヘッドの急行だけじゃなくて意外と便利です。
従来のようにロケ地やゆかりの地を訪ねるのではなく、ドラマにゆかりの草花を探しに行かせてしまう「らんまん」です。