381系特急くろしお

酔っ払った勢いで買ってしまったわかやま国体・大会応援きっぷ、どこへ行こうかさんざん悩んで、紀勢線の撮影ポイントのひとつ、紀伊浦神へ向かうことにしました。串本の先、潮岬の向こう側です。

今月いっぱいで引退する381系のくろしお3号を撮り鉄、その折り返しのくろしお28号で乗り鉄が今日の目的です。

応援きっぷは和歌山県内がフリー区間なので、和歌山までは別途かかります。天王寺6:18の紀州路快速で出発。

時刻表を読み間違えて早く着きすぎました。1時間和歌山駅周辺で時間を潰すことになりましたが、とても気持ちのいい快晴です。

283系のくろしお1号。和歌山から自由席に座れるか心配でしたが、難なくC席ゲット。

駅員さん総出のお見送りに感激、旅のテンションが一気に上がりました。

283系なかなか快適、シートの座り心地がいいし、窓も広い。それ以上に、振り子式なのでカーブでのスピード感が堪りません。

海南を過ぎると車窓に海が広がります。シート越しにiPhoneで写真を撮ってると、D席の女性が代わりましょうか、私いつも乗ってるので、と。お言葉に甘えさせていただきました(^ ^;

御坊駅でもお見送り、いってきま~す。切目から岩代付近、車窓いっぱいに太平洋。

大阪湾とぜんぜん色が違います。岩代-南部間の千里浜という浜辺、この辺も良い撮影ポイントになりそうです。

だいぶ駅員さんの数が少なくなりましたが、紀伊田辺駅でもお見送り。きいちゃんもいっしょです。紀伊田辺から先は単線。

朝来(あっそ)駅で381系くろしおと交換。白浜でどっと降りてガラガラになりました。白浜から先は自分も初めてです。

D席を譲ってくれた方は周参見で下車、よい旅を、と嬉しいひとことをいただきました。

見老津通過。

和深通過。眺めのいい場所では徐行運転してくれる特急くろしお号。

本州最南端、ここは串本、むかいは大島♪。橋杭岩は車窓からでもしっかり見えます。

古座駅で381系くろしお18号と交換。

紀伊半島の東側の太平洋、大島の先端にある樫野崎灯台の優美なシルエットがくっきり撮れました。明治3年に建てられ今も現役の灯台、明治23年この沖でエルトゥールル号が遭難、日本-トルコ友好起源の地です。

紀伊半島西側より明らかに波が荒いです。波がこんなに美しいものと初めて気付きました。

目的地の紀伊浦神駅通過、古座で乗り換えると新宮行の普通は1時間半待ち、大地から引き返すと20分程で紀伊田辺行普通があります。乗り鉄の知恵。

撮影ポイントの磯、3人くらい撮り鉄さんがいます。よーく見ると岩山のてっぺんにも2人、スゴイ、とても真似できない。

大地駅到着、2時間半楽しませてくれた283系を見送ります。前と後で顔が違います。

太地駅、駅の反対側に那智黒本舗の本社工場があります。くじらの町太地、くじらやイルカの壁画がいっぱい。

105系で紀伊浦神に戻ってきました。港の岸壁にイソヒヨドリ。

20分程歩いて目的地の撮影ポイントに到着、車窓から見た撮り鉄さんたちは撤収してしまったようで誰も居ません。岩山の上は、ここからは見えません。

この入江は玉の浦と呼ばれ、万葉集にも歌われています。相当な僻地ですが、とても由緒正しき僻地です。図ってみると熊野大社から20km、万葉の歌人たちにとって、熊野詣での後のビーチリゾートだったのかも知れません。

足下の岩場はとても不思議な形をしています。お化粧のメイクパレットみたいな形です。100%自然にできたのか、人手が関わっているようにも思えます。でもこの場所に建造物をつくる必要があるとは思われず、やはり自然のなせる技のようです。

養殖イカダの沖の岩礁に打ち付ける波。ようやくもうひとり撮り鉄さんが磯にやってきました。

本日のメインイベント、381系くろしお3号。クハ381-501のHD601編成、L特急時代からの絵入ヘッドマークがとても似合ってます。

105系普通新宮行、元クハ103系1000番台です。千代田線でお世話になっていた電車との再会。

105系普通串本行

駅へ戻ります。見事な海食崖の岩山。乗ってきた283系が新宮で折り返してきました。

玉の浦で撮った元常磐緩行線で古座へ、古座から381系くろしお28号で一気に和歌山まで戻ります。

381系は2重窓になっています。普通のカーテンに改造されてしまっていますが、元々は2重窓の中にベネシャンブラインドが組み込まれていました。

窓の隅の丸い部分は、くるくる回してブラインドを上下させる取っ手の跡です。

国鉄っぽさがたっぷり残っている車内。モハ380-67、昭和56年川崎重工製です。洗面台は取り替えられているものの、タイル張りや丸い鏡は昭和のまんま。

振り子式で重心を下げるため、クーラーは床下に搭載、冷気を通すダクトが座席の横と壁を通っています。窓側の席の足下は狭く、6列目は6Aの席がなくて、6Bはおひとりさま席になっています。

床は貫通路より低くて、スロープになっています。1号車のパノラマグリーン車クロ380-1、これでカブリツキやったらさぞ楽しそうです。

乗り心地はというと、やはりよく揺れます。トイレでは特に男性の場合、しっかり体を支えて用を足さないとダメです。同じ振り子式でも283系はなかり改善されているのがわかります。

まだ4時前ですが、だいぶ日が傾いてきました。1本後のくろしお30号だと息を呑むような夕日のはずです。

紀勢線で一番人気の撮影ポイント、日置川鉄橋では撮り鉄さんが20人くらい。

白浜で7分停車。何と、先頭車付近に喫煙コーナーがあるとの嬉しいアナウンス。

紀伊田辺でびっしり満席、御坊では立つ人も多数。

和歌山到着。

駅前の「酒一」でちょっと一杯やって大阪に帰ります。第2、第4、第5日曜日が定休日、今日は第3日曜日、ラッキー。