碧い滝壺

近鉄1dayおでかけきっぷ(大阪府・京都府・奈良県内近鉄全線フリー、1000円)で前々から行ってみたかった室生の龍鎮渓谷へ友人とふたり旅。

せっかくなら5200系でと、さんざんググってみたところ休日ダイヤの825列車が5200系の運用と分かったものの、825列車が上本町何時何分発かが分かりません。近鉄時刻表に列車番号が掲載されているはずとジュンク堂に行ってみると近鉄時刻表はビニ本状態で調べられず、駅員さんに尋ねてみたところ8時31分発の中川行急行と確認しておきました。

上本町駅地上改札口から7番線に入線してきた中川行急行が見え、前4両は期待通り5200系、それも昭和20年代の2200系特急復刻塗装のVX05編成です。

12200系

8/9番線にカメラマン多数、ひょっとしてと思ったら「名阪ノンストップ」という副標が掲げた12200系が入線、VX05編成とのツーショットです。

鶴橋から偶然鉄友さんと乗り合わせました。12200系撮り鉄で築山駅まで向かう由。五位堂で鉄友さんを見送り、八木では8連の12200系とすれ違いました。榛原で待避、後続の12200系かと思ったら普通の特急でした。

室生口大野に到着、ここでもカメラマン多数。12200系ではなく、ひのとり8連が通過。改札を出てもう少し待ってみたもののビスタカー。

きんてつ鉄道まつり with 12200系特急名阪ツアーで4連と8連の12200系団体臨時列車が上本町-名古屋をそれぞれ1往復していると分かりました。12200系の「閉店商法」なかなかしつこいです。

8時半頃に上本町に入線した12200系は8/9番線で30分以上「撮影会」、ひのとりだと2時間程の道のりを「名阪ノンストップ」にもかかわらず3時間20分もかけてます。この辺で諦めたのは正解だったようです。

室生口大野駅から目的地まで3km弱の道のりです。電線にセグロセキレイのカップル。

宇陀川がΩ字に湾曲、水はとてもきれいです。翅を広げたアカタテハを正面から。

セグロセキレイとキセキレイ。

龍鎮渓谷

マップでは気づかなかった急で長い坂道を上ると室生湖が広がりました。ダム湖を右手に落石注意の路をしばらく進むと赤い橋、これを渡って左へ山道に入ります。

か細い流れの渓谷の道を辿ります。

どうやらここが目的地のようです。あっ、期待していた通りの碧い滝壺。同じブルーでも青じゃなくて碧ですが、このバスクリンのような色合いは見たままを再現していません。

下流側の透明の水たまりに魚が泳いでます。背中の模様がぼんやり見えるのですが、アマゴでしょうか。

望遠は諦めてSony ZV-E10に持ち替えると見たままに近くなりました。このところ降雨量が少なく、滝はかなり細くなっています。碧い滝壺にも魚影らしきが。滝壺から下流への水の流れはチョロチョロ程度、雨が降って増水しないかぎり魚の移動はできそうもなく水槽状態です。

日が射し込んできて滝壺の色が変わり、思わず息を呑み込みました。

岩が丸く抉られています。長い年月、まとまった雨が降る度に小石が滝壺の中を暴れ回り岩を削ってきたものと思われます。たぶん雨が降る度に生態系も大きく変化するのではないでしょうか。

上から見た滝壺です。東側に龍鎮神社の小さな祠が建っています。ポツポツとふたりずつくらいがやってきます。なかなか去りがたい思いを感じるのは皆同じようです。マイナスイオンが美味しいと実感できる場所です。

光線まできれいに撮れました。ZV-E10買ってよかったです。

滝壺はさほど深くなさそうですが、何がこの滝壺をこんなに碧く輝かせているのか、地質なのか、光なのか、水そのものなのか、ちょっと調べた限りでは不明です。同行の友人もしきりに来てよかったと繰り返してくれ嬉しい限り。

室生湖まで戻ってきました。湖面にはカルガモたち、対岸の奥に日の当たる独立峰、大和富士とも呼ばれる額井岳(ぬかいだけ)816mと分かりました。

お腹が減ってきました。駅へ戻る路と国道165号が交差する辺りでお店を発見。

お客さんがよく入ってます。沖縄料理始めました、とあったのでソーキそばにしてみました。ラフティがどっさり入っていて満足。ローカル路線バス乗り継ぎの旅に出てきそうななお店です。

宇陀川がΩ字形に湾曲するところまで戻ってきました。向こう岸の大きな一枚岩を撮っておいたら、これが大野寺の弥勒磨崖仏と分かりました。かなり摩耗してしまっていますが、よくみると冠や錫杖のような何か、裳裾と思われれる彫刻が確認できます。鎌倉時代初期の作だそうです。

室生口大野駅が見えてきました。往きと違って帰り路は随分近く感じられました。

駅周辺の観光地案内に「向淵スズラン群落」とあります。6年前に訪ねたスズラン群落のことかと思いきや、別のスズラン群落があるらしい。その途中には龍鎮渓谷同様にマップに「行ってみたいマーカー」を付けている竜王が淵があります。行ってみたいところがいっぱいある室生口大野周辺ですが、いかんせん電車とバスと徒歩だけで行ける場所は限られます。

宇陀市のウェブサイトで駅近くの室生地域事務所で電動チャリのレンタサイクルがあると分かったのですが、残念ながら平日のみ。お役所仕事じゃ観光振興は難しそうです。

信貴山

上本町行急行で戻ります。無論このまま帰っては1dayおでかけきっぷがもったいないので次の場所へ。相談の結果、フリーきっぷでもないと乗る機会の無い西信貴ケーブルで信貴山へ上り、反対側の信貴山下へ下りて生駒線経由で帰るということにしました。

五位堂で区間準急に乗り換え山本で下車。本数の少ないケーブルに合わせて山本駅前でいっぷくしていると12200系8連が名古屋へ向かって行きました。

西信貴ケーブルです。これと較べて生駒ケーブルがいかにダサいか、乗るのがはずかしい、という話題で盛り上がります。

大阪市内中心部だけが日陰になってます。

高安山の展望台に上って来ました。

S1を取り出し明石海峡大橋にズーム。日陰の中に大阪城天守閣。

信貴山鉄道跡をバスで信貴山へ。近鉄バスですが1dayおでかけきっぷは使えません。最後尾席に陣取ってローカル路線バス乗り継ぎの旅キブン。車内は自分たちの他にあとひとりだけ。戦時中に不要不急路線として廃止された信貴山鉄道平坦線、営業距離は僅か2kmほども複線電化されていたようです。たぶん黒字になったことなど無いのではと思ったら年間50万人を運び毎年単年度黒字を出していたようです(参考)。

信貴山バス停から朝護孫子寺へ向かうと橋でなんとバンジージャンプ。自分にはまず無理ですが、友人はチャレンジしたそうなのをシカトしておきました。

本堂が見えてきました。ケーブルカーもバスもガラガラだったのにどうやって上ってきたのか結構参詣者がいます。

朝護孫子寺本堂舞台からの眺め、王寺付近のはずですが、法隆寺も大和川も確認できませんでした。向こうからこっちを撮ったことがあります。

本堂の屋根の上に毘沙門天のブロンズ像。朝護孫子寺といえば寅、寅の年、寅の月、寅の日、寅の刻に聖徳太子が毘沙門天から勝利の秘法を授かり、物部守屋との戦いに勝利したことにより創建した寺だそうです。参道には鳥居や朱色の幟が並び、同じ聖徳太子創建とはいえ法隆寺とは全く趣が異なります。

本堂よりはるかに高いところに朱色の舞台。空鉢護法堂というお堂でこの山が信貴山雄岳、ここに松永久秀の信貴山城があったそうです。バス停に戻ると信貴山口側へ降りるバスは行ったばかり、予定を変更して高安山へ戻りケーブルカーで下山。

なんばでちゃんこ鍋、飲み放題メニューを頼んでしまい、かなり久々にしこたま飲んでしまいました。