OpenPNEにチャレンジしてみた

SNS構築用のオープンソースCMS、OpenPNE(オープンピーネ)にチャレンジしてみました。

オフィシャルサイトから安定版2.14.0をダウンロード、OpenPNEオフィシャルガイドブックを参考にCoreseverにインストール、公開するディレクトリとシステム用ディレクトリを分けて、configファイルでパスの設定が正しくできれば、トラブルことはさほどないと思います。

OpenPNEオフィシャルガイドブック

機能的にはほぼ100%mixiといった感じです。amazonを組み合わせたレビューの機能とかもすごく使いやすく、使えるSNSという印象を強く持ちました。

OpenPNEのキモともいえるケータイ対応ですが、実際に多くのケータイ機種でテストを行っているというだけあって、自分の古いドコモ機からでも問題なくログイン、ケータイから記事投稿もできました。但し、画像投稿にはサーバーからスクリプトに転送する必要があり、coreserveやさくらインターネットなど共有レンタルサーバーでは対応できないようです。

メール投稿はこちらに紹介されたXREA用のスクリプトを組み込んで、画像を添付したメール投稿が可能になりました。このスクリプトのreadmeに紹介されている、スクリプトの実行をcronではなく、HTMLの<img>タグで組み込んで再読込させて起動させるという方法を試してみたところ、バッチリで、感激してしまいました。

ということで、共有サーバーでもケータイから画像も投稿できることは確認したものの、応急処置的な対応で、ユーザーに対して、共有サーバーなので、これはできるがこれはできない、といった説明も必要になってくるわけで、OpenPNEの本格的な運用にはやはり専用サーバーは避けられないと思われます。

OpenPNEにチャレンジした理由はOpenID対応というところです。Master、つまりOpenPNEのアカウントをOpenID対応の他のCMSで利用できるとオフィシャルガイドにも書かれていたので、早速Drupalで試してみたところ、Drupal側でもOpenPNEのOpenIDを認識はしているようですが、どうしてもログインできません。サーバーの問題なのか、別途何らかの設定が必要なのか、さんざん情報を探しまわったものの、解決策は見当たらず、現状ではお手上げです。開発版のOpenPNE3で対応しているらしいOpenIDのスレーブ機能を試す、別のCMSと組み合わせてみるなど、別の方法を、いずれ折をみてチャレンジしてみたいと思います。

OpenPNEはかなり完成度の高いオープンソースCMSであることは確認できました。特にガラパゴス化した日本のケータイに対し、安定した対応をしていることはスゴイです。

SNSに限らずグループウェア的サイト構築にも、大きな利点があると思われます。サイボウズやノーツを入れるより、柔軟で使い易い社内コミュニティが構築できるはずです。

しかしながら、OpenPNEはあくまで非公開サイト構築ツールであり、同じインターフェースで記事の公開・非公開を選択するような必要性がある場合、他のCMSとの組合せが必要になってくるはずで、であれば、OpenPNEを使わなくてもDrupalにOrganic Groupモジュールを組み込んだ方がフレキシブルなサイトが構築できると思います。逆にケーイ対応やmixiに慣れたユーザー向けの対応は難しくなりますが・・・

一長一短で構築するサイトのコンセプト次第になりそうです。

OpenPNEは純国産オープンソースで、故にケータイ対応とかはバッチリなのですが、逆に現状ではかなりドメスティックなオープンソースCMSで、多言語対応もOpenPNE3に組み込まれたばかり、今後英語をベースとしたグローバルな開発者コミュニティも形成なども必要になってきます。現状ではネット上から得られる情報も限定的で、世界中の衆知を結集するような本格的なオープンソースになれるのか、今度はmixiではなくmy spaceやface bookなどとも競合してくるわけで、容易ではないと感じます。

SNSは、かつてのニフティサーブのようなパソコン通信が原点だと思います。それが2ちゃんねるのような掲示板コミュニティに発展、さらにそれをクローズド化したmixiに、という日本のネットコミュニティの進化に、OpenPNEは一石を投じる価値あるプロジェクトだと思います。

しかしそれがグローバルな普及を前提としたオープンソースというコンセプトと適合するのか、OpenPNEは日本独特のネット文化での試金石的なプロジェクトといえるのかも知れません。