山の辺の道の小さななかまたち その2
この前の続き、近鉄桜井で乗り換え、桜井線の柳本駅へ戻ります。
三輪駅の西側に大神神社の大鳥居が見えます。その次が柳本駅、なかなか趣きのある駅舎です。
今は天理市の一部ですが、江戸時代を通じ織田有楽斎の子孫が藩主を務めた柳本藩の藩庁があったところで、古墳の密集地帯でもある由緒ある町です。
今日の小さななかま第1号は電柱に止まったモズです。
国道169号を渡ると田園風景が広がります。今が盛りのヒガンバナ、小さな水の流れを覗くとヒキガエル。
可憐な釣り鐘型の紫の花、ツリガネニンジン。
こういう花は高山植物とかでしか見られないと思っていたのですが、里山歩きでも魅力的な花がいくらでもある、と最近になって分かってきました。
目の前でずっとホバリングしてくれたウスバキトンボです。かれこれ10分近くホバリングの大サービスでした。
柿の出荷準備をしているおばさん。
崇神天皇陵の裏手の道標、ここから左手に向い、山の辺の道歩きの再開ということになります。
キチョウです。今日は色んなところで何度も見かけました。
電柱やアンテナじゃなくて、木に止まってるモズも発見。
前回教えてもらったホシホウジャクかと思ったのですが違いました、蛾の一種だと思って調べてもわからず、漸く蝶ではないかと気づきました。ウラギンシジミで間違いないかと思います。蛾と蝶の違いは微妙ですね。
金魚の養殖池がありました。全国一の金魚産地、大和郡山はここからスグです。
生駒山が見えてきました。道に沿って咲くヒガンバナが見事です。
リンゴ畑です。奈良県でリンゴを生産しているとは知りませんでした。前回の南側と違ってこの辺りにはミカン、イチジク、ザクロなどの果樹園が目立ちます。
山の辺の道っぽい風景が広がります。
ジョロウグモとキアゲハ。
美しい棚田と遅咲きのヒマワリ。
マツバギクとニチニチソウ。
こんな風情のある村の中に分譲地、ちょっと調べてみたら、ズバリここと思われる物件が見つかりました。約138坪、980万円、桜井線長柄駅から徒歩25分、長柄駅から大阪市内まで約1時間半。
ダンゴギクの花に止まってるイチモンジセセリ、花と蝶の両方とも調べるのにかなり手間取りました。
かわいいイチモンジセセリですが、幼虫はイネトツムシと呼ばれ、イネを食い荒らす害虫だそうです。
赤とんぼの代表、アキアカネです。
漸く石上神宮に着きました。
「みじかかるひと夜と思へ 布留宮の神 杉のほの そらに遊べる」、境内に山の辺短歌会主宰、高蘭子さんの歌碑がありました。母もこの歌碑を建てたひとりであったはずです。
その辺のいきさつを聞きたかったけど、今や遅し。
石上神宮はニワトリが有名、と聞いていたのですが、東天紅鶏がいました。
小国鶏です。
烏骨鶏とチャボ。
木の上に止まる小国鶏とトイレ付近をウロチョロしているレグホン。
正直びっくりしました。東天紅鶏は天然記念物のはずです。これらのニワトリさんたち、一応鶏舎はあるものの、放し飼いというか、石上神宮のブログによると自生しているそうです。この石上神宮のブログ、写真のクォリティもとても高くブックマークしておきました。
山の辺の道南コースの北半分は、大神神社を中心として自然が多い南半分と比べると、畑や人家も多く里山的な雰囲気をより強く味わうことができると思います。個人的好みからいえばワイルドさの強い南半分の方が好みですが、どっちも楽しい自然観察や歴史探訪が楽しめるのは間違いないです。
山の辺の道にはまだ、天理から奈良市内への北コースがあります。それに季節が変わると、道の表情が大きく変化し、全然違う小さななかまたちにも出会えるはずです。これからも足しげく通うことになりそうです。