国立文楽劇場寄席上方演芸特選会

染丸師匠の名前に惹かれたのと、大仕事の後の楽しみとして、前々から予約していたのですが、結論を先に言うと、あまり楽しめませんでした。

国立文楽劇場での寄席ですが、会場は小ホール、200名弱の収容でほぼ満席。ところが繁昌亭や動楽亭とはかなり客層が違います。70代以上とおもわれるジイさんが殆どです。大阪のおばちゃんはどこでも見られるのですが、大阪のおっちゃんがこれだけ集まるのは立ち飲み屋以外ではあまり見かけません。

落語が3席、漫才が2席、浪曲が2席という構成で、後から浪曲がメインとわかり、おっちゃんたちのお目当ても浪曲だったようです。

最初は時うどん、これだけ毎度時うどんを聞かせられるとやっぱり飽きます。もうちょっと工夫は無いのでしょうか。それも短縮バージョンで、うどんにはかまぼこも入っていません。着地失敗の時うどんの方がおいしそうでした。

浪曲は初めてです。横綱谷風のお噺と被爆者の少女のお噺で、聞かせてくれるのですが、長いですね。落語の人情話の方がボクはいいです。

楽しめなかった最大の原因は、大声で大向うのつもりで掛け声を繰り返すオヤジです。タイミングはずれていないものの、かなりしつこいし、声が大きすぎ、客席も演者もかなりシラけていました。しんみりしたお噺の途中でもお構いなしでひとりで拍手と大声です。この人おそらく仕事でも飲み屋でもたぶん同じでしょうね。一番お近づきになりたくないタイプです。

この人がトイレに中座した時はホッとしたのですが、その間、この人の奥さんと思われる女性が、変わって大向うを張っていたのにはびっくりしまいした。

さて自分のお目当て染丸師匠の今日のお題はそろそろ年末なので「掛け取り」、お得意の常磐津もきっちり組み込まれていて期待通り。それにしても染丸師匠の「お咲さん」はホントうまいですね。女性の強さ、怖さ、優しさ、可愛さ、色っぽさが凝縮されています。

トリは福団治師匠の人情話、これも短縮バージョンで、あれ?もう終わったの、という感じで残念です。