銀の列車

承前、天見駅への道と高野街道が交差する出会ノ辻(楠木正成軍と足利幕府軍の激戦地)に戻ると、ソフトバンクの回線も生き返ってました。

交差点角のたこ焼き屋さんに自販機を見つけ「いろはす」ゲット。天見駅周辺で唯一の飲食店、他には美容室と1泊5万円くらいの高級旅館があるだけです。

山の中のイソヒヨドリ、今日始めて出会った鳥です。

たこ焼きの他になぜかカレーうどんがあったので注文、水を買ったばかりですが、やはりプファー。店頭に出してくれたピクニックテーブルでいただきます。正面に高野線電車の上半分くらいが見えるアウトドアトレインビューレストランです。

駅に着くと30000系こうや号が通過。まだ無塗装6000系には会えてません。

次の上りは6200系急行、営団地下鉄東西線5000系を彷彿とさせる電車です。

朝オオスカシバがいたキバナコスモス、こんどはオオハナアブです。

次の下りは8300系林間田園都市行区間急行。上りは今度も6200系急行、これで帰ります。

だれもいない天見駅、両端がトンネルで新神戸駅みたい。6連最後尾車両に乗車も先頭車へ車内移動し、かぶりつき席ゲット。

千代田車庫を改めて注意深くチェック、無塗装編成は見当たらない(=たぶん運用中)です。運用は公開されていないものの、イマドキの鉄ちゃんは仲間内で今日の6001編成はこの運用に付いてるとかLINEでやりとしていて、自分のように苦労していないはず。でもこうやって対向列車を逐一チェックして見つけた時の嬉しさも格別、自分の場合、バードウォッチングもしかりです。

すれ違う電車を丹念にチェックしていると、滝谷駅で向こうから来た電車にはブルーと黄色のラインがありません。ついに会えました。6001編成、前2両は6028編成の三日市町行区間急行です。まさしく南海本線民だった自分にとって憧れの銀の列車、丸い屋根とも相まって何とも美しい。無駄のない機能美の極みです。

側面のコルゲート板も美しいのですが、ドア横に貼られた何やらシールのようなものがちょっと気になります。ほぼ同世代のステンレス車、大阪市営地下鉄の30系も当初はラインカラーがなく銀色無垢ではあったものの、万博に間に合わせるべくよほど予算をケチったと思われるカクカク車体にほとんどデザイン性は感じられず、自分は囚人護送車と呼んでました。何より座り心地が悪かったのが記憶に残ります。30系が引退してもう久しいですが、それより古い南海6000系はつい先頃までは1両も欠けることなく高野線を走り続け、今も26両が現役です。見た目だけでなく、よほど優れた設計、デザインの車両であることは間違いないです。

アプリの時刻表をチェックすると、三日市町駅で折返し各停で戻って来るようです。ここは乗り鉄じゃなくて撮り鉄、色々考えて大和川の河川敷へ行くことを思いつきました。

堺東で各停に乗り換え浅香山駅、初めて利用する駅です。駅周辺に小山も見当たりませんが、江戸時代の大和川付け替えで出た土でできた小さな山が浅香山と呼ばれたそうです。

浅香山駅から10分ほど歩いて広い河川敷に下ります。いわゆる同業者さんがいっぱいいるかも、と思っていたのですが、だーれもいません。順光を考えて鉄橋の下流側へ、5月に同じ場所で撮り鉄しています。8連の泉北高速5000系がすっぽり収まります。

続いて同じく5000系も鉄道むすめのラッピング、この編成、反対側は「せんぼくん」という泉北高速のゆるキャララッピング、つまり路面電車で見られる、2社の広告主が1両を共有し広告費を折半する方法と同じですが、車両としてのアイデンティティが不明となってしまい、自社広告としていかがなものかと思います。

下流側からだと橋桁に沿ったケーブルがかなり目障りと気づきました。空全体が曇っていて向こうからでもさほど逆行にはならないと思われ、それに上り電車の前に下り電車が被る可能性も低そうなので、鉄橋の上流側へ移動します。

すぐ近くにイカルチドリがやってきました。とてもチャーミングな目をしています。

6200系区間急行が通過、無理して6連全体を撮ることもないです。

電車を待つ間、遊び相手をしてくれているイカルチドリです。真向を向くと目が外側に飛び出ているので後ろにも嘴のない顔があるように見えます。

予想通り銀の列車が三日市町発難波行各停でやってきました。せっかくの上路ガーターなのに下り線を挟むので足元が見えないのがちょっと残念。

青と黄色のラインを剥がしただけでなく、ステンレス板が丁寧に磨き上げられているようです。緑地(南海グリーン)のナンバープレートや南海社章もカッコいい。車内に乗り鉄さんの姿はないようです。さっき気になったドア脇の白いシールのようなものはこちら側には貼られていません。

6001編成と6028編成の連結面です。貫通幌の付いた6001、貫通幌の無い6028、どっちもカッコいい。

イカルチドリはまだ近くにいます。おっちゃんあんじょう撮れた?

30000系こうや号が通過、二丁パンタもカッコいい。

さらに浅香山から各停でかぶりつき、河内長野行各停になった銀の列車と岸里玉出で再会。長いホームの手前の柵の外にさらに続くホームは岸里玉出駅になる前の高野線岸里駅跡です。

貫通ドアの南海グリーンに研き出しのナンバープレートは昭和61年頃に冷房化改造された際に取り付けられたもので、方向幕もこの時に設置されています。自分に馴染み深いのはそれ以前の丸い種別方向板を掲げた姿ですが、このスッキリした姿の方が美しいと思います。7000/7100系のようにジャンパ栓ではなく自動連結器の下に電気連結器が設置されていてスッキリさはさらにアップしています。

懐かしの南海グリーン濃淡が復活した惜別:南海7000系は2015年の6月から9月までの4ヶ月だけでしたが、この6000系無塗装は6000系置き換え完了予定が2025年度まで延長されたので、結構長い期間頑張ってくれそうです。