冬麗の鳥たちと花火

数日前の厳寒を忘れるような暖かさでおまけに雲一つない快晴、こんな日のことを冬麗(ふゆうらら)と呼ぶそうです。草内と水上池の両方をいっぺんに行ってみることにしました。それに今夜は若草山焼きがあります。水上池辺りからもよく見えるはずです。

興戸から山城多賀

興戸駅を出て、最初に出迎えてくれたのは今日もセグロセキレイ。

飛んでるシーンもじっくり撮らせてくれます。

モズが元気に鳴いてます。五ノ坪池はコガモ。

一丁田池ではコチドリ、上空にはケリ。

一丁田池の土手から田んぼの木を見下ろすとホオジロ、じゃなくてカシラダカですね。

同じ木にいっぱいとまって色んなポーズを見せてくれます。

ケリが田んぼに下りたってうるさく鳴いてます。地面に下りたカシラダカも。

水の抜かれた池の細い流れで入浴中のタヒバリ。近鉄には戻らずに、JR奈良線の山城多賀駅を目指します。

普賢寺川の土手で空を見上げると、ノスリがカラスに追われていました。鳥たちの生態系で頂点に立つのは猛禽類じゃなくてカラスだと思います。ど~んと広がる草内の田園地帯を眺めながら山城大橋へ向かいます。

山城大橋たもとにあるホームセンターダイキでトイレを借りて休憩。八幡木津川自転車道に沿っているのでツーリングの人たちも少なくないです。

イソヒヨドリとジョウビタキに見送られて木津川を渡ります。

山城大橋と草内の渡しの跡の碑、本能寺の変の直後、堺にいた家康がここを通って三河へ逃げたそうです。

橋を渡ってから30分ほど歩いて山城多賀駅にたどり着きました。奈良線で最も乗降人員の少ない駅だそうです。

おおっと、という感じで駅の北側にレンガ積みの短いトンネル。しかし103系201系ばかりだった普通電車の221系化が進行しています。

黄緑の103系で平城山へ

103系来い、と念じていたら・・・、あのヘッドライトは!大当たりです。

NS402編成、最後尾クハ103-181に乗車します。N40延命化改造をしていない原形に近い車両です。

ベンチレーター内側の扇風機、3月4日のダイヤ改正後もこの電車に乗れるかどうかは微妙かと。

クハ103-181の運転台と運転室内のJNRマーク付小型扇風機。

残念ながら窓は開かないように改造されていましたが、シート下のヒーターが効きすぎてお尻がカチカチ山状態なのも国鉄時代のまんまです。

棚倉駅の北側にもレンガ積みの短いトンネル、マップで調べてみてビックリ、何と天井川です。不動川というかつては大変な暴れ川だった川でこちらのPDFによると明治の砂防技術発祥の地のようです。

上狛駅で103系同士が交換。

木津川橋梁のトラス橋もいい感じです。103系が元気な内にじっくり奈良線撮り鉄をしておく必要がありそうです。

平城山駅で下車、いつもとは逆に北側から水上池へ、2km程の道のりです。

駅近くの公園でジョウビタキと遊んでいたら、柵の向こうを奈良駅から折り返してきた103系が行ってしまいました。木の陰の黄緑が103系です。

水上池周辺

森の中の道を20分ほど歩くとコナベ古墳の北側に出てきました。ここでもジョウビタキ♀。この辺りには池や古墳のお堀はいっぱいあるのですが、コナベ古墳だけがなぜかいつもミルク色。

磐乃姫命陵前で今日初めてのジョウビタキ♂。

水上池北側の石のベンチでひと休み、とタバコを銜えたところ、目に前の木に大好きなエナガたち、慌ててタバコを箱に戻します。

いつも落ち着きがなくて、ちょこまか動き回っているエナガが、思いっきり逆光の中、3mほど手前でじっとこっちを見ています。

エナガたちは順光の高い木の枝に移動、地べたにはメジロ。かなり足が痛くなってきましたが、カワセミの池へ行ってみます。

カワセミはいなかったけどキジが姿を見せてくれました。

ここも野鳥が多いハジカミ池、なぜか池の中にバックミラーが立っています。水上池の向こうに若草山、山焼きが始まるまでまだ3時間もあるのに周辺には三脚を立ててスタンバイしているカメラマンが何人か。

朝、西大寺駅で立ち食いうどんを食べただけでお腹がペコペコ、3時間もあるので一旦奈良市内まで戻ります。

若草山山焼きの花火

重い足を引きずって大極殿まで行くとちょうどやってきた100円バスに飛び乗ってJR奈良駅へ。元から渋滞を見越して組まれたと思われるダイヤでノロノロ運転のバス、朱雀門辺りでは三脚がびっしり並んでいます。

三条通の王将でジャストサイズメニューと紹興酒をイメージしていたのに、4時頃という中途半端な時間でかなりの人が席が空くのを待っています。ガストですら空席待ち。他に入りたいような店も見つからないまま、空腹に耐えきれずに入ったのはとんかつ屋さん。衣の味しかしない肉厚5mmくらいのロースかつで値段は松乃家の倍以上、お店の人が比較的感じよかったのだけが救いだったものの、周りにいるインバウンドさんたちが、これを日本のとんかつと思わないで欲しいと願わずにはいられませんでした。

貧弱な飲食や宿泊環境、それにいつも渋滞している道路、観光客は激増しているのに受け入れ態勢はぜんぜん進歩していない奈良市内から再び水上池へ。

6時15分花火が始まりました。水上池に映る花火です。この辺りではさすがに観光客は少なく近所の人たちに混じって見物、空気が澄んで例年になく綺麗な花火だそうです。

自分のカメラで花火がこんなに綺麗に撮れるとは思っていませんでした。シーンポジションモードの花火の設定、スローシャッターで色鮮やかに撮ってくれます。花火って短いシャッタースピードかと思い込んでいました。

花火を打ち上げている下から山焼きの火が燃えあがってきました。

花火は15分ほどで終了、山焼きの火だけが燃え続けていますが、山焼き自体はこれだけ遠いと、山火事のようにしか見えません。

バス道は大渋滞、鉛のような足を引きずって西大寺駅まで歩くしかありません。