大阪市電保存館

四つ橋線の緑木検車場の一画にある大阪市電保存館の一般公開を見学してきました。

保存されているのは6輌です:

  • 11型30号:明治45年製のオープンデッキ単車の復元車両。
  • 2階建電車5号:明治37年製創業時の電車を昭和28年、市電50周年記念に復元。
  • 3001型3050号:昭和31年製の日本を代表する高性能路面電車。
  • 散水車25号:大正14年製、未舗装の道路を電車が通ると巻き上がる砂埃を抑えるための車両。
  • 501型528号:明治44年製のボギー車を昭和44年に復元。
  • 1601型1644号:昭和4年製の戦災復旧車。

3050の車内、路線図は市電全廃直前、昭和43年頃のものと思われます。既に谷町線の一部、中央線の一部が開通していますが、堺の出島まで走る市電阪堺線(29系統)がまだ走っています。

車内からみた側面系統表示幕と簡素な運転台。上町筋行くコレに乗って大阪城を眺めたかったなぁ。

3050と1644の車内広告です。大阪市清掃局の葬儀屋案内広告はちょっとシュールです。

花組公演の「ミュージカルコメディ・不思議な赤穂浪士」は見てみたい。

なんとも気に入ったのがこの1644号です。日除けは阪急電車みたいな鎧戸になっています。見学に来ていたおじいちゃんが職員を相手にウンチクを披露していたのですが、この1600型までが鎧戸で以降はカーテンになった、これはとても涼しかったとこのおじいちゃんに教えてもらいました。

1644の車内と系統表示幕、千日前通りを走っていた時のものです。これが今も走っていれば、なんばまで行くのが、どんなに楽しくて便利だったことか。

戦災で焼失したときの写真がパネル展示されていました。この1699が昭和22年に復旧され1644に改番されたそうです。信じられない思いです。

1644車内の路線図は市電全盛期の頃のものです。それからドア横に取り付けられたエンブレム。何とも風格とセンスのある素晴らしいデザイン、というより意匠と呼びたいです。

大阪市電は昭和44年3月に全廃されました。今里-上六-玉船橋の5系統は最後まで活躍していたそうです。

祖父に連れられて市電に乗った記憶が薄っすらと残っています。たぶんこの5系統で戎橋(今のビックカメラ辺り)-上六間ではないかと思われます。