天香久山

春すぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山。

夏の歌ですが、百人一首でお馴染みなのでお正月っぽくもあります。母が「衣ほすてふ」を「ころもほすちょう」と読んでいたのが記憶に残っていますが、万葉集では「衣ほしたり」だそうです。持統天皇がこの歌を詠んだ藤原京へ行ってみたくなりました。

橿原神宮前駅前にレンタサイクルがあるは分かっているのですが、かなりお高いです。ググっていたら八木駅前の観光協会でもレンタサイクルがあっていくらか安めなので八木で下車。ところがここは既にレンタサイクルを止めてしまっていました。ちゃんとサイトの更新をしておいてほしいものです。結局さらに無駄な電車賃を払って橿原神宮前で変速機もないママチャリを900円で借りることに。色んな所でレンタサイクルを借りますが、ダントツで高いです。

飛鳥川から藤原宮跡

飛鳥川でカラスの行水を初めてみました。全然カラスの行水じゃなくてどっぷり浸かっています。

いつも人工物に止まるのが好きなイソヒヨドリ。

藤原京跡に到着、幅25mくらいある朱雀大路跡。北に耳成山。

南西に畝傍山、遠景は大和葛城山と金剛山。南東に天香久山、遠景は多武峰。一昨年の秋、多武峰の談山神社で紅葉を堪能した後、明日香まで歩いて下りて来ました。

大和三山の山頂を直線で結ぶと、綺麗な二等辺三角形の中にすっぽりと藤原京の宮城が納まっていますが、藤原京の街自体は橿原神宮前駅付近までカバーする広大なエリアだったようです。

藤原京を舞台にした朱鳥の陵を読み始めました。常陸の国から京にやってきた主人公がその賑わいに驚くシーンから始まります。京とはここです。

カワラヒワが50羽くらい。

天香久山

天香久山手前の高所寺池、水が抜かれていてコチドリ。

天香具山に上ってみました。麓に自転車をおいてから15分くらいで山頂。木立が茂っていて見晴らしはあまり効きませんが畝傍山がきれいに。年配のハイカーさんが切れ目なく登ってきます。

麓の集落のジョウビタキ。

凝った細工の小さな瓦屋根のある民家が多いです。土間のあかりとり兼煙突と思われますが名称は不明です。

天香久山北側の古池、こちらは水が抜かれていなくてハシビロガモたちがのんびり泳いでいます。

カワセミの証拠写真とコガモ。

大池の奥に広がる万葉の森という公園、人も鳥もいないなか、自転車を押して上って行くと峠から明日香村の眺めが広がりました。

明日香

どどど~んと広がる明日香村の田園、その真ん中に大官大寺跡の碑がぽつんと立ってます。

持統天皇の孫、文武天皇が建立に着手、完成間近で消失した官寺の跡だそうです。

南側からみた天香具山、向こうは耳成山。田んぼの段差が勾配になっていて自転車に優しい道です。

電線のツグミとモズ、電線のツグミって見たことないです。

ケリが多いです。トラクターが来ても全然動じません。

近くの集落のジョウビタキ。

飛鳥川の土手を走っているとホオジロ、がカップルで。

行っちゃったかと思ったら近くの民家の生垣に止まりました。緑の生垣の向こうに♀、赤い実の木に♂。ずーっとここに止まっていました。

農作業の様子を眺めているモズ。

トタン屋根のモズ。

見慣れた鳥たちばかりですが、人の生活にとても近しい鳥たちです。明日香の枕詞が「飛ぶ鳥の」で、それが飛鳥をあすかと読むようになった由来だそうです。古代から鳥と人が近い土地柄だったようです。

橿原グランドホテルの裏側に見事なさざんかの生垣。裏側なのがもったいないです。

さざんかが大好きなあの鳥がいるはず、とねばっていたらやっぱりメジロ。さざんかの向こうに西日を受けてモト90形が止まっています。

モト90形、狭軌の南大阪線車両を五位堂の工場へ運ぶ電動貨車です。

今朝五位堂でモト90のサンドイッチになっている南大阪線車両を見かけたので、工場から出場してきたものと思われます。