智頭急行初乗り

久々の出張で鳥取へ。Zoomミーティングでは、やはりご要望や課題を正確に理解できず、お伺いする機会を作っていただいた次第。結果、何をすべきかがかなりクリアになりました。やはり全てオンラインで済ますのは無理があるようです。

鳥取駅まで送っていただくと10分後に上郡行に接続している智頭行普通があります。高速バスで直帰してもネタにならないので乗り鉄することにしました。

キハ47を期待していたけど、因美線智頭行は智頭急行のHOT3500形。2両編成の車内はちょうど帰宅部の下校時間で、それぞれのボックスにひとりずつ高校生たちで埋まっている中、1ボックスだけ空いているのを見つけました。

高校生たちの多くはひとつ目の津ノ井駅で下りてしまいました。高校生だけじゃなくて、小学生の兄弟(たぶん)も。駅にはお父さんがお迎えのようです。

郡家こおげに到着。ここまでは3年前に来ています。下りスーパーはくとが鳥取に向け発車すると若桜鉄道のWT3000形が到着。車体に無意味なレタリングがびっしり、ぱっと見てすぐ水戸岡デザインと分かります。八頭行じゃなくて「八頭号」だそうです。誤乗防止の逆を行く行先種別表示器の位置に八頭、YAZUのレタリング、車体側面はこれでもかとYAZUだらけ、よく見ると窓上に若桜鉄道の駅名がローマ字で並んでます。若桜鉄道前身の国鉄若桜線創業年を意味すると思われる1930、桜の図案の真ん中に何故か八の字、その下にローマ字でSAKURA、地元のアピールポイントをちゃんと理解してデザインしたのか疑問がふつふつ。

八頭町のホームページを見ると「豊かな自然とフルーツの里」というキャッチフレーズが打ち出されていて、柿が名産だったり、アカショウビンも登場、白兎伝説の町でもあるようです。なぜ、このキャッチフレーズを八頭号に反映しないのか、八頭号であれば最低限サクラじゃなくてウサギでしょう。

後ろに連結されたさらに派手なのは隼駅に因むSUZUKIハヤブサのラッピングだそうです。SUZUKIからちゃんとスポンサー料取れているのならこれはOKかと。

若桜鉄道は左へ、因美線は右へ、ここから初乗り路線です。車内はガラガラになってしまいました。鳥取市内からの人の流れは、因美線よりも若桜鉄道沿線がメインストリームのようです。

用瀬駅もちがせでキハ47と交換。

降り出してきたと思ったら、因幡社いなばやしろ駅でどしゃぶり。

継ぎ接ぎ動画で智頭駅まで。よく揺れるもののレールのジョイント音が楽しいです。トンネルを抜けるとホイッスルがブィーッ♪

智頭駅に3番線に到着。この車両が上郡行になるのかと思っていたら折返し鳥取行になりました。

智頭急行とJR西日本は相互乗り入れではあるものの、スーパーはくとは智頭急行のHOT7000系だけの運用で5連が7往復、京都や倉吉まで足を伸ばしています。スーパーいなばはキハ187系が専用に運用されているものの2連が6往復、普通列車はHOT3500形のみ。因美線内のみのHOT3500形運用も少なくなく、バランスが取れていません。キハの少ないJR西日本に智頭急行が車両を貸し出すことで稼いでいるように思われます。

鉄道むすめ「宮本えりお」のヘッドマーク、「まんが王国とっとり」のキャプションが付いてますが、鉄道むすめを鬼太郎やコナンとひと括りにしてしまうのは、ちょっと無理があります。

頭端式のホームにポツンと停車している単行のHOT3500形が上郡行です。

トミックスの木造駅舎を彷彿とさせるJR智頭駅です。駅前はシーンとしていて、ゆっくり歩いてみたいと感じる長閑な林業の町で、智頭に急いで行くという智頭急行の社名はいまいちピンと来ません。

JR駅舎左手のビルが智頭急行の駅舎と本社です。智頭急行では18きっぷは使えません。念の為。ちなみに鳥取から大阪までは、JR部分は合算されるので、鳥取-智頭が31.9km、上郡-大阪が122.7kmを合算して154.6kmで2640円、智頭線全線が1320円、乗車券は2日間有効で3960円、JRだけでなく智頭急行線内の途中下車もOKだそうです。

因美線津山行のキハ120が発車。草むした線路が因美線、きれいに整備された線路が智頭急行智頭線です。

こちらも発車。初乗りの智頭線に入って行きます。

平成6年の開業、線路は全線ロングレールで乗り心地は因美線より格段に良くなります。

トンネルを抜けると山の中に林家ペー・パー子駅?

恋山形駅です。テレビで紹介されていたのを見たことがあります。

下り列車が発車、山の中に吸い込まれて行くようです。駅が見えなければとても素敵な恋山形駅です。

う~ん、すごいです。ハート形の駅名票、ショッキングピンク一色の上屋、駅周辺の柵までショッキングピンク、自動販売機でおみくじを販売しているそうです。元々因幡山形駅とする予定が、開業当初から来い山形にひっかけて恋山形になったそうで、7年前からショッキングピンクに、地理とも歴史とも何の関係の無い集客のためのマーケティングですが、若桜鉄道の「八頭号」よりマシな気もします。

駅近くに廃校になった旧山形小学校の木造校舎が残されていて見学できるようです。校内には森林鉄道の機関車も保存されていると分かりました。いずれゆっくり里山歩きしてみたいところですが、この駅で下車するのはちょっと気が引けます。

雨上がりの山がとても美しい。

恋山形の次の山郷やまさと駅はトンネルの入口にありました。短いトンネルを抜けた次のトンネルは志戸坂トンネル5592m。普通列車でもかなりの速度です。

分水嶺にもなっている長いトンネルを通り抜けると岡山県。正面窓の向こう鉄橋、短いトンネル、そのすぐ向こうにまた鉄橋、その先に島式ホームのあわくら温泉駅が見えます。逆にあわくら温泉駅から撮り鉄するとおもしろそうです。

側面の窓が曇って外が見えなくなりました。内側からこすってみても消えません。

智頭急行の社員さんたちは接客も心地よく、運転手さんも元気いっぱいの声出し確認していて好印象なのですが、バッグを右窓前に置いたことだけはいただけません。因美線の運転手さんは同じ車両なのに、京阪神と同様、ここにバッグを置いていませんでした。

前方に車両基地が見えてきました。大原駅です。まさかこんな山奥に車両基地を設置しているとはビックリ。地元の雇用対策にもつながっているのかも。駅近くに因幡街道の宿場町の町並みが残されているらしく、ここも改めて訪ねてみたい駅です。

車両基地では2連の3500形が出場、本線脇の引き返し線に停車。汚れやすい気動車が、白いボディでもよく整備されていて、大原車両基地がいい仕事をしているのが分かります。岡山行スーパーいなば2連が到着。

続いて下りスーパーはくとが到着、鳥取へ向け発車して行きました。山奥の列車交換ショーに萌えます。

特急2列車を見送って11分停車していた我が普通列車も発車、次の駅は宮本武蔵。

宮本武蔵の出生地については播磨国と美作国の2説があるそうですが、吉川英治の小説宮本武蔵は美作国宮本村説を採り、2003年の大河ドラマ「武蔵」の原作になっていますが、この駅は大河ドラマより前の開業当初から宮本武蔵駅です。

この先兵庫県に入ります。

姫新線とのジャンクション、佐用に到着。津山行のキハ120と姫路行のキハ127がスタンバイしていました。

よく見ると行路票にもえりおちゃん、ここまで社員さんたちに愛されていればトミーテック担当者も嬉しいでしょう。

姫新線の右側を走っていたのをオーバークロスして左へ。1日フリーきっぷ1200円は全線片道乗車より安いです。

2時間半で上郡に到着。他の三セク気動車とは異なり、デザイン、性能、乗り心地、いずれも魅力的なHOT3500形です。HOTは温泉に因むのではなく、Hyogo、Okayama、Tottoriのイニシャルをつなげたものだそうです。

岡山から到着のスーパーいなばはここで進行方向を変えます。車内では乗客たちが立ち上がって座席の方向転換しています。

鳥取からスーパーはくとが到着。グリーン車、パノラマ車両付5連の振り子制御車両です。JR北海道がスーパー○○の名称をやめたので、この2列車とスーパーおき、スーパーまつかぜ、の4列車だけになってしまいまいした。

姫路行普通はなんと遠路はるばる糸崎発。クハ111-260、昭和52年製で111系ではなく113系に分類されるようです。車内は新快速とほぼ同じ、ドドメイエローじゃなくて湘南色のままだと人気者になれたはず、もったいない。