中古沢橋梁と丹生川橋梁

南海高野線の2つの鉄橋の橋見に行ってきました。

まずは中古沢橋梁、山陰本線の余部鉄橋が架け替えられてしまい、全国でも希少な鉄道トレッスル橋を見るべく、上古沢(かみこさわ)駅へ向かいます。

橋本からの2300形、窓が大きな転換クロスシート車、約8ヶ月ぶりです。

最後部の転換クロスシートを後ろ向きにひっくり返して、逆かぶりつきをやってきました。

下古沢からトンネルを抜けると中古沢橋梁があります。車内からだとトレッスル橋かどうかは、全然わかりません。

上古沢到着、上り普通電車と列車交換です。上り電車が坂を下り、下り電車が坂を上ります。

上古沢駅の木造駅舎、2012年度の平均乗降客数は僅か1日28人だそうですが、無人駅ではありません。

駅は山の斜面に建っていて、駅への進入路は軽トラでギリギリの坂道です。

野生のアジサイを眺め、ウグイスの声を聞きながら歩きます。

中古沢の集落でたぶん唯一の商店、ここで水分を調達しておきます。

集落を抜けて、小さな渓流に沿った道に入ると、興味深い注意書きがあって、赤い橋脚が見えてきました。

なかなかに壮観ですが、木立に囲まれて全貌をひと目に収めるのは難しいです。

橋の下にお立ち台が設置されていて、いわれ書きがあります。

昭和3年開通、またまた昭和3年です。阪堺モ161形もEF52型電気機関車も、木津川橋梁や岩嵜運河橋梁も昭和3年、戦前の技術がおもいっきり花開いた年だったようです。明治維新からまだ60年しか経っていない訳で、明治のクラフトマンシップのすごさにここでも驚かされました。

通過予定時刻表も掲げられています。1時間に上下合わせて6本程度と結構本数はあります。

お立ち台から見上げるとさすがに迫力あります。

大きな音をたてて電車が渡ります、がっ、電車はよく見えません。

ちょっと離れて木立の間から撮ってみて、せいぜいこれくらいしか電車が見えません。やっぱ横からも見てみたいです。

村のコンビニのところまで引き返し、下古沢方面へ向かいます。

ホオジロがいました。電線がジャマではありますが、葉の茂るこの時期、初心者バーダーには電線はありがたいです。

趣きのある九度山町立古沢小学校、1学年1クラスくらいかな、と調べてみたらビックリ、明治9年から歴史のある小学校が、去年から「休校」になっていました。休校前の在校生は6年生1人だけ、今後新入生があるまで、廃校ではなく「休校」だそうです。(追記:いずれもリンク切れ)

なんばまで1時間半くらいで行けるところで、電車も頻繁に走っているのに、そんなに過疎化が進んでいるとは想像もつきませんでした。

下古沢と高野下の間の短いトンネルの間で電車を待ち構えてみました。

反対側には紀の川の支流、丹生川、透明度はかなりものです。

高野下駅近くの電線に見慣れないトリが数羽、調べて、調べて、キセキレイとわかりました。

高野下に着きました。川を覗くと、小さな魚とその魚の陰までくっきり見えます。

高野下駅の木造駅舎と待合室、橋本から高野下までの折り返しの電車もあります。

ここまで国道370号を歩いてきたのですが、ここからは九度山まで丹生川の左岸に遊歩道があるのがわかりました。

遊歩道は右岸の国道より勾配がゆるく、いかにも軌道っぽいカーブを描いており、昭和34年まで運行されていた高野山森林鉄道の軌道跡で間違いないようです。

丹生川橋梁が見えてきました。川と反対側の斜面にはアジサイが群生、かなりいいタイミングで来たようです。

橋の手前に展望台のような施設がありました。たぶん南海ではなく、竜王峡を眺めるために九度山町が設置したものかと思われます。でも人っ子一人いません。

アジサイと2300形、なかなかいいでしょ!箱根登山鉄道みたいです。

橋梁の下流側は崖沿いに高野線が走ってました。

続いて天空がやってきました。さっきの2300形と違って、観光列車なので、渓流を眺めるべく、徐行運転で川を渡っていきました。

開け放たれたドアのところに立ってるひとが私に気がついて、手を振ってくれました。

竜王峡遊歩道を下ります。とつぜん、ドサッ、という音がしたので、何かと見たら、目の前に青虫が落ちてきた音でした。どうやら生まれたばかりのようです。

滝のようなところをくぐったり、飽きない遊歩道ですが、森林鉄道の廃線跡そのままなので、崖っぷちのままになっています。子供連れだと、手は絶対離しちゃいけません。悪ふざけの中学生グループとかも落ちる子がでてきそうです。

九度山駅に着きました。

高野下-九度山間の竜王峡、このいいお天気、きれいな川、電車もいっぱい眺められるのに、川遊びしていたのは2、3のグループだけでした。遊歩道はグループやファミリー向けではないものの、川は超穴場のレジャースポットかも知れません。