武田尾廃線敷

久しぶりに武田尾、駅前オオルリ夫婦以来、なんと3年ぶり。

駅ホームの半分は武庫川の上に張り出していて、関西でも屈指の風光明媚な駅だと思います。

ホームの残り半分はトンネルの中です。改札を出るとアジサイが出迎えてくれましたが、駅前オオルリ夫婦はいませんでした。

電車の中で長い棒をもっていたにいちゃん達は蝶マニアさんとわかりました。捕虫網を持ってる親子連れや捕虫網をもってるおっちゃんは時々見かけますが、捕虫網を持ってるにいちゃんは珍しく頼もしいです。

4年前の水害で被害を受けた橋の西側は堤防が築かれ以前と大きく様変わりしていました。

キセキレイです。黄色は薄めですが、表情が豊かです。

セグロセキレイはアクションが派手。

廃線敷ハイキングコースの入口は、以前より立派な橋に架けかえられ、朽ちかけていたトイレは撤去され、仮設トイレ2つが設置されていました。ちょっと出遅れたもののまだ9時なので人通りはほとんどありません。

枕木の道を進みます。キブンはキハ58。DMH17のエンジン音が聞こえてきそうです。

メジロです。冬場はマチナカでも全然珍しくないメジロも、夏場はこんな山の中、この辺りが繁殖地なんでしょうね。

長尾第三トンネル91mと2つ目の長尾第二トンネル147m、しっかり懐中電灯を持ってきました。

長尾第二トンネルを抜けた親水広場でホオアカ。ここから桜の園という森の中の周遊路があって前回周ってみたものの、かなり坂がキツかったので今日は止しておきます。

河原に下りてみるとホオジロとキセキレイ。

廃線敷ハイキングコースで水辺に出られる唯一の河原です。

河原の岩でじっとしてるのはシオヤトンボ♀、辺りで咲いている花は少ないものの対岸にヤマツツジ。

前回来た時は基本的に立ち入り禁止だった生瀬側から歩いてくる人が少なくありません。2年前に安全対策工事が完了し開放されています。ここで引き返して武田尾周辺で鳥探しするつもりだったのですが、予定を変更して先へ進んでみることにします。

初めて歩く道も枕木が残っています。さっきまでいた河原を振り返るもののヤマセミはいません。

セグロセキレイの幼鳥。

初めて通る長尾第一トンネル307m、出口にトラス橋、武庫川第二橋梁です。

土讃線の山中を行く特急南風になったキブンです。

鉄橋を渡るとすぐに横溝尾トンネル149m、トンネルを抜け武庫川右岸を歩きます。向こう岸の岩の割れ目にヤマツツジ。

巨岩奇岩が並び、足元を覗くとかなりの急流になってます。中央西線寝覚の床辺りの雰囲気。

葉っぱの上にお腹が平たいオレンジ色の虫、ハチでもなくコオロギでもなく、ハバチの1種、ツマグロアカハバチと判明しました。

樹上に何か小鳥、お尻しか写っていませんがメジロっぽいです。それより小さな葉が並んだ葉っぱが美しい。2回偶数羽状複葉という葉の形状の分類が分かり、ネムノキと判断。

北山第二トンネル413m、このルートの最長トンネルで途中でカーブしているので真っ暗闇になります。

長いトンネルを抜けるとまた渓谷美が現れ、ハイカーさんたちとすれ違うたびに気持ちのいいあいさつ。生瀬側からやってくる人が大半で、自分のように逆行は少ないです。廃線敷が整備されて以降、紅葉の頃は大変な人出らしく、あいさつどころじゃないかも知れません。

武庫川に張り出したテラス状の施設は廃線前の保線用の退避所のようです。来た方を振り返ります。

ちょっと大きめの鳥が枝に止まってます。露出を上げてみます。白いアイリングにくりっとした目、コムクドリで間違いないかと。

最後のトンネル、北山第一トンネル318m、トンネルの向こうに見える光は向こう側の出口じゃなくて、向こうから歩いてくる人たちの懐中電灯です。

トンネルを出ると、渓谷の真ん中の大きな岩の上でひとりぽつんとアオサギ、川の流れは激流、岩の高さもかなりなので、獲物を狙っているのではなく、渓谷美を楽しんでいる様子です。

生物の先生風の人が写真を撮ってます。何かなと見るとキノコ、サルノコシカケの一種かと。崖下にはネムノキの花、見上げても見下ろしても、花も葉っぱも様になる木です。

中国道が見えてきた辺りで急流から穏やかな流れに一変します。

廃線敷ハイキングコースの起点に到着、詳しい案内板が立っていました。看板では4号トンネルとか6号トンネルとありますが、北山第二トンネル、長尾第一トンネルの方が鉄道っぽいです。こちらのサイトを参考にさせてもらいました。

コミスジがあいそよしです。途中ルリシジミとかも見かけたものの全然止まってくれず、今日の蝶はこの子だけ。

ここから生瀬駅に向かうルートと西宮名塩駅に向かうルートに分かれています。距離的にはほぼ同じですが、名塩へ向かうルートが上り坂なので、やはり生瀬へ向かうことにします。

国道176号に出たところにバス停があったもののバスは行ったばかり、国道の歩道を歩きます。

山の上に威容とも異様ともいえる高層住宅が立ち並んでいます。すみれが丘という1990年代前半に開発されたいかにもバブル時代っぽい住宅地です。調べてみると同じ3LDKでも階層によって倍くらい値段が違ってます。宝塚駅からバスで10分くらいと意外と便利、斜行エレベーターというのがあって特に夜景は見事だそうです。

生瀬駅に到着、廃線敷は全然楽勝だったのが、国道に出てからの1.6kmが効いてクタクタになりました。武庫川第二橋梁は歩いて渡ったのですが、武庫川第一橋梁は電車で渡ります。