子守アナとめぐる「天下人の歴史に迫る」まん福ツアー その1

表題の南海電鉄主催のイベントに参加してきました。MBSラジオ朝5時から8時の「子守康範 朝からてんコモリ」のパーソナリティ、子守さんと堺大阪の名所古刹巡りをするというツアーです。鉄ちゃんとしても知られる子守さん、某所でお酒をご一緒したことがあります。ちなみに「てんコモリ」の時間、自分もジジイになっていてこの時間目が覚めていることが多いです(^^;

朝9時20分南海本線堺駅集合、30名くらいのメンバーです。写真は堺駅の南蛮図屏風。堺駅から南海バスの路線バス使用の貸切バスで出発!

メチャ知識の豊富なボランティアの地元ガイドさんの案内で堺駅周辺の歴史を聞かせていただきながら、最初の訪問地、南宗寺へ、三好長慶が建てた、武野紹鴎や千利休ゆかりの寺で、沢庵和尚が住職を勤めていたこともあるそうです。気がついてみると大好きな定食屋、ゲコ亭のすぐ近くです。

境内には南宗寺以外のお寺もいくつかあって、南宗寺入口手前に非公開ですが天慶院という山上宗二ゆかりのお寺があります。一言多かった宗二、なぜ秀吉に残酷な殺され方をしたか、ここでメンバー同士盛り上がってしまいました。

そうそう、以前このブログでも書いた利休にたずねよ映画化されるそうです。利休は海老蔵、期待できそうです。

笑顔の子守さん、198cmはどこからでも目立ちます。

銀閣寺みたいな建物は坐雲亭、山内最古の建築物だそうで、内部には大阪の陣後、徳川秀忠や家光が訪問した額があるそうです。

この先に千家一門の墓(利休のお墓は京都大徳寺なのでここは慰霊碑ですが、それでもかなり古いもの)、三千家の碑、三好一門の墓があります。奥に津田宗達、宗及一門の墓もあります。今の堺の町からはあまり感じられないのですが、やはりここにはあの貿易や鉄砲、茶の湯で栄えた自治都市、堺があったんですね。

方丈(本堂)前の枯山水の石庭、古田織部好みの作だそうです。

利休ごのみの茶室、実相庵、にじり口から入るようになってます。

仏殿の天井画、狩野信政筆「八方睨みの龍」

さてここからがビックリなんですが、南宗寺には徳川家康のお墓があります。お墓に屋根があって三つ葉葵の幕がかけられています。

周りの建物の瓦にも、ええぃ、この紋所が目に入らぬか!

お墓は新しいもので、昭和42年に建てられたものですが、ここには戦前「東照宮」があったものの空襲で焼けてしまったそうです。お墓の裏には建立した人の銘が刻まれていて、建てたのは冲方丁の光圀伝にも登場した三木之次(光圀が生まれた時、父の頼房から殺せと命じられたものの、殺さずに育てた人)の子孫、三木啓次郎という人です。つまり水戸家ゆかリの人で、松下幸之助と親交があり、幸之助の名前も刻まれています。この三木氏と幸之助、浅草雷門の寄進者としても知られています。

実は徳川家康は大阪夏の陣で後藤又兵衛の槍に倒れ、堺で死んだそうです。その後は影武者だったらしい。

徳川家康は駿府城で鯛の天ぷらにあたって死んだ、というのが通説ですが、ガイドさんいわく、鯛のような昔からめでたい高級魚を天ぷらにするのか、鯛の天ぷらって今も聞いたことがない、という説明にもナットク、上述のように、既に江戸幕府になって久しくなってから、秀忠、家光も当寺を訪ねてきているという記録からも、家康がここで死んだというのはかなり信憑性があると思います。


南宗寺とならぶ堺の名刹、妙国寺へ向います。今回のツアー主催は南海電鉄ですが、南海電鉄の方の他、阪堺電気軌道、南海バスの方も添乗していて共催になっていたようです。

で御陵前から妙国寺前まで乗車したのがこれ!さすが鉄道会社主催のイベント、8月に登場したばかりの堺トラム、大阪初登場のLRVです。

動画も貼っておきます。大阪市電カラーとすれ違います。

妙国寺は南宗寺同様、戦国時代に三好一族により建立されたお寺、枯山水の庭と天然記念物の蘇鉄、また堺事件で11人の土佐藩士が切腹した場として知られています。

本能寺の変の時にちょうど堺に滞在していた徳川家康の歌碑や、近所に住んでいた与謝野晶子の歌碑もあります。

堺の街の妙国寺
その門前の包丁屋の
浅葱暖簾の間から
光る刃物のむなしさか

御寺の庭の堀の内
鳥の尾のよにやはらかな
青い芽をふく蘇鉄をば
立って見上げたむなしさか

御堂の前の十の墓
仏蘭西船に斬り入った
重い科ゆえ死んだ人
その思い出のかなしさか

いいえ それではありませぬ
生まれ故郷に来は来たが
親のない身は巡礼の
さびしい気持ちになりました

鉄幹さんと一緒になって勘当されていた時に戻ってきた堺で歌ったものだそうです。

自分のご先祖様は堺に縁があったらしく、小さい頃の祖母が与謝野晶子に抱えられている写真をみせてもらったことがあります。晶子の歌をもって読んでみたくなりました。

ここで第1部終了、このあと、住吉大社、新世界へと向かうのですが、それは次回にしましょう。