MovableTypeのアドバンテージ

ブログシステムとしてMovableTypeとWordPressが双璧ということは、少なくとも日本国内では異論の無いところだと思います。グローバルにはオープンソースであるWordPressが圧倒的になってきているようですが、国内ではまだまだMovableType(以下MT)も根強い人気を持っています。

ライブドア等メジャーなブログサービスもベースはMTだったりする訳で、ブログサービスから独自サイト構築というユーザーも多いでしょうし、これまで参考文献も数多く出版されてきたことも根強い人気の原因と思われます。

しかしながら、商用利用するとMTは有償になり、1ライセンス5万円は低くないハードルです。それと「再構築」という時間のかかる作業が、見る側には関係ないものの、制作する側には少なからず負担です。正直なところ、この辺の理由、特に費用の問題で、自分は基本的にWordPress派です。逆に「再構築」により静的なHTMLファイルを作っていくことにより、動的に見る度にサイトをプログラムが吐き出すPHPのままのWordPressよりもSEO的な優位性は揺るがないという意見もあり、その辺の観点からMT指定でのサイト制作のご注文もあります。

今年初めにMT4.1とMTOS(オープンソース版のMovableType)がリリースされ(最近もうMT4.15のβテストが始まってるようですが・・・)、そんな折にMT指定でサイト構築のご注文をいただき、これまでになくMTに関わることになりました。

それまでのMT3.3に対し、管理画面などもかなり使い勝手が良くなっています。自分として一番評価したいのが「カスタムフィールド」です。記事作成のフィールドを任意に追加し(プルダウンリストやチェックリストなどにもでき、投稿ページでのレイアウトも自由に変えられる!)、それをMTのタグに追加していけるという機能で、ユーザーがフォーマットで入力していくような場合は断然使い易くなります。ショッピングサイトなどにも価格とか、画像とかをMTのタグとしてテンプレートに組み込めるわけで、制作側としてはプログラムできるタグ(要は変数ですが・・・)が簡単に追加できるという気軽さがあります。WordPressにも「カスタムフィールド」がありますが、プラグインがないと、投稿や管理をユーザーにお任せするサイトとしては、いささかつらいです。

MTOSは基本的にMT4.1相当というものの、このカスタムフィールド機能はなくシックスアパートとしても、汎用CMSとしてこの機能をメインに売り出していこうということだと思われます。

その他、複数ブログでテンプレートモジュールを共有化したり、最低限必要と思われるプラグインはデフォルトで付いてくるので、プラグインを追加する必要は殆ど感じませんでした。SetVarといったプログラムのためのタグも、最初は少し戸惑うものの慣れると自分のようなプログラミング初心者でも結構使い易いです。

MTとWordPress、うまく使い分けることで、仕事の幅は広がるはずです。