九度山俯瞰

大晦日だけ、JR西日本の関西1デイパスは終夜運転に対応して元旦もカバー、実質2デイズパスになります。この関西1デイパスのオマケに付いてくる高野山チケットを使って、高野線山岳区間撮り鉄。

パスに付いてくるクーポンを高野山チケットに引き換えることができるのは新今宮駅だけなので、JR難波から関西線で出発。

高1の時、通学で毎日乗り換えていた新今宮、懐かしいなぁ、と感慨にふけっていたらいきなりスターウォーズラピート。

橋本から2300系の先頭かぶりつきをゲットしたら、また新たに視界を大きく遮る白い箱が増設されていました。前方の窓にはいつものように運転手さんのバッグも。京阪や阪急、阪神ではこのバッグをひっかけるフックまで設置されているのですが、この南海のユーザー視点の欠如はもう少し何とかなんないのかなぁ。腰を浮かしながら赤こうやを撮ります。

逆にいい点としては、ワンマン運転でもノイジーじゃない自動放送は英語も含め、クォリティが高いです。こうや号では日本語、英語の次にフランス語というのもグッドです。

紀伊細川とどっちにしようかと迷って九度山で下車。2000系真田赤備え列車と交換です。

駅から急な坂道を1kmほど登ってきた撮影ポイント、天空が下りてきました。

橋本から2000系真田赤備え列車が折り返してきました。ずっと車窓からなんだろうと思っていた足組のようなものは建設中の道路橋とわかりました。

この撮影ポイントからまだ先に山道が続いていて、ちょっと入ってみたのですが、急な崖にへばりつくような道でおっかなくなって引き返してきました。

丹生川橋梁を行く黒こうや、一番狙っていたポイントですが、光線の具合で鉄橋付近は靄ったようになっています。やはり俯瞰撮影、一筋縄ではいかないようです。

九度山駅に進入する黒こうや。

丹生川橋梁を行く2300系高野下行。やはり靄ってます。あまり乗客は見かけないのですが、なぜか日中3往復高野下折り返しの2連があります。

真田十勇士のキャラクター紹介や、照明のケースまで九度山駅全体がいい感じに赤備えされています。さっきの高野下折り返しに乗ります。

高野下からは誰も乗ってきていませんでした。クロスシートはあっち向いたまま。やはりかぶりつきに座って腰を浮かせて天空を撮ります。

橋本駅前の仕出し屋兼食堂が大晦日でも営業していました。できないものもあるのですが、と言われたものの鮮魚を使った料理以外はOKで柿の葉寿司とうどんのセットを頼みました。柿の葉寿司はともかく、うどんの出汁がかなりおいしくてびっくり。全部飲んでしまいました。満腹になって「よいお年をお迎えください」と見送ってくれました。神鉄の時は、新開地駅構内の喫茶店「U」同様、高野線ではこの「三角亭」が自分の基地のようになってくれそうです。

駅前に止まっていた南海りんかんバス、昔懐かしい南海バスのカラーです。子供の頃、バスといえばこの色でした。小型のイマドキのバスにもよく似合ってます。

1デイパスがあるので橋本からJR和歌山線で和歌山へ。日中1時間に1本の2両編成、車内外ともボロボロの105系、これよりずっと古い高野線の6000系と比べてかなり見劣りして乗り心地も良くありません。

車窓の変化も乏しい紀ノ川の右岸約30kmに1時間以上かかり結構苦痛、シート下のヒーターが熱すぎてカチカチ山状態です。

やっと和歌山駅に到着、隣のホームにたま電車が止まっていたました。自分は水戸岡デザインが好きじゃないので避けていたのですがせっかくなので乗ってみることにします。南海貴志川線の時も含めて初乗りです。

1日乗車券で終点の貴志まで往復します。今日はたま駅長はお休みですが、いいですか、と聞かれました。電車に乗りたいだけなのでいいです、と答えると駅員さんがにっこり。

車内は、たま、たま、たま、です。電車の中というより、保育園か小児科の待合室の雰囲気です。自分のように珍し気に写真を撮っている人もいますが、大半は沿線の人たち。たま電車より軽トラが似合いそうなおっちゃんたちには、落ち着ける空間とはいえません。

ワンマン運転の年配の運転手さん、料金を受け取るときには白手袋の両手を広げて受け取っています。子供もが払う時には、腰をかがめて視点を合わせて受け取ります。まねのできないレベルのとても丁寧な接客です。

終点の貴志駅はねこ耳がついた茅葺の駅舎、たま駅長の駅長室は今日は閉鎖されていたものの、カフェは営業していました。たま神社とかいちご神社、おもちゃ神社はちょっとやりすぎ。

たま電車を見送って次のいちご電車で帰ります。こちらはたま電車ほど凝った内装じゃなく、運転手さんもたま電車の年配の運転手さんと違っていたって普通でした。

確かに町おこしや鉄道の存続には大きな貢献をしているとはわかりますが、永続的なマーケティングかというと疑問です。かつて一世を風靡して今は廃墟になってしまった清里を思い出しました。