ばたでん

映画Railwaysで有名になった「ばたでん」、一畑電鉄の松江しんじ湖温泉~電鉄出雲市まで乗ってきました。

乗車したのは3000系、元南海高野線21000系ズームカーです。乗車したのは黄色と青に塗り替えられたものですが、出発間際になって入線してきたのは、なんとも懐かしい旧南海色に戻された3000系、サボが付いていないだけで、「ヒゲ新」と呼ばれた昔のまんまです。これに「なんば-和歌山市、急」の丸いサボがあれば完璧です。ちなみにその右側は2100系、元京王の5000系です。

21000系ズームカーは南海本線用1000系(11001系から改番)の高野線バージョンです。1000系はクロスシートの20m、21000系はロングシート(一部編成のみクロスシート)の17m山岳区間対応の違いはあるものの、車内のつくりは基本的に同じでした。

1000系は南海沿線に育った自分にとって一番好きだった電車です。ふっかふっかクッションの赤いシート、美しい曲線の手すり、窓の上の照明、木目模様のデコラ板(確か21000系のみで1000系はベージュ1色)、何もかもが南海の時のまんまです。親になんば高島屋へ買物に連れて行ってもらった時のことや、高校時代のデートのこととかまで思い出してしまいました。

天井の中央の照明のカバーは、窓の上の丸いカバーと違って角張ってますよね。南海が1500ボルトに昇圧、1000系に改番され集中式のクーラーを増設した時に、これに変わったんです。元は丸いカバーでした。丸い通風口も懐かしい。

違うのはワンマン運転対応のためのバックミラーが付けられていることと、ばたでんでは、車内に自転車も持ち込むことができるので、その固定スペースが設置されているくらいかな。

そうそう、この大きな片開きドアもいいでしょう。南海は物持ちが良くて片開きドアの7000系や6000系が現役バリバリでがんばってますが、京急旧1000系がいなくなって、もう南海くらいしかないんじゃないでしょうか。

このばたでん3000系、塗装の剥がれや車体外部の汚れが気になりますが、大切に使われているのはよくわかります。1000系は現存しませんが、21000系はばたでんの他、大井川にもクロスシートのががんばっています。よくぞ島根でここまで大切にしてもらってきたと感謝の思いが湧いてきます。


松江しんじ湖温泉を出発すると、いきなり左手に宍道湖が広がります。電鉄出雲市まで全線のほぼ半分の区間、ず~っと宍道湖の北側に沿って走ります。

撮り鉄さんにとっては、これでもかというくらい沿線に好撮影ポイントがありそうです。

雲州平田駅に車輌基地があります。元京王5000系たちが休んでいます。オリジナルの京王カラーに戻されたのもいます。白と青の2ドアクロスシートはばたでん5000系、これも元京王5000系、見事な改造です。聖蹟桜ヶ丘あたりを走らせてあげたい!

川跡駅で大社線と接続しています。大社行も3000系、行き違いの松江しんじ湖温泉行も3000系、3編成が揃うなんて南海時代にもなかった光景です。この日の運用は5000系1本と3000系4本、元京王の運行が殆どでは、とばかり思っていいただけに元南海のがんばりにビックリしました。

スイッチバックの一畑口駅の到着シーンを動画でどうぞ。iPhone5の動画の高画質にもビックリしました。

この元南海、元京王の車輌たち、来年から少しずつ新型に置き換えれるそうです。日比谷線乗り入れがなくなる東急の1000系と全くのおニュウが入ってくるそうな。