黒いヘビ
どこにも行かずおとなしくしているつもりだったけど、薄日がさしてきたのでちょこっと。
吉城園母屋縁側の眺め、曇り空も悪くないです。
スギゴケの上に乗っかってるのは、落ちてきたサルスベリの花びら。
ちっちゃい白い花はヤブミョウガ。好物のショウガ科のミョウガと違ってツユクサの仲間、青い実がなってます。
ゴム紐が落ちてるのかと思いきや黒いヘビ。2m近くあります。
竹柵の下をくぐって、スギコケの匂いを嗅いで、スギゴケの森の中をガラガラ音をさせながらニョロニョロ這って行き消えました。
ガラガラヘビは日本には生息していませんが、シマヘビやアオダイショウはしっぽの先を地面にたたきつけて音を鳴らすそうです。黒いヘビで検索するとカラスヘビとも呼ばれる突然変異で黒化したシマヘビと分かりました。8年前に撮ったふつうのシマヘビと見比べてみても間違いなさそうです。
アオダイショウやマムシと違って毒は持たないものの、気性が荒く近づくのは危険です。
ヤブランです。
白桔梗。
スギゴケは今が一番美しい季節のようです。
茶花の庭の木陰に薄いピンクの花が数輪、ナツズイセンと分かりました。花びらの裏に止まっているのはウロコアシナガグモ。
薄紫の斑入りの白桔梗、白桔梗の花の中にいるハムシはたぶんクロウリハムシ。
ノカンゾウとムクゲ。
流行りの縦長動画で茶花の庭をご一緒に散歩しましょう(右上)。
何度も来ているのに茶花の庭が枯山水になっていることに初めて気づきました。
さらに奥に木戸があって隣接する氷室神社へ抜けられることにも初めて気づきました。
氷室神社の舞殿です。いつも茶花の庭で休憩している時に聞こえてくる雅楽です。雅楽を鳴らすボタンは見当たらず、社務所で操作されているのかも知れません。
大きな氷が置かれていました。おみくじを氷に貼り付けて読むようになっているのですが、今の時期だとすぐ溶けてしまうはずで管理が大変かと。高く盛ったかき氷を舞殿の前の三方に載せて参拝している女性も。そのまま置いておくのかと思いきや、インスタ用の写真を撮ったら三方から下げてシロップをかけていただくという流れになっているようです。
氷室神社の由緒は水谷川(吉城川上流)の月日磐(近くまで行ったことがあります)に氷神を祀ったことに始まり、国際フォーラム辺りにあった氷池から取った氷を、浅茅が原にあった氷室に保管し、平城京に献氷していたそうです。奈良時代の奈良は今よりずっと気温が低かったようです。
平安時代になって現在地に移り、鎌倉時代初期に、京都、南都、天王寺の三方楽所のひとつ、南都楽所がここに置かれ、現在の宮内庁式部職楽部に雅楽が受け継がれています。なにゆえ氷室神社の神職が楽人を兼務するようになったのかは不明ですが、氷と雅楽の組み合わせは神社のちょっとした趣向ではなく、長い長い歴史の裏付けがあります。
さっきの木戸をくぐり吉城園に戻ります。アブラゼミがカニ歩きしてました。ツクツクボウシの鳴き声はこの上から。
ハグロトンボがパタパタやってました。
スギゴケの上のハグロトンボ、なぜか♀ばかり。
吉城園の外に出ると、前回大輪の花を咲かせていたヒマワリは枯れきっていて、そこにカワラヒワ。種を食べているのかな。
路地にシカ。背景は若草山です。
吉城園の隣の工事が本格化していて鉄骨の骨格が組み上がっていて、塀には開発事業公開標識が掲げられていました。吉城園がホテルになってしまうという噂は聞いていたのですが、庭園は残され、隣に隈研吾建築都市設計事務所が設計のホテルを建て、さらに西側の旧知事公舎と一体的に再開発するものと分かりました。吉城園の茶室の工事もどうやらその一環のようです。とても自分が泊まれそうなホテルではなさそうですが、吉城園さえそのまま残され、今のまま無料で入園できれば文句はないです。
奈良県庁前になぜか牡鹿ばかりが集まっていました。県庁にはまるで剥製のような牡鹿。
溝で寛ぐ鹿たち。多分ひゃっこくて気持ちいいんだと思います。
奈良公園内のあちらこちらで燈花会の準備中。日が暮れるまでまだかなりあるので、帰ります。