お水取りの日
奈良公園は、インバウンドさんたちがいないこと以外、修学旅行生たちも、鹿たちも以前とほとんど変わらない賑わいに戻っていました。
吉城園
大宮通りから吉城園へ抜ける大好きな土塀の道が閉鎖されていて、ぐるっと遠回りしてようやく吉城園にたどり着きました。
吉城園内も茶室が耐震工事中で園内の歩ける場所は2/3くらいになってました。
ボケの花です。去年の同時期にはもっと色んな花が咲いていたのですが見当たらず。工事は秋まで続くそうです。
二月堂
大仏殿の裏をまっすぐ二月堂の裏参道へ向かいます。宝蔵院の土壁に満開の梅。
宝蔵院前の駐車場に「カメラマン席」とあり、三脚を抱えた人たち。振り返ると真正面に二月堂。
修二会のお松明は二月でもう終わっているとばかり思い込んでいたのですが、旧暦の二月なのでまだ終わっておらず、それも1日だけじゃなくて3月1日から14日の毎日行われていると初めて知りました。
二月堂裏参道にも竹が建てられ縄が架けられていました。中性院の土壁に埋め込まれた瓦、その一部に「寺」と書かれた瓦、何か曰くがあると聞いた記憶があるのですが思い出せません。
中性院の格子戸の向こうに梅。裏参道の溝、サワガニはいませんでした。
大松明が立て掛けられていました。登楼は入れなくなっているようです。
溝の中にサワガニの注意書きがありました。
二月堂下にある閼伽井屋、3月13日午前1時過ぎにこの中の井戸で閼伽水という水を汲む儀式が行われることからお水取りと呼ばれるようです。
舞台の下からお松明を見ることができるようです。
二月堂に上ってみました。手すりに松明の煤とか残っているかも思ったのですが、何もありません。二月堂の障子は閉じられているものの、中からお経が聞こえて来ます。お経に混じって時々、バーン、バーンと大きな音が。テレビで見た自らの身体を板に打ち付ける五体投地の音のようです。
お堂の向こう側に回ると、まるで新歌舞伎座のように出待ちしているおばさまたち(お姉さまたちを含む)。自分もその後ろに並んでみます。
暫くして練行衆と思われるお坊さんたち。
二月堂からの眺め、大仏殿の向こうに平城宮跡の大極殿南門と大極殿。
「水取りや こもりの僧の 沓の音」、書体も文面も素敵な掲示板です。
萬葉植物園
今の時期の鹿たちはどの子も毛がボサボサ、犬の毛を取るブラシでこすったらめちゃくちゃ取れそうです。
水谷茶屋でいっぷく。お松明を見てみたいもののまだ5時間もあります。一旦ウチへ帰って出直して来ても間に合うくらいです。
入ったことのない萬葉植物園を訪ねてみます。曇り空の下、菜の花畑が輝いていました。
菜の花畑の向こうの小さな流れの土手にヤマガラ。
土手の苔や枯葉の上を行ったり来たり。
どうやら木の実を隠しておいた場所が分からなくなって探しているようです。
どこやったかなぁ、この辺やったはずやけど…、あっ、あったあった!
寒アヤメです。
ナナホシテントウみっけ。ナノハナにはニホンミツバチ。
ここでもウメが見頃です。
道に沿ってずらりと万葉の植物が並べられてるものの花が咲いていたのはカブラだけ、カブラやダイコンって菜の花の一種だったんですね。赤カブが見事に実っています。春の七草のスズナはカブラの別名とも分かりました。
萬葉植物園は意外と広く、奥は藤棚が広がっていました。その先はさらに造成中。
造成中の場所に成虫で越冬し終えたルリタテハ。
臥龍のイチイガシ、大風で倒れても起き上がるように枝を伸ばしてきたそうです。
ナノハナに一番似合う蝶はやはりモンシロチョウ。
奈良公園にも梅林があります。夜まで時間をつぶしてお水取りを見に戻るか、近鉄奈良駅近くのドトールに入って悩みましたが、足がもう帰ろうと言い出しました。アプリをチェックすると12kmも歩いてます。ヤマガラやルリタテハに会えたことに満足して足の言う通りにします。
春場所初日を見たかったことも帰ることにした理由、難波ウォークの座ってタバコを吸いながらテレビ観戦ができるお店に直行。宇良関は残念ながら完敗。