季節外れの米子水鳥公園
コハクチョウたちがやってくるまでまだ1ヵ月早いのは重々承知しながらも、米子水鳥公園へ行ってみました。
米子駅からレンタサイクルで30分、ラムサール条約に登録された中海の一画、1月に安来市の田園で大感動させてもらったコハクチョウたちの塒になっているのがここです。干拓事業が進み環境が悪化する中、残された池がコハクチョウたちのために保護整備された公園も今はまだ、カモやウ、サギ、カイツブリがパラパラといる程度でやはり寂しいです。ネイチャーセンターから見た正面にはうっすら大山が見えていたものの写真では曇って見えなくなっています。
コハクチョウたちがいつやっているかクイズをやっていたので、10月15日と予想して応募してから、レンジャーさんにコハクチョウのことを色々聞いてみました。コハクチョウたちは朝9時頃までにはほぼすべてで払って安来や宍道湖方面へ採餌に出かけ日暮れ頃に戻ってくる、コハクチョウたちに混じっているオオハクチョウは田んぼの落穂よりも池の水草の方が好きなのでここに残っている、大山をバックに撮るなら朝の方がいい、等々色んな貴重な情報を教えてもらいました。今度来るときには、レンタカーを借りて、ここと安来の両方を廻ることになりそうです。
ちなみにシギチについては、米子水鳥公園でもかなりの種類のシギチが記録されているものの、基本的に太平洋側と比べて日本海側は潮位の差が小さく干潟ができにくいのでシギチは少なく、さらに今年はつばさ池の水位が高くて浅瀬が少なく、シギチはあまり期待できないようです。
外に出てみるとモズが高鳴きしています、もう秋です。観察用の桟橋を囲む葦の茂みにノビタキ(たぶん)を見たものの撮れず。ギンヤンマを一生懸命撮ってました。
上空のかなり高いところをミサゴが旋回しています。よくあんな高いところから池の中の獲物が見えるものです。
ネイチャーセンターの誰もいない視聴覚室でコハクチョウの短編動画を3本ばかり見てきました。中でもシベリアで夏のコハクチョウはどうしているかを紹介する米子市の調査隊の動画は感動ものです。見たことのないコハクチョウのヒナも映っていました。
ロシア連邦サハ共和国のコリマ川河口付近が繁殖地で、Google Mapで測ってみると米子から直線距離で約4,200km、2~3か月をかけての旅です。Google Mapを航空写真に切り替えてみると、町も道路も何もない極めつけのツンドラ地帯です。
コリマ川を100kmほど上流へ遡ったところにチェルスキーという町があって空港もあります。おそらくここをベースに、川を船で下りながら調査活動が行われたものと思われます。7月の平均気温は12.6℃も夏は短く、移動期間を引いて、コリマ川河口周辺より米子周辺に滞在している期間の方が長く、ロシア語より出雲弁の方が通じそうです。
視聴覚室前にコハクチョウの巣の標本が展示されています。直径1mくらい、他の鳥の巣と比べてかなり丁寧に作りこまれていてコハクチョウたちの生真面目さみたいのものを感じます。卵はたぶん木でできたダミーです。
レンジャーさんが、カイツブリが巣作りしていると教えてくれました。巣材を運び、組み立て、踏み固めています。
数は少ないモノの、カモたちが戻ってきています。オオバンとオナガガモの♀かな?
キンクロハジロもいます。手前のカモは不明。
コブハクチョウが5羽くらいいます。コブハクチョウは渡り鳥じゃなくて飼育されていたのが逃げ出して野生化した外来種です。
駅への帰り道、田んぼの中の道でキジと目があいました。目が合ったのは赤い顔だったはずが、カメラが捉えたのは用水路をジャンプする♀。
田んぼの反対、県道側から覗いてみると、いましたいました。
あっ、2羽、いや、ネットの向こうに♂もいます。
ネットの向こう側には♂が2羽、さらに♀が1羽、ネットのこちら側に♀2羽と合計5羽です。これだけまとまったキジのビッグファミリーには初めてお目にかかります。
こちらには気づいているようですが、逃げなくなりました。