琴電レトロ電車 2両編成編

琴電のレトロ電車特別運行、5月4日は年に1度のレトロ電車4両総出演。午前は2連、午後は4連でそれぞれ琴平まで往復してくれるので、乗り鉄、撮り鉄の両方が1日で楽しめます。

神戸港からジャンボフェリーの深夜便で出発、こういう大きな船で雑魚寝は大昔の青函連絡船以来かと。ゴールデンウィークで混んでいて、船内は備え付けのゴザを通路に敷いて雑魚寝する人も多く、とても21世紀の光景とは思えませんでした。

今日のレトロ電車1本目は8時6分高松築港発なので、新幹線も間に合わず前日泊かジャンボフェリーしかないはず。午前5時、高松に到着。

高松駅の日の出、快晴の1日のはじまり。

2時間以上時間があるので、志度線に乗ってちょっと鳥がいそうなところまで。

琴電志度線

琴電初乗りは下半身が緑の長尾線1300系、元京急1000系です。

2つ目の瓦町で乗り換え、ムービングウォークを2つ乗り継いで階段を降りると下半身がピンクの志度線600系がいました。琴平線、長尾線との連絡線は何年も前に撤去されたらしく、元々志度線を走っていたはずのレトロ電車が志度線を走らない理由が分かりました。

春日川駅で下車、立派な矢羽付転轍機が立っていました。

潮位が高く小さくなった春日川河口の中洲に太ったイソシギ。

ボラがたくさん泳いでいるのがよく見えます。志度線電車が春日川を渡ります。

志度線は元名古屋市営地下鉄東山線車両の改造車の独壇場で、元京急や元京王はいません。15mクラスの小型車でないと急カーブの続く志度線を走行できないようです。

イソシギがもう1羽、足跡が可愛いです。

屋島を背景に逆光で春日川を渡る志度線、源平合戦の屋島がオーストラリアのエアーズロックみたいなテーブル・マウンテン形と知りました。

志度線沿線はまたの機会にして、高松築港へ戻ります。琴電は全てワンマンじゃなくて車掌さんが乗務しています。JRや大手私鉄のローカル線よりずっと高いレベルのサービスです。

120号+300号2連

レトロ電車が入線してきました。余計なイベント用のヘッドマークとか無しで「回送」だけ。ローアングルで撮ってみたら昔の阪急700系みたいです。

午前は1000型120号と3000形300号の2連。先頭の120号に乗車、シートモケットも阪急っぽいオリーブ色で、車内側面は浅葱色に塗られていて阪堺電車161形と似ています。貫通ドアは閉じたままでそれぞれに車掌さんが乗務。

窓を全開で行きましょう。木枠のブラインドは阪急のような鎧戸じゃなくて布張りです。

とても心地良い風、今の時期にクーラーは不要です。高松から南へ向かった電車は仏生山で90度方向を変えて西へ、真正面に三角錐の山、六ツ目山、317m。御廐富士とも呼ばれ、讃岐七富士のひとつだそうです。香川県には7つも富士山があるんです。

一宮駅到着、6分停車、外に出て撮り鉄。車体が細いのでステップが付いてます。

120号のツリカケサウンドです。絵がイマイチなので、静止画をはめ込んでます。これを聞きながら続きをどうぞ。

ホワイトチョコ/ミルクチョココンビの120号とミルクチョコ300号です。300号の戸袋窓は楕円形。舐めると甘い味がしそうです。

120号の運転台と300号の運転台、装備している制御機器は同一ですが、微妙にレイアウトが違っています。いずれも大正15年製ですが、1000形120号は汽車会社、3000形300号は日本車輌、ほぼ同じ仕様でメーカーが異なるだけで別形式になったみたいです。

円座駅を過ぎると南西に向きを変え、六ツ目山が右手に移動。

岡本駅の左車窓に奈良須池が広がります。子供の時のように窓に向かって膝立ちしたいところですが…、やってるおっちゃんもいました。

滝宮駅で5分停車、後ろの300号に乗り換えます。扇風機は川崎型直流天井扇、昭和46年富士電機製造株式会社、と読めます。

羽間駅で停車中の300号、120号よりリベットが多くて、少しいかつい感じもまた良し。

撮り鉄さんたちが並ぶ琴電随一の撮影ポイント、土器川を渡り琴電琴平到着。

大正時代製と思われるウェスティングハウス製のマスターコントローラー。120号と300号、それに500号は近代産業遺産に登録されているのですが、国宝でもいいのかも。でも国宝になると気軽に近寄れなくなるので、今のままでいいかも。

琴電琴平に到着。貫通ドアを開けて行先票を取替、高松築港行に変身。シンプルで大変結構です。

楕円形の戸袋窓の内側は楕円形じゃないです。120号はキャンバス張りの屋根は綺麗に塗装され、パンタグラフもピッカピカ。

駅前から琴平山、屋島とも似たテーブル・マウンテン形です。ちょっと前のブラタモリで琴平山と続く象頭山の地形について話されていましたが、屋島が似ているという話は出てませんでした。でも、歴史的に何かつながりがあるのかも。

琴電琴平駅で1100形(元京王5000形)とツーショット。

滝宮

1100形で滝宮駅まで先行してレトロ電車が戻ってくるのを撮り鉄します。

瀟洒な木造駅舎の滝宮駅に到着。駅前の古びた郵便ポストがパステルブルーの駅舎にとても似合ってます。

1080形、元京急1000形で長尾線の1300形と同形式。1灯ヘッドライト、正面左右窓下のアンチクライマーもそのまま、都営浅草線、京成乗り入れの主力だったので、自分にとってはとても馴染み深く、好きな車輌です。右側は滝宮折り返しの1200形、こちらは元京急700形。

レトロ電車が戻ってくるまでまだ時間がたっぷりあるので、近くの滝宮公園。鳥は見つからないものの、久しぶりのヒメウラナミジャノメとサトキマダラヒカゲ。

滝宮公園の外れ、綾川を渡る1080形、向こうは大高見峰おおたかんぼう504m、この場所も魅力的なのですが、逆光ぎみなので、事前にストリートビューでチェックしてきた、この先の踏切へ行ってみます。

レトロ電車の通過まで30分以上あるのですが、踏切のところにはすでに先着の撮り鉄さんがひとりいてご挨拶。琴平行の1080形が通過、森に吸い込まれて行きます。

狭い撮影ポイントですが、一人二人と増え7人くらいがカメラを並べることになりました。でも和気藹々という雰囲気で、最後に東京から夜行バスでやってきたという撮り鉄さんも、後ろから覗くのでお気遣いなく、と撮り鉄でよく聞くギスギスした雰囲気は全然ありませんでした。上空には家族連れできた撮り鉄ファミリーのお母さんが教えてくれたヒバリ。

レトロ電車の10分前を1080形が露払い。

森から300号がでてきました。

綾川の鉄橋を渡ってきます。

目の前を過ぎて、120号の後ろ姿。

手打ちうどん松岡

滝宮公園の先にうどん会館というのがあって、そこでランチと、事前に調べてきました。ちなみに滝宮はうどん発祥の地だそうです。ところがうどん会館に行ってみるとかなりの順番待ち、それに道の駅の中で、ひとりでは入りにくい感じなので諦めます。

ググってみてでてきた、もう1軒のうどん屋さんへ行ってみると、うどん会館より長い行列、滝宮駅周辺には他に食べ物やさんもコンビニも見当たらなかったので並ぶことにしました。広島ナンバーとか他県ナンバーがずらり、手打ちうどん松岡というお店で、かなりの有名店のようです。

並んでいるとお店の大将がでてきて、うどんがもう残り少くなったらしく、小ですか、大ですか、と聞いてきました。大と答えて、後ろの人に申し訳ないと気づき、慌てて小に訂正しました。それでも自分の後ろの3人でお終い。ぎりぎりお昼にありつけました。

並び始めてから30分ほどで店内に入れました。もうメニューは限られていて、冷たいかけうどんか、醤油かけうどんのいずれか、天ぷらはちくわだけになっていました。

醤油かけの小が250円、コシがあるけど硬いという感じはなくって、つるりと喉に入っていきます。うどんは飲み物と聞いたことがあるけど、ナットクです。でも小だったので、物足りなさを残しつつ、滝宮駅へ戻ります。

琴電レトロ電車 4両編成編へ続く。