ひのとりで鳥見(後編)

承前

中華屋さんのすぐ裏手に二級河川田中川の鉄橋があります。田中川河口左岸はマリーナ。

田中川干潟

田中川河口右岸には葦原の湿地帯が広がっています。白塚海岸付近をGoogle Mapで眺めていた時に見つけ、「行ってみたい」マークをつけていた今日の第2チェックポイントです。Google Mapでは千里湿地と表記されていますが、田中川干潟とも呼ばれているようです。

右岸の堤防の道の外側は葦原と砂丘、その向こうに海。内側は養殖池っぽい人工的な区画に区切られた池が広がっています。

とても伊勢湾とは思えないワイルドな光景が広がっていました。明治時代頃までは伊勢湾全体、いや大阪湾や東京湾もこういう光景が続いていたのかも知れません。

水たまりを覗くとカニがびっしり。甲羅の縁にリベットが並んでいるアシハラガニです。これまでアシハラガニは1匹単位でしか見たことがなくビックリ。

ヤマトオサガニもいてアシハラガニと見合って見合って。

葦原の先の浜辺です。葦原海岸と呼ばれるようです。ゴミは少なくないものの、多くは木くずです。

沖に停泊中は海上保安庁の巡視船みずほ。

ゴミの上にミユビシギが3羽、じゃなくて左端の目が大きくて白いのはイカルチドリですね。足元のペットボトルを消すためちょっと不自然なトリミングになってしまいました。

ミユビシギは浜辺へ移動。

イカルチドリはまだゴミの上でじっとしたまんま。

ミユビシギペアは波が寄せると逃げ、引くとまた水辺へ(^^)。

浜辺の内側の葦原の方から聞き覚えのあるミューミューの鳴き声が。行ってみると鳴き声の主とは異なるイカルチドリ、それにアオアシシギも。

ずいぶん可愛いのがいました。シロチドリの幼鳥ですね。

水路を挟んで向こうにもアオアシシギ、さらにキョウジョシギも。

鳴き声の主、キアシシギ発見。ウミニナびっしりの干潟にイカルチドリ。

なんとも魅力的な場所です。海辺は海風が吹いてさほど暑さはキツくありません。

さっきとは別の水溜まりにもアシハラガニがびっしり。

アシハラガニがいっぱいいる干潟にカゴが逆さに並べられていて、手前に「三重大学、実験中」とあります。調べてみても何の実験か分からなかったものの、三重大学生物資源学部海洋生態学研究室によるものと思われます。Facebookページは頻繁に更新されているものの、ウェブサイトは放置気味なのがちょっと残念ですが、さかなクンや枡アナを目指して頑張って欲しい。

あら、アシハラガニがアシハラガニの空の甲羅を持ち歩いています。海洋生態学、実に奥の深い学問です。

葦原の干潟と池に挟まれた堤防の道の地面にはところどころに干からびたカニせんべい。池と干潟を往復する途中で遭難するアシハラガニが少なくないようです。

海から離れるとかなり暑い。駅まで1kmほどの道のりが来た時よりもずっと遠く感じらます。さっき中華屋さんの自販機で買った水はなくなってしまい、炎天下でフラフラになって、コロナより熱中症の方が怖いとテレビでさんざん言ってたのが頭をよぎります。いささか気が遠くなるような思いを感じてきたところでなんとか駅に辿り着きました。

千里中央や、北千里、南千里、千里山と違って千里、ちさと駅です。隣駅が阪急千里線にもある「豊津」上野なのが面白い。

さらに北へ向かいます。白子駅で急行に乗り換え。2800系改造のL/Cカーは初乗車のはず。

実は今日の第3チェックポイントとして目論んでいた鈴鹿川派川を渡ります。楠駅で下りて河口へ向かうつもりだったのですが、もう限界です。

四日市で下りるか、桑名まで行くか、迷って四日市で下車。第4チェックポイントとして、北勢線か四日市あすなろう鉄道のどちらかを考えていたのですが、近鉄時代にしか乗ったことののあいあすなろう鉄道にします。トイレで自分の顔を見てビックリ、真っ黒です。

四日市あすなろう鉄道

内部行が入線。15分ヘッドで内部行と西日野行が交互に発車、つまり日永から先は30分ヘッドになります。いつものように先頭車かぶりつき、じゃなくて電動車は北勢線と逆に最後尾と分かり引き返し、モ263最後尾席をゲット。

運転席は車体の真ん中。ヒモのついたこにゅうどうくんは1日乗車券です。

車内のあちこちに表情豊かなこにゅうどうくん、ツイッターもフォローしてます。日永で西日野からの列車と交換。

後ろ向きはやはりあまり楽しくないので先頭車のク165に移動すると、5編成中1編成にしかないシースルー列車と分かりました。台車の上に窓が空いていて車輪の動きが見えるのですが、率直なところあまりインパクトがないです。ガラスを嵌めないでネットにするとかした方がいいかと。

泊駅で再度列車交換。5編成中1本だけの青い編成、こっちの方がカッコいいです。

終点内部に到着、5年前まだ近鉄の時に来ています。5年前には自動放送がうるさいと書いてますが、気にならない程度の自動放送になってました。

外にいても暑いので、冷房の効いた車内に戻ります。「シースルー列車」と「四日市-内部」の円形サボ、円形サボは縦書きが良かったかも。

内部から泊まで、つりかけサウンドを堪能しました。窓の位置が低いので胸の辺りにカメラを掲げファインダーじゃなくてモニターを見ながら撮ってます。

日永で下車、西日野行に乗り換えます。日永駅に1045mm、1067mm、768mmの3種類の軌間の展示。

よくできたダイヤで待つことなく、西日野行がやってきました。

日永から西日野への前面かぶりつき、電動車じゃない先頭車両だとノッチオンでもレールのジョイント音だけ。自分の首にかかったこにゅうどうくんの1日乗車券が写り込んでいてちょっとブキミです。

西日野に到着、これで四日市あすなろう鉄道完乗。改造前は方向幕だった窓には四日市あすなろう鉄道とだけ表示され、行先表示は丸形サボだけなのはグッドです。

折返し列車は高校生で満席に。すぐ近くに南四日市高校があると分かりました。土曜日でまだ8月なのに、夏休みが短縮されてしまっているようです。内部線でも沿線に四日市工業高校と海星中学高校があります。ガッタンギーヤーのつりかけサウンドで通学は一生の思い出に残るはず。

日永駅で内部行と列車交換。運転手さんが2番線で電車を待っている男の子たちを見つけて駆け寄り、内部行は向こうのホームですよ、と案内しています。内部行の接近で降ろされていた構内踏切の遮断器が一旦上げられ男の子たちは無事乗車。

おそらく近鉄OBと思われる年配の運転手さんばかりで、とても行き届いています。

四日市で今日2回めのプファー。Google Mapでみつけた立ち飲み屋さん、コリコリのつぶ貝299円。「酔っ払いお断り」です。

街中にもこにゅうどうくんがいっぱいいます。駅前には名鉄タクシー。

津までは鳥羽行のアーバンライナー。足元はやはり狭いです。

津でひのとり68列車に乗り換え。レギュラーシートで帰ります。リクライニングシートやカーテンは電動じゃなくて手動。

足元はアーバンライナーより広いです。足も真っ赤に焼けてます。

車内はガラガラで上本町到着。