春場所
何十年かぶりで相撲観戦してきました。
幟を見るだけでワクワクしてきます。入場口付近は人気力士の場所入りを待ち受けるファンが通路の両側を囲み、自分たちも迎えられているような感じで入場します。
席はもちろん桟敷ではなく上の方の椅子席、でも客席の勾配がかなりキツイので土俵までそんなに遠くなく、とてもよく見えます。1時頃席についたら三段目の取り組みの最中、この時間だと席は10%も埋まっていませんが、朝8時40分からやっているそうです。
ちなみに確認してみたところ食物飲物は持ち込みOK、Jリーグのように缶から紙コップに移すということもありませんでした。それから再入場も1回限りOKとのこと、一般に相撲ファンのお行儀がいいということがあるのでしょうが、かなりユルくて気軽に楽しめます。
切符のもぎりや案内係、グッズの販売を親方衆が担当しています。これ、すごくいいです。普通なら若い衆にやらせてしまうところ、人気力士だった親方衆と会えたり話ができるのはとても嬉しいファンサービスです。
今場所親方デビューの立田川親方(元小結豊真将)とツーショット!(どっちが親方だ、と突っ込まないように!)
怪我を何度も乗り越え、これからまた三役を目指そうという時にまた大怪我、先場所引退したばかりでまだ33歳、もっと取って欲しかったです。
売店を物色していて気に入ったのが横綱鶴竜の湯呑み、今場所は休場ですが雰囲気がよく出てます。
幕内西方力士土俵入り、続いて幕内東方力士土俵入り。
今場所好調の照の富士が土俵に向かいます。奥に見えるドアの向こうが西の支度部屋です。
今日も高々と掲げられた満員御礼の垂れ幕、このところ若貴時代以来の相撲人気だそうです。残念ながら鶴竜、遠藤、隠岐の海は今場所休場、それでもまだまだ人気力士は少なくありません。
声援が一番多かったのは、地元出身ということもあって豪栄道と勢、自分も大声で「ごーえーどー」「いきおいー!」と声援、子どもたちや若い女性の声援もかなり多いです。もっとお年寄りばかりかと思っていたら若い観客が多くてびっくりしました。
若貴のようなスーパースター不在、長期に日本人横綱不在、という状況でも満員御礼が続いています。友人がチケットを苦労してゲットしてくれたのですが、かなり大変だったようです。
何故こんなに相撲が人気なのか、上述のように相撲協会全体でファンサービスにつとめているということも大きいと思いますが、いくつか気づいたことがあります。
まず、ルールが極めてシンプルです。足の裏以外が地面(土俵)につくか、枠(俵)の外に出たら負け、すごく分かりやすいです。同じ格闘技でもレスリングや柔道のように、何故ポイントにならないか分からない、ということがありません。ましてや芸術点とか、テレマークとか判定に主観的要素が全くありません。なので子どもたちにも受け入れ易いと思います。
ふたつめ、動と静、力強さと美しさが見事に融合しています。呼び出しさんの聞き惚れるような美声、二番三番ごとに交代する行司さんの華麗な装束とその所作、塩を撒き、四股を踏み、立ち会うまでの緊張感、土俵から離れた椅子席でもバシッっというぶつかる音が聞こえるくらいの迫力、一番一番の取り組みの起承転結の中に動と静、力強さと美しさが組み込まれています。
みっつめ、観客のマナーがいいです。声援や掛け声はどれもポジティブです。贔屓力士が負けても「あ~あ」というため息だけで、「バカヤロー」というヤジはありません。
この辺の相撲の魅力の基本的なところをしっかり維持してアピールすれば相撲人気がそう簡単に廃れることはないのでは。八百長問題を契機としてそれがしっかり出来てきたということなのかもしれません。
ということで、かなりハマりました。来年の春場所まで待てないので、両国や名古屋にも行ってみたくなりました。鳥鉄の次に相撲、になってしまいそうです。