今年は紅葉のアタリ年

快晴、紅葉のピーク、京都、は止めて近鉄大阪線で東へ。

名張行急行は八木で6分停車、上りホームには京都行特急と難波行特急。この光景1日数回しか見られなくなりました。急勾配を上って長谷寺で下車。

斜面にある駅から急坂を石段で下り、初瀬川沿いの参道を抜けたところ、小さな橋の向こうのイチョウの大木に見とれました。

と、頭の真上を大きな蝶がひらひら、この舞い方見覚えがあります。慌ててカメラを構えて、川面を飛ぶ蝶を捉えました。間違いなくアサギマダラです。アサギマダラの全員が南の国へ旅するのではなさそうです。

アサギマダラを追いかけ少し川下へ戻ってみたものの見つからず、振り返ると長谷寺本堂、あそこまで登ります。

仁王門前で入山料500円を払って入山、この先は良心に委ねられていて、チケットをチェックするゲートはありません。紅葉の時期は拝観料が倍になるお寺とスタンスが違います。仁王門を抜け、登楼を登ります。歩幅と石段がミスマッチで歩きにくいです。

クランク状に結ばれた登楼の角、繋屋のモミジが見事です。

本堂に到着、奈良公園と比べるとインバウンドさんたちはぐっと少ないものの、絵馬には父親の病気全快を祈る繁体字の絵馬、びっしり文字が書かれたタイ語の絵馬、英語とアラビア語が混在したエジプトの方の絵馬もあります。仏教徒に限らず、様々な信仰を持つ人たちが自らの信仰や家族を振り返る場になっているようです。(拡大できないように縮小しています。)

本堂前の舞台から紅葉に囲まれた五重塔、本堂裏のモミジも真っ赤。

五重塔の脇の1本のモミジ、何と赤と黄色の葉っぱが混在しています。

小枝毎に色が異なっています。実に不思議で美しい。

五重塔の先、蓮華谷に入ると、人がいっぺんに少なくなります。鳥獣猟犬供養塔があり、苔むしたお墓がいっぱい並んでいて、一基ずつ「法印」「阿闍梨」と刻まれています。歴代の長谷寺のお坊さんたちのお墓です。命を慈しむお寺と感じます。

ここまで見上げるばかりだったモミジがこの辺りでは見下ろすこともできます。前回ここへきたのは5年前のお正月、その時にはミヤマホウジロに会えたので期待していたものの、鳥見はハズレ。

長い石段を下ります。苔が生えた石段の落ち葉が美しいのですが、濡れていて滑りやすいです。木の間隠れにさっきの大イチョウが見えます。

下駄を履いた雲水さんが、滑りやすい石段をスッスと下りていきます。青空に紅葉と黄葉。

本坊の前庭の向こうに優美な山容、岳山525.51m、その手前が件の大イチョウ。重要文化財の本坊から国宝の本堂。

本坊の長い廊下の先に紅葉の窓、猩猩野村との説明、ノムラモミジの一種です。

仁王門近くの池、水に浮かぶモミジ。

池の脇の喫煙所のモミジ、iPhoneで撮ると色味が変わります。iPhoneの方が赤が鮮やか。

喫煙所の傍らには何とサクラが花を咲かせていました。まだ若い木ですが、ジュウガツサクラでしょうか。

池の石にイトトンボ、初見のオオアオイトトンボで間違い無さそうです。

紅葉とオオアオイトトンボ連結。

大イチョウのある素盞雄神社へ行ってみました。奈良県指定天然記念物で、推定樹齢800年、樹高40m、銀杏の成らない雄株だそうです。

幹からナンテンが生えてます。どういう角度で撮ってもこの大イチョウの雄大さを伝えるのは難しそうです。

もう一度初瀬川から本堂を眺め、橋の袂の食堂で鍋焼きうどん、セットのキノコご飯がかなり美味でした。自分ひとりしかいなかったお店に、どんどんお客さんが入って満席に。

お店のお姉さんに自分が呼んであげたんちゃう、と声をかけてみたら、ニコッと笑って、せやのに早う席を立ってくれてスミマセンと返してくれました。しっかり見ていてくれたようです。

急坂を息せき切って登り長谷寺駅に着くと、臨時バスの時刻表。何と駅から長谷寺までの1.6kmほどで450円、ふたりだったらタクシーの方が安いのでは。

高安の車庫に新型特急ひのとり、一番本線寄りに留置してプロモーションのようです。試運転が始まると、このアーバンライナーと同じ角度で眺められるはずです。

今日も鳥見はボウズも、アサギマダラとオオアオイトトンボに会えたので満足。それ以上にモミジとイチョウが綺麗でした。場所は違えど、去年も一昨年も紅葉は黒くしわくちゃの葉っぱが殆ど、内側から光を透かしてやっと赤く撮れたのが、今年は日の当たる側からでも思いっきり鮮やかな赤です。