キジとカワセミ
ヤマセミがよく出でてくるらしいという情報を頼りに、早起きして榛原へ。
駅から5分の宇陀川に出ると早速キセキレイ。
宇陀川は、談山神社の東側辺りに源流があり、大宇陀から北へ流れ、榛原から東へ向きを変え室生湖を経て名張川に合流、名張川は北へ流れ、月ヶ瀬を経て木津川に合流、木津川は三川合流で淀川に、つまり淀川水系です。この辺りで東へ向かうと山の方に向かって川を遡るのではなくて、川を下って行くことになります。近鉄大阪線の分水嶺はもっと東かと思っていたら長谷寺-榛原間ということになります。
右岸の国道369号線は交通量が多いので、左岸を下っていきます。途中遊歩道のような場所もあり、GoogleMapで見ると左岸の道が室生湖まで続いています。この先通り抜けできません、という看板があったものの、車のためのものと解釈し、先へ進むと、杉林を抜け、殆ど整備されていない崖っぷちの道になり、倒木を潜り、蜘蛛の巣を払いのけながら歩きつつ、引き返そうか悩んでいるうちに、目的の平成榛原子供のもり公園が見えてきました。
やれやれなんとかたどり着いたかと思ったら、公園の入口が高い柵で囲まれていて入れません。どうにもしようもないので1㎞近く引き返して右岸へ出るしかありませんでした。
子供のもり公園の駐車場で三脚を構えたバーダーさんがぽつんぽつんと2人。ヤマセミ狙いで間違いなさそうですが、レンズを構える様子はなく、まだでてきていないようです。
広大な駐車場と野球場を抜け、この山間に不似合いな巨大なコンクリート橋を渡ると、さっき高い柵で左岸からの道をブロックしていた場所がありました。
左岸へ渡ったところに多目的ホールや研修施設のあるビルがあり、その先にバーベキュー場やキャンプ場が広がっていました。せっかく大自然の中に来たのに、すごく人工的なにおいが強くする公園です。
水の入っていないプールとかコンクリートの建造物が目立ちます。せっかく川辺にあるのに水辺に出ることもできません。何よりも気になったのが、公園の敷地がイノシシよけの電線でぐるっと囲まれていることです。来園者を保護するためなのか、公園設備の維持管理のためなのか、いずれにせよ、さんざん苦労して漸くたどり着いたにもかかわらず、自分には何とも居心地のよくない場所で、ヤマセミはあきらめ早々に退散することにしました。兵庫県の三木山森林公園や、同じ奈良県でも馬見丘陵公園のような自然と公園が上手く溶け込んだ公園との違いが大きすぎます。
まだ朝が早いからなのか、それでも9時は過ぎているのに、公園には誰もいません。駐車場も3人に増えていたバーダーさんたち以外にやっと1組の家族がやってきたのを見かけただけ。昔ながらの役所仕事臭が強く漂う場所でした。
ヒメウラナミジャノメを見ながら榛原駅に戻ります。駅近くでは河原に下りられる場所も多く、散歩の人たちもすれ違う度に気持ちいい挨拶をくれます。榛原自体はとても素敵な山の町です。
22000系改が通過。順調に改造編成が増えてきているようです。
ひとつ先の室生口大野駅のトンネルで撮り鉄。
室生口大野駅のモズ。
やってくる列車が途切れ次の上本町行急行で八木まで戻ることにします。上りホームに出たとたんにしまかぜ通過、あと1分待っていればトンネルに入るところが撮れたのに。
上本町行急行はなんと復刻塗装の5200系、もう1本後にすれば室生口大野西側のカーブを登って行くところを撮れたのに。しょうがなく、復刻塗装に乗車。
八木でアーバンライナーと復興塗装を撮り鉄。鉄分も鳥分も全然足りません。奈良市内へ向かうことにします。
もう歩きたくないので、近鉄奈良駅で奈良交通のレンタサイクルを借りることにしました。
奈良公園で一番好きな場所水谷茶屋、赤い自転車は今日の相棒。五重塔がいい感じ。
二月堂、大仏殿と回ります。電動チャリなので楽々です。
ノムラモミジがきれいです。奈良県庁前に国道369の標識、さっき榛原で通った道です。国道369号は奈良県内を南北に大きく蛇行しながら榛原、松阪へと通じているとわかりました。
平城宮でヒバリの鳴き声を聞きながらウワナベ古墳へ回ります。カイツブリの鳴き声が響くだけで静かです。水面をカワセミの青い光線が駆け抜けたもののその後は見つからず。
自転車があるので、ウワナベ古墳から北側を回ってみます。モズと見たことのない鳥、全くピントが合ってませんが、たぶんホトトギスかと。
田んぼの真ん中150mほど先にキジ、♂をまともに撮るのは初めてです。モズが一緒に写っていました。
アオサギくんとのツーショット。
殆ど動かないです。一旦ここを離れて再度ウワナベ古墳の方を30分ほど一回りして戻ってきたらまだ同じ場所にいました。動かないものの遠いので、田んぼの向こう側へ回ってみることにします。
いきなり別のキジ♂が道を横断していました。さっきのがキジタローとするとキジジローです。そーっとキジジローが隠れたはずの叢に近づいてみたのですが、見つかりませんでした。
もう少し先でもう1羽、遠くからキジタローのケーンケーンという声が聞こえるのでさらに別のキジ♂、キジサブローです。30mもないくらいの距離です。
ピー、ピー、という声が聞こえて後ろの小さな池を振り返ると、可愛いシャックリくん!
漁に失敗して元の場所に戻って来て、今度はこっちへ向かって飛んでくるところの手ぶれ動画です。カワセミに会えると、いつも鳥見の満足感がぐっと高まります。
ハッピーな気分で戻りかけるとネギ畑にまたまたキジ、さっき道を横断していたキジジローのようです。もう10mほどの近さです。
農業用のシートの上を歩いて全身を撮らせてくれました。
キジジローをアップで。
キジジローの手ぶれ動画。
サトキマダラヒカゲに見送ってもらいながら帰ります。