海はハズレ、山はアタリ

朝4時に起きたものの、男里川か万博公園か、まだ迷っていた自分です。干潮のピークは朝5時すぎで一日一回潮と鳥見には適さない潮見も、たぶん今日が今年のラストチャンスになりそうなので、やはり男里川河口へ向かうことに決めました。

男里川河口が期待外れの場合、南海沿線のどこかへ向かうことにして発売中の南海・泉北1日周遊きっぷを買っておきました。以前のフリーきっぷで見たことがあるデザインです。

レアモノの7:10発和歌山港行サザンで出発、これで南海フェリーかつらぎに乗り継げば10:30に徳島に着きます。早朝でかつ関空行じゃないのにえらく混んでました。

海へ

ファミマ尾崎5丁目店でハムカツサンドを買って尾崎の浜に出ると一気に風が強くなり、上空のウミネコも風に流されています。

明石海峡大橋はくっきりも波が高く波しぶきを被りそうなので、いつものように石段に腰を下ろして朝ごはんは諦めました。

8時半で潮位は80cmくらい、一日一回潮でこの後11時120cm、13時134cm、15時141cm、17時140cm、19時142cmと満潮が長く続き、次の干潮は明朝7時。

強風で画面左端のヤシの木の葉が真横になびき、波は石段の浜にのりあげています。テトラポッドの陰で少し風が弱まったのでハムカツサンドを口に押し込みます。

砂浜にカニの巣穴は点在しているものの全く姿を現さず、やはりもう冬眠してしまったようです。

ルフトハンザカーゴ B777がフランクフルトへ向けテイクオフ。

ハマゴウの花が僅かに残ってました。

波が高く、沖もうねる男里川河口。シギチはチドリ1羽が飛んでいったのを見かけただけ。3年前の同じ時期にはシロチドリだけじゃなくハマシギ、4年前にはダイゼン、5年前にはチュウシャクシギにも会えたのですが、何もいません。どうやら潮見の悪さが一番の原因のようです。

コガモが到着していました。一番早く渡ってくるカモです。セグロセキレイじゃなくてハクセキレイはこの辺ではちょっと珍しいかと。

ファミマ男里店へ寄らずそのまま右岸へ。こちらにもコガモたち。

堤防に掲示された密漁の警告看板にある「エムシ」とはなんぞや、さんざん調べてみたところ、どうやらゴカイのような環形動物のようです。密漁禁止の対象になるほどなのかさらに調べると、イワイソメとも呼ばれ、大物狙いの釣りには欠かせないようです。50gで1000円程と神戸牛並の値段と分かりナットク。

右岸河口で何気なく撮った1枚、関空の向こうに広がる住宅地は神戸の鶴甲団地、六甲ケーブル下駅付近のようです。よく見ると左端にクジラの尾のような何かが写ってます。ひょっとして関空沖に棲息していると聞くスナメリかも。

清掃工場下の干潟は水面が奥の方まで広がっています。3年前には同じ時期でもいっぱいいたハクセンシオマネキもヤマトオサガニもいません。

樽井駅への緑道を歩くのも楽しみなのですが、バッサリと草が刈り取られていてビックリ。ちょん切られた垣根の葉っぱや小枝が多く、谷町筋や千日前通の剪定と比べるとどうにも雑な作業に見えます。

泉南自動車教習所前の踏切で上り電車が行ってしまいました。難波まで乗り換え無しで行ける今日最終の区間急行です。今日の寂しい男里川河口は季節でも天候でも潮見でもなく自分のツキの無さだったようです。

1000系普通車のボックス席で次の行き先はどうするか引き続き悩みます。難波行に乗ったのでもう加太というオプションはなくなり、関空で飛行機を撮るというアイデアもこのお天気ではあまりそそりません。やはり高野線へ向かうことに決めました。泉佐野でサザンと空港急行の2本が先行、サザンは混んでいたので、次の空港急行で難波に到着、だいぶ雲が広がっていました。

山へ

ペッパーランチでお腹いっぱいになって、もう帰宅した方がよさげですが、南海・泉北1日周遊きっぷがもったいないので、12:00の6500系橋本行急行に乗り込みました。

前回同様にすれ違う列車を逐一チェックも銀の列車は千代田車庫でお休みしていているのを確認して河内長野に到着。

紀見峠を越えて橋本に到着、ジャンパーを羽織ってきたのですがそれでも寒いくらいでビックリ。自分同様、極楽橋行に乗り換える欧米系の人たちもバッグから厚手のジャケットを取り出していました。自販機左手の4番線では乗ってきた6500系が難波行急行で折り返し、側線に天空がスタンバイ、その隣の2000系が先発です。雲行きもさらに怪しく、5年前に山と海を一遍にというタイトルでブログを書いているのですが、今日のブログタイトルに「ハズレの海、ハズレの山」が思い浮かびました。

30000系難波行こうや号が到着、側線から2000系4連が出場。

こうや号と天空のツーショットです。本線途中まで出た2000系が引き返してきます。天空は指定席券が残っていたのですが、まだどこで下りるか決めかねていたので先行する2000系に乗り込みます。

とうとう紀伊清水で雨が降り出したものの、ほどなく止んで丹生川橋梁を渡ります。

下古沢で2000系橋本行と交換、11分も停車してさらに31000系こうや号と交換。

極楽橋駅に到着。2300系4連の発車を見送ります。

高野下で乗り込んできた高齢者のハイカーさんたちがケーブルカーに乗らず改札を出ていきました。どういうルートのハイキングなんでしょう。

極楽橋駅は美しい天井画が有名ですが、お手洗いの木の葉も素敵です。

極楽橋駅前の滝は水量が少なく美しいジグザグを描いていました。去年の元旦にカワガラスがいた滝です。

道路端の崖にヨメナ。

あっ、いました、カワガラス。ちょうど飛び立ったところで、一旦下りてきてくれたものの、すぐさま川上へ。

駅と新極楽橋を3往復くらいしたけど、この2枚だけ。イマイチな写真ですが、羽を広げたところが写っていていちおう満足、ツキが多少回復した感じがして、朝からだだ下がりだったテンションがぐんとあがりました。

キーキーとレールきしみ音が聞こえてきたのでお地蔵さんの前まで行って撮り鉄。

不動谷川の流れは美しくじっと眺めていると魚影、アブラハヤです。駅前がすぐ渓流なのは、思いつく限りここと貴船口駅くらいです。

南海・泉北1日周遊きっぷでケーブルカーにも乗れるはずですが、高野山の中心部までバス代が結構かかるのでパスして引き返します。2000系の車窓動画です。

電車とホームの隙間が空いている選手権があればかなり上位に食い込むはずの紀伊細川駅です。

列車交換で8分停車。外へ出て対向のこうや号、30001編成です。50cmはありそうな隙間をまたごうとすると外国人のお兄さんが手を貸してくれました。

中古沢橋梁を渡ります。このトレッスル橋を見上げるとこんな感じです。九度山駅のおにぎりやさんも行列を整理するためのパーティションが立てられていてなかなか盛況のようです。

学文路駅を過ぎて車窓上空で見つけたのはたぶんノスリ。

橋本に戻ってきました。次の難波行急行は8連で後ろ2両は6000系。向こうには和歌山線の227系1000番台。

車両型式板は白く塗りつぶされていました。大きな片開きドア。

昭和43年製で昭和63年に冷房化などの更新が行われています。

広い片開きドアの向こうに30000系難波行こうや号、その向こうの側線には乗ってきた2000系。JR橋本駅は2面3線あってスカスカなのに南海橋本駅は1面2線しかないので、極楽橋-橋本間の列車は、4番線に急行がいると特急を通すために、5番線→本線→側線→本線→5番線と行ったり来たりすることになります。

絶滅危惧種、片開きドアの開閉です。

銀の列車

千代田の車庫をチェックしなきゃと構えていると河内長野の下リホームに銀の列車。急遽下車して下リホームへ移動。

折返し難波行各停の先頭の6001、車両型式板は南海グリーンに塗られ文字が磨き出されています。

これも絶滅危惧種、2段窓の取っ手、試してみるのを忘れましたがちゃんと機能するはずです。左側ははめ殺しの片開きドア戸袋窓、これもやはり絶滅危惧種。

秋の日はつるべ落とし、まだ4時45分です。

車番プレートと車内製造銘板、なぜか更新のプレートがありませんが、更新改造前はここに米国バッド社の英文ライセンスプレートが取り付けられていました。

北野田にきたのだ。急行を退避、やってきた急行は6000系8連は、最後に残る青と黄のラインの入った6000系4連の6023編成+6000系2連+6000系2連でビックリ。

銀の列車6001編成と6028編成の連結面を撮ってみると、右側6002と左側6907で微妙に窓の高さが異なっていることに気づきました。窓そのものも6002の方が若干狭く見えるだけじゃなく、貫通ドアの取り付け位置も違っていて、貫通幌が少し斜めになっており、6002の方が車高が僅かに低いようです。6002は昭和37年製、6907は昭和42年製、5年間の製造ロットの違いにクラフトマンシップを感じます。磨き上げられたステンレスボディとコルゲート板に惚れ惚れ。

堺東で準急と急行に抜かれ、5時45分大和川を渡ります。連結面を内側から。

6002には南海車両工業の更新プレートが付いてました。

河内長野から56分、難波駅1番線に到着。さっきと反対側からの連結面、やはり右側6907と左側6002で窓の高さが違っていて貫通幌が左下がりになっています。

オレンジと黄色の南海電車社章が外され南海グリーンの旧社章がとりつけられています。窓の上のステンレス板接合部分の腐食が進んでいるのが確認でき、引退間近もやむを得ないようです。

この前大和川河川敷で気になった難波に向かって左側のシールのようなものです。装飾的なものではなく、何らかの応急処置のようです。

2024/1/25追記: このシールのようなものはホームドアのセンサーの精度を上げるためのものだそうです。鉄道ピクトリアル2023年10月増刊号南海電気鉄道にありました。

定員表示のプレートも南海グリーン。東急車輛の製造銘板は南海グリーンに塗るわけに行かないということでしょうね。東急車輛の車両製造事業は総合車両製作所等に事業譲渡、その後会社自体解散しており、許諾を得るのも大変でしょうが、塗るとしたら紺色だと思います。

奥の方に引っ込んだ1番線じゃなくて、いずれ4番線で急行になっているところを撮りたいところです。

カワガラスと銀の列車に会えたので山はアタリとします。何気なく撮った関空前の海の写真のクジラの尾のようなものが本当にスナメリだとしたら海もアタリ、大アタリですが、確認しようがありません。