ヒガンバナ花見

ヒガンバナの花見で山の辺の道へ。3年前のブログで書いた景行天皇陵近くのヒガンバナが一面に咲いていた場所を目指します。

山の辺の道の起点、海柘榴市つばいちの方を廻ると遠回りになるので、桜井駅から街道沿いを直接大神おおみわ神社へ向かいます。三輪山が間近に見える、みかんでも柿でもない何かの果樹園にヒガンバナ。

キアゲハがあっちのヒガンバナ、こっちのヒガンバナへと蜜のつまみ食い。

モズ♀の高鳴き、これも秋になった証拠です。住宅のサッシにイソヒヨ♀。

海柘榴市(長谷寺・桜井)方面からの道と合流、振り返ると真正面に耳成山。

大神神社→玄賓庵

崇敬会大祭でいつも以上に賑わっている大神神社の北側から山の辺の道が続いています。景行天皇陵まで4kmです。

大美和の杜展望台からの眺め、手前北側から耳成山、畝傍山、天香久山の大和三山、遠景は二上山、大和葛城山、金剛山です。

狭井神社を過ぎると、大神神社への参拝客が殆どいなくなってハイカーばかりになります。

ハグロトンボがパタパタやってました。

岩壺池のコシアキトンボ、その池の土手からの風景です。

ヒカゲチョウがいました。玄賓庵げんぴあんに到着、中へ入ってみます。確か初めてです。

8世紀末頃、桓武天皇や嵯峨天皇の厚い信任を得ていた玄賓僧都が隠棲していた庵で、元は三輪山の檜原谷にあったのを明治になってここに移されたそうです。さほど広くない境内中ほどに護摩を焚く庵があり、薪が積まれています。

白い大輪の花、調べてみたものの名前は不明です。賽銭箱にクロヒカゲ。お寺の中の人と思われる人に挨拶して外へ出ます。

たぶんさっき挨拶した人が法螺貝の練習をはじめました。森の中に法螺貝の音が心地よく響いてきます。ほどなく檜原神社に到着。

井寺池

檜原神社から少し西にあるふたつの池が井寺池、その間の土手に見慣れないイトトンボ、よく見ると2両連結でお取り込み中です。

上まで青い複眼、オオアオイトトンボだと思います。かなりの数のアオモンイトトンボもいます。

川端康成揮毫の歌碑は、土に覆われてしまっているものの歌は全部読めます。地べたに止まったのはシオヤトンボかと。

柿の果樹園のヒガンバナ、ここでもキアゲハ。

シオヤトンボとアオモンイトトンボ。

檜原神社前の茶屋で休憩、三諸杉はよく冷えてました。春夏冬中、つまり営業中を意味する看板です。

頑張って重い腰を上げ、再び歩き始めます。檜原神社を過ぎると行き交う人はさらに少なくなります。ベニシジミがいました。

ヒガンバナの種類

いかにも山の辺の道っぽくヒガンバナが咲いてます。中には薄紅色の花も混じってます。

ツチガエルとオオシオカラトンボ。

白いヒガンバナ、シロバナマンジュシャゲというそうです。

花びらの縁がビラビラのヒガンバナはさつま美人という品種かと。向こうから100人は軽く超える団塊ハイカーの団体さんがやってきてしばらく通り過ぎるのを待ちます。

景行天皇陵付近→モズのいる休憩所

景行天皇陵までやってきまたのですが、周囲にヒガンバナの群生とかは見当たりません。景行天皇陵じゃなくて崇神天皇陵だったかも知れません。かなり足が重くなってきましたが、先へ進みます。

かなり疲れた顔で歩いていたようで、すれ違ったハイカーの女性から、もうちょっと向こうに無料の柿がありますよ、と声をかけられました。道端にクレートが置かれ「無料、少しやわらかいですが、甘いです」とのこと、ひとついただきました。色は薄めですが、芳醇な香りのとても甘い柿、熟柿とはこういくのを云うんでしょうね。ごちそうさまでした。

大和盆地の向こうには金剛山地に代わって生駒山地が広がっています。いささか腹具合がおかしくなってきたので、トレイルセンターの清潔なトイレですっきりさせてもらいました。ヒガンバナの群生はまだ見つかりません。

お腹はすっきりはしたものの足は引きずるくらいの感じになってきました。このまま帰るのも悔しいのでさらに先へ進んで行くと、狭い道路から田んぼに軽ワゴンが転落して横向きになっていました。周りにいる人の様子を見る限りけが人はなさそうな感じです。大事無いといいのですが。

谷の奥に聳えるのは龍王山586m、「大和は国のまほろば、たたなずく青垣」の青垣は狭義では春日山から三輪山の山地を指すらしく、その中の最高峰です。10kmくらいで周遊できるハイキングコースがあるようですが、当然急坂を上り下りするはずで、今のところまだチャレンジする自信はありません。

金魚の養殖池です。ツバメがまだいっぱいいます。のんびりムードですが旅支度はしなくていいのでしょうか。

整備された休憩所にへたり込みました。モズ♂が高鳴きするのをぼけーっと観察してました。

竹之内環濠集落→長柄駅

竹之内環濠集落付近でかなりまとまってヒガンバナが見えてきました。でも田んぼ一面じゃなくて、3年前の場所じゃありません。それにこの辺りのヒガンバナは盛りを過ぎていて、いささか萎びてしまっています。

この先、石上神宮までまだ3km強、天理駅までさらに2kmあります。もう限界、長柄駅へ向かうことにします。それでもまだ1.7km歩かなければなりません。

龍王山とヒガンバナです。一面に群生ではなく畦道に並ぶ姿がヒガンバナらしいと言えるかも。

種が飛んできて咲いているのではなく、ヒガンバナはチューリップのような球根植物です。球根(鱗茎)にリコリン等多くの有毒物質が含まれています。モグラやネズミがその毒を嫌って近づかないように、人為的に植えられたものだそうです。なので畦道に並んでいる訳です。

長良駅への1.7kmの道が遠いです。カイツブリの親子がいました。時刻表を調べると1時間に1本の電車があと10分程でやってきます。駆け足で長柄駅に到着。天理で近鉄に乗り換えて帰ることにします。

今日もイソヒヨドリが見送ってくれます。105系がやってきました。車内にはすでに新型電車登場の中吊り、ボロボロの電車と散々揶揄してきましたが、青い2両編成がのんびり走る光景が見られるのもあと僅かになりました。

それにしても3年前のヒガンバナの群生地はどこに行ったのでしょう?3年前のブログには景行天皇陵のその先とあります。見逃してしまったのでしょうか?それとも無くなってしまったのでしょうか?

無料の柿のクレートが置かれていた場所辺りは両側に広い空間が広がっていることを思い出しました。たぶんあそこです。いくらヘロヘロになっていて、柿に目を奪われていたとしてもヒガンバナの群生に気づかないはずはありません。たぶんヒガンバナは除去され耕地に戻されたんだと思います。

ヒガンバナの群生だと土地が収益をもたらさないです。リコリンは水溶性が高いので水を入れ無毒化、田んぼに戻されたものと推測。

帰ってから計算してみたら12kmも歩いていました。このところ7kmが限界と思っていただけに体力の自信にはなりました。