ギンカクラゲ

磯遊びの楽しさにすっかりハマりました。大阪府に2か所だけ残されたもうひとつの自然海岸、小島海岸へ行ってみます。多奈川駅から岬町のコミュニティバスで小島自然海浜バス停下車。

バス停すぐそばの小さな川の流れにカニ、カニ、カニ。

色は様々ですが、四角い甲羅、背中のスマイルマーク、全部アカテガニだと思います。薄茶色のはアカテガニの子供、愛嬌たっぷりです。

防波堤を乗り越えて下りた小島海岸、左手の桟橋は「とっとパーク小島」という海釣り公園兼道の駅、その先は大川峠を超えて加太です。この上町のおっさんのブログでは、なぜか大川峠が人気で、かなり長期間検索キーワードのトップになっています。

海岸は磯ではあるものの、岩礁が砕けた丸い石がごろごろ、すごく歩きにくいです。右手の崖の方へまで行ってみたのですが、谷川地区の方まで歩いていけるのか分からず、無理して行って満ち潮になると逃げ場がなく、かなりヤバくなります。それにすごい数のフナムシがいて気持ち悪く、先へ進むのは止すことにします。

岩にへばりついているのはマツバガイ、岩の間に挟まっているのはカメノテという甲殻類の爪のような形の部分で、岩の奥の方に手のような部分があるはずです。

ヤドカリはいっぱいいます。

海から取り出して乾いた岩の上にひっくり返して置いてみました。器用に体を起こして海に帰って行きます。

岸壁をよじ登って戻ると2枚の看板があるのに気付きました。立入禁止にはなっていないものの、崖下には近寄らないようにという注意と、この辺りで見つかる生物の紹介ですが、磯遊びに適した場所とはいい難いです。

海岸線に沿った道もなく、人間のための自然海岸じゃなくて、あくまで磯の生き物たちのための自然海浜です。


コミュニティバスは行ったばかりなので、海岸から離れた山道を歩きます。

谷川地区まで戻ってきました。ここにも自然海岸の崖下に近寄らないようにという看板があって、それに磯に下りるにはテトラポットに掴まりながら下りる他なさそうなので諦めます。

里海と里山の両方が広がる谷川地区です。

関空を離陸したルフトハンザのジャンボが沖の上空で旋回して一路フランクフルトへ向かうところです。

多奈川第二火力発電所、もう10年以上操業を停止したまんまだそうです。

多奈川駅まで戻ってきましたが、素通りしてこのまま先週行ったばかりの長松海岸まで歩いてみることにします。

多奈川から300mしか離れていない深日港駅、かつてなんばからの急行淡路号が入線していた6両編成分のホームと、連絡船乗り換えのための臨時改札口。

今は2両編成のワンマン運転がピストン運転しているだけです。

駅前にはかつての賑わいを彷彿とさせるように飲食店が並んでいますが、1軒も営業していないようです。風情のある木造旅館も並んでいます。

深日港の岸壁、ここから徳島や洲本への航路があったのですが、10年ほど前に全廃。

火力発電所の2基の高炉がサビサビです。あまりにも寂しくなった岬町、本来の漁村に回帰したのだとしたら、それはそれで歓迎すべき側面もあると思います。

深日港の赤灯台と白灯台、子供の頃の岸和田港の風景を思い出しました。

長松海岸に到着、岩礁が平たくて、小島海岸よりずっと歩きやすいです。

ヤドカリには甚だ迷惑でしょうが、水から取り出して乾いた岩に置いてみます。赤いヒゲ、ケアシホンヤドカリと思われます。

いずれもホンヤドカリかと。イシダタミの貝殻を被ったのが多いですが、その他にも実にいろんな貝殻を被っています。大きさも2cmくらいが多いですが、1cmないちっちゃいのもちょこちょこ動いています。

成長に合わせて何度も貝殻を取り換えるそうです。空いた貝殻の奪い合いで喧嘩や、他のヤドカリをパワハラで貝殻から無理やり追い出すこともあるそうです。

手ぶれ動画でヤドカリ、波の音とヤドカリの動きに癒されます。

順に、イソガニ、ヒライソガニ、オウギガニ、かと。

鮮やかな透き通ったブルーの何かが漂ってきました。

ギンカクラゲというクラゲの一種、漢字だと銀貨海月、英語だとBlue Button Jellyfish、円盤部分が4cmくらい、大阪湾の神秘です。水族館でも珍しいそうな。