奈良公園のお正月
元旦に行きそびれた吉城園へ。
大仏殿の裏側です。
大仏殿東側にある用水池のような長池に笑える看板。この池には奈良県指定天然記念物のワタカという魚がいるはずですが、コイしか見当たらず。
緋毛氈のかかった縁台の向こうは水谷川(みずやがわ)の谷、そこになにか紙切れがいっぱい散らばってます。
茶屋の人に尋ねてみると、紙の人形(ひとがた)を春日大社の神職が撒いたものと教えてくれました。調べてみると半年毎に行われる大祓式というもので、夏の動画が見つかりました。
奈良国立博物館
特別陳列「春日若宮おん祭の信仰と美術」のポスターを見て奈良国立博物館に初めて入ってみました。入館料700円、70歳以上は無料だそうですが、まだそこまでジイさんになってません。
「春日若宮おん祭の信仰と美術」は国宝や重要文化財を含む展示も撮影禁止だったのであまり記憶に残らなかったものの、若宮おん祭りのビデオでの紹介コーナーには誰もいなかったので、腰を掛けてゆっくり鑑賞することができました。
小学生の時、祖父に連れられ行列を見物した記憶があり、京都の時代祭のような古代の衣装を来たパレードだとばかり思っていたのですが、さまざまな神事、儀式、行列、田楽(食物じゃなくて舞踊の方)、お渡式、競馬、流鏑馬、御旅所祭、奉納相撲、能・狂言と4日間に渡って開催される想像以上に大規模な祭りと分かりました。
追記(1月12日): 特別陳列「春日若宮おん祭の信仰と美術」では、美の壺「めでたきかな 鶴」で紹介されていた国宝の金鶴とその復元新調が展示されていて、5cmほどのツルに惹かれたことを思い出しました。テレビで詳しく紹介されているのを見てその美しさや国宝になり復元新調された意味が分かりました。
なら仏像館を抜けるとガラスで囲まれた回廊、もう閉館時間なので、出口へ向かいかけるとガラスの回廊の向こうは青銅器館。写真撮影可のようなので急いで回ってみます。
商末周初期(紀元前11〜紀元前10世紀)の饕餮文大鼎(とうてつもんだいてい)、重さ62.5kg。鼎(かなえ)は3本の脚がついた鍋・釜として使用された器、3つの勢力が並び立つ状態を意味する「鼎立」、権力者の権威を疑って、地位を奪おうとすることを意味する「鼎の軽重を問う」の鼎です。饕餮文は左右対称の怪獣の文様。商は殷とも呼ばれる実在が確認されている中国最古の王朝、「商人」という言葉の語源。古いです。
饕餮文とかものすごい画数の見たことのない漢字をよみがなからあっさり変換できたのでビックリでした。
さらに古い商後期(紀元前15から紀元前11世紀)の鴟鴞卣(しきょうゆう)、「卣」は酒壺、「鴟鴞」はトビまたはフクロウのこと。
ど迫力の商末周初期(紀元前11〜紀元前10世紀)の鳳凰文卣、高さ51,4cm、口径20.2x15.7cm。見る者に迫ってくるような規則的にも不規則にも見える立体装飾でびっしり表面が埋め尽くされた壺。縄文時代中期の火焔土器にも通じる3千年前の人々のパワーを強く感じさせます。
閉館時間で追い出されるように退出、出直して来てじっくり見直してみたい思います。青銅器という全く知らなかった世界。ハマりそうです。京都鹿ヶ谷に泉屋博古館に青銅器館があり、1年間の改装中も4月にリニューアルオープンだそうな。春が楽しみです。