司馬遼太郎記念館

このニュースを見て、東大阪の司馬遼太郎記念館に行ってみました。

近鉄奈良線、小阪駅下車、15分位歩いたところ、ごくごく普通の住宅街の中にあり、職員というよりボランティアとおぼしきスタッフの皆さんが、こんにちは、と親しく迎えてくれます。

 500円のチケットを買って入ると、小さなお庭の先に書斎がそのまま残されています。

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司馬先生が愛でていたと思われる南天。お庭は大きなものでもなく、また豪華なものでもありません。自然のままの小さな雑木林といった趣です。

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お庭の先に安藤忠雄氏設計の記念館があります。地上2階地下1階建てで、さほど大きい建物ではありませんが、地下から吹き抜けの壁面一杯に広がる、蔵書自著がびっしり詰まった書棚に圧倒されます。

コンクリート打ちっぱなしと木の書棚がとてもよくマッチしています。質素で合理的でそれでいてセンスが良い建物で、これなら司馬先生も満足されていることでしょう。

天井の隅っこにあら不思議、坂本龍馬のポートレートそっくりのコンクリートの染みがあります。まるで参観者を眺めているうようにあります。でもここなら龍馬の亡霊がでてきても安心ですね。出てきたらあってみたい気がします。

一番印象深かったのが、「21世紀に生きる君たちへ」という国語の教科書に掲載された一文です。 歴史を友とし、自然へのすなおな態度を持ち、自分には厳しく、相手にはやさしく、いたわり合い、たのもしくあれ・・・ 司馬先生の著書を凝縮したような一文です。ぜひとも自分の座右にしたいです。「いたわり」って「痛割」って書いていいかも、とも思いました。

「ただいまから先生のビデオを放映します」と案内があり、映像ホールでNHKの番組が放映されています。この「先生」という呼び方がいいですね。スタッフのみなさんも参観者のみなさんにも全く違和感がないところでしょう。

もちろん、多くの著書が販売されていて、沖縄を知ることで日本を知るとビデオで紹介されていた、街道をゆく6 沖縄・先島への道を買ってきました。

司馬先生の著書はかなり読んでいますが、まだまだ未読があるようです。それだけでなく、ここに来ると読み返してみたい本もいっぱいでてきます。菜の花の沖とか、胡蝶の夢とか、武将じゃない主人公のものが好きなんですよね。自分の人生観の形成にもずいぶん刺激があったのは間違いありません。

先月大阪歴史博物館へも行ってきたののですが、今なら事業仕分けの対象になりそうなあちらに対して、大阪人として、日本人として大切に大切にしたいと思わせる司馬遼太郎記念館です。

帰りは八戸ノ里駅から帰りました。各停しか止まりませんが、記念館へはコチラのほうが少し近いです。