ちょっと涼しい六甲山

先週の早起きに代えて今週は標高で猛暑日対策、六甲山に上ります。

六甲まやレジャーきっぷは難波駅では売っていないようなので梅田経由で。山陽5000系で出発。

潮位高めの淀川を渡ります。阪神高速の工事でずいぶんご無沙汰ですが、水辺に島が浮かぶ海老江干潟は変わっていないようです。

御影で朝ごはんを調達、改札を出たところにローソン、駅の南側には店内キッチンのあるローソン、ここでタルタルフィッシュバーガーをゲット。バスターミナルのある駅の北側にもローソン、近くにセブンやファミマはありません。

六甲まやレジャーきっぷ【阪神版】は阪神電車の乗車券が10円値上がりも3年前と変わらない1,950円据え置きですが、色んな交通機関の切符が回数券風にまとめられていた構成が変わり、ケーブルカーやロープウェイの切符がスタンプを押す方式になり、六甲山上のバスは切り離して回収することなく見せるだけに変化、行路に沿って切り離していく3年前の方が分かりやすいです。こういう分かりにくい切符こそ電子化すべきと思うのですが、アナログな切符で継続販売してくれるだけでもありがたいとすべきでしょう。

阪神御影から阪急六甲まで約15分、【阪急版】の方が150円高いもののケーブルカー1便分くらい早く六甲山に上れます。

六甲ケーブルはちょうど出たところで次の便を待つ間に駅のベンチでタルタルフィッシュバーガー。2両編成の前の車両に乗り込むと、2両目はオープンエアも1両目は窓があり、3年前のブログの雨が降った時はどうするのかという疑問はあっさり解決しました。2両目は天井がガラス張りなのですが、1両目は普通の屋根です。2両目の方が眺めはいいものの直射日光、電車の中で日傘を差している人を初めて見ました。

六甲山上駅からの眺めです。大阪湾を斜めから一望する角度で淡路島が立体的に見えます。

六甲高山植物園

六甲山上バスで高山植物園に到着、期待通りかなり涼しく感じられます。標高865m、100mで0.6℃下がるので、神戸市の12時の気温が34℃とすると29℃くらいのはずです。高山植物園の入園料は900円に値上がり、それに六甲まやレジャーきっぷの100円引き特典も無くなってました。3年前に来た時はどうもイマイチ感の強かった高山植物園ですが、六甲山のもうひとつの植物園、森林植物園よりずっと標高が高いので今日はこちらにした次第。

まずはオニユリが迎えてくれました。くすんだ朱色はフシグロセンノウ。

中高年の夫婦づれや女性グループが多いのですが、聞こえてくる会話から皆植物の知識や観察力がハンパなく驚かされます。

クロアゲハかと思いきや胴が赤い、初見のジャコウアゲハ、姫路市の市蝶です。胴が見えないと判別は困難。

ヤマルリトラノオです。一輪だけのオニユリもよろし。

オニ絡みでオニヤンマ登場、おひさしぶりです。

長くまっすぐ伸びた茎に薄紫の花はギボウシ。植物園が谷に広がっているところを収めたくてiPhoneの超広角で撮ってみたのですが、ZV-E10のオニヤンマの写真と比べると深みのない写真です。

ロックガーデンに小さな滝、期待していたサギソウはまだ早かったようです。

滝の脇の岩にタキユリ、シーボルトが日本から持ち出してヨーロッパで人気となったカノコユリの変種だそうです。

可愛い薄紫はマツムシソウ。カワラナデシコ(ヤマトナデシコ)よりシンプルさが魅力的なエゾカワラナデシコ。

高山植物の代名詞、チングルマが一輪だけ残っていました。隣には牧野富太郎博士のチングルマ植物図。コマクサは見つからず。

ジャノメチョウがあらわれた。

にぎやかに開いたマツムシソウ。緩やかな谷の斜面にニッコウキスゲがいっぱい。

花は枯れてしまっているもののアルプスの名花、エーデルワイスです。記憶の限り自分が初めて見た映画は「サウンド・オブ・ミュージック」、ドレミの歌私のお気に入りと並ぶ名曲が聞こえてきます。

ここ六甲高山植物園はスイスのシーニゲプラッテ高山植物園の姉妹植物園だそうです。調べてみるとインターラーケンから登山鉄道で1時間半くらい、植物園は入場無料も、登山電車は目の飛び出るような料金のはず、手近な六甲でエーデルワイスに会えるのはありがたいです。

谷の底の池にコウホネ、どちらにもクロイトトンボが写ってました。

アサザも見頃です。ガガブタを期待していたけど見当たらず。

植物園西端の売店前にキレンゲショウマがいっぱい。

8/18追記:朝ドラらんまん、今週のサブタイトルがキレンゲショウマでした。ドラマの田邊教授のモデル、矢田部良吉帝国大学教授が発見、日本人が日本の学術誌で最初に発表した一族一種の植物です。

神戸の牧野博士

売店の建物の一室で牧野富太郎博士の展示、長居植物園大阪公立大学附属植物園と同じようなものかと思いきや、牧野博士の神戸との関わりを中心に、映像の展示もあり、なかなか見応えがありました。

牧野博士の神戸の足あとマップです。会下山に資産家、池長孟(はじめ)の援助による牧野博士の研究拠点があり、東京と神戸を行き来する生活を25年続けていたそうです。ここ六甲高山植物園も牧野博士の指導の下、昭和8年に開園しています。

明治14年、東京で開催された第2回内国産業博覧会に高知の酒蔵として出品に向かう途中、初めて神戸を訪ねています。豊臣時代以来の長年木材の伐採が続けられてきたことが原因で明治初期の六甲山は禿山だったそうです。緑に包まれた六甲山が明治36年以来の植林による人工の森だったとは驚きです。

昭和8年はケーブルカーで、昭和15年にはケーブルカーとロープウェイで往復とあります。六甲ケーブルは昭和7年の開業、六甲有馬ロープウェイは昭和45年の開業なので、何かの間違いかもと詳しく調べてみると、六甲登山架空索道というロープウェイがケーブルカーと同じ昭和7年に開業、昭和19年まで運行されていたと分かりました。芦有道路の入口付近から記念碑台の少し西側まで六甲ケーブルにほぼ平行するように設置されていました。六甲ケーブルは今も阪神電鉄傘下ですが、六甲登山架空索道は阪急傘下、戦前から阪神と阪急は六甲登山でも熾烈な競争を繰り広げていたようです。阪急阪神ホールディングスに経営統合され今や昔。

ちなみに六甲ケーブル山上駅から六甲山頂駅を経由して有馬温泉までロープウェイに乗った記憶があります。六甲ケーブル山上から六甲山頂までは平成16年にマイカーの普及で利用者が半減したことを理由に運行休止(実質的に廃止)されていました。20年前であれば高山植物園までバスじゃなくてロープウェイで行けたことになりますが自分は関西にいませんでした。

「七十はなお人間の花盛り」と謳った色紙、牧野博士は自分の生まれた昭和32年まで長命、満92歳天寿を全う。

涼しいので疲れはまだ感じません。3年前のイマイチ感も消えて無くなり、まだまだじっくり植物園を回れそうです。池の周りにはハンゲショウ。クロイトトンボもたくさん。

目の前にホオジロが止まってくれました。しばらくすると目の下の小さな流れに下りてきて水浴び。

たっぷり水浴びしてさっぱりすると、枝に移動して羽を乾かしています。

木道の両側は一面季節の終わったクリンソウ、なぜか一輪だけ花を咲かせていました。

トントントントンと木槌を叩くような音がしきりに響いてきます。近くの木陰で大人数のクラフト教室が開催されているようです。コゲラのトントンは耳に心地いいのですがこのトントンは耳障り、もっと植物園を見て回るつもりだったのですが、ちょうど入口に戻ってきたので今日はここまでにしました。ちょっとだけイマイチ感が戻ってきた高山植物園です。

ガーデンテラスから摩耶山

植物園からガーデンテラスまで1kmほど歩いてみます。沿道には花期の終わったアジサイに代わりフサフジウツギがいっぱい。縦方向から撮ったのでピンボケ。

ガーデンテラスに着くとマツムシソウにジャノメチョウ。

ガーデンテラスからの眺めです。手前にフサフジウツギが咲いてます。

正面は金剛山、造成中の島は大阪港新島、その向こうに広がる緑は大和川左岸河口の共生の森、基本人間は立ち入り禁止です。ちょっと前のダーウィンが来たで紹介されていました。

阪神電鉄子会社の六甲山観光のバスで六甲ケーブル山上駅まで戻って来ました。3年前は記念碑台バス停で六甲山牧場、摩耶ロープウェイ方面は乗り換えと案内されたのを素直に受けて乗り換えたのですが、ケーブル山上駅まで乗り通して正解、待つことなく摩耶ロープウェイ山上駅行に乗り換え。20分ヘッドの六甲有馬ロープウェー山上駅方面に対し、六甲山観光と阪急バス共同運行の摩耶行は30分ヘッドですが、多少待たされたとしても景色がよく暑さもしのげます。

摩耶ロープウェイ山上に到着、阪急バスは狭い道路を切り替えして方向転換。

摩耶ロープウェイ山上駅は展望広場の掬星台、標高700mで高山植物園より少し暑くなった気がします。正面はポートアイランド。

沖で自動車専用船らしき船が取舵いっぱい。日産自動車専用船、日王丸11,514総トンと分かりました。

中突堤手前の岸壁に停泊しているのはルミナス神戸2、神戸港周辺を周遊するレストラン船です。

石積みのケルンのような形の雲が並んでます。真ん中の雲の下、和泉山脈の向こうは1800〜1900m級が並ぶ大峰山系です。

夢洲は基礎工事中ということなんでしょうけど未だ殆ど何も建っておらず本当に1年半後に万博が開催できるのか心配です。

電波塔が並ぶ足元付近がさっきまでいたガーデンテラス、山それぞれに緑の色が違っていて、植生が異なることがわかります。禿山だったところを明治後期から植林されたという史実と辻褄が合います。

神戸空港からスカイマーク機が離陸、男里川河口から眺める関空よりずっ遠いです。

画面の上に見える地面は関空です。

かなり近くから聞こえてくるホーホケキョを探していると、ウグイスじゃなくてホオジロの幼鳥らしきが枝に止まっていました。

ほどなくヤマガラも登場。

いつものようにアイソいいヤマちゃんです。

今日淀川花火がある梅田付近、情報量の多い1カットです。左下の砂浜は香櫨園浜、そのちょっと上に甲子園球場が見えます。画面の下辺に芦屋浜の団地が並んでいます。芦屋浜団地の左端からまっすぐ上に伸した線と大阪市内の高層ビル群が並ぶ線と交わる辺り、上部だけが白く見えるビルがスカイビル、その両側のビルがグランフロントです。その手前辺りの淀川が花火の会場のはず。

ロープウェイの下り最終は20:50、音は聞こえなくても十分花火が楽しめるはず。だいぶ前ですが、富士山上空付近の飛行機から沼津付近の花火を見た記憶があります。かなり小さかったものの綺麗、花火は円ではなく球だと分かったのもその時です。

ロープウェイで山を下ります。有形文化財にも登録されている廃墟、マヤカンこと摩耶観光ホテルが見えます。学生時代のクラブ合宿でさんざんお世話になったものの既に館内の劣化は激しくあまり居心地のいい施設ではありませんでした。昭和4年の開業、高山植物園のパネル展示にも牧野博士の講演が昭和6年に摩耶観光ホテルで行われたとありました。摩耶ケーブルは大正14年開業、戦時中に不要不急路線として休止、撤去されるも摩耶ロープウェイ開業に合わせて昭和30年に復活しています。

ロープウェイの虹の駅に掲げられた温度計はまだ29℃。ケーブルカーを後ろ向きで下ります。

阪神5001形で淀川花火

バスで三宮、センタープラザ西館地下の焼き鳥屋さんでプファー。テレビでは5時試合開始の横浜戦が始まったところ、近本が試合開始早々ライト前クリーンヒットそして盗塁、森下もヒットで出塁して大山が3ラン、2回も近本がヒットと盗塁、ここまで見て引き上げました。今日も大丈夫やねとお店のお母さんも同意見。

すぐ近くにある長田本庄軒が空いていたのでぼっかけそば。かなり美味いのですが、鉄板の熱気が暑い。

車窓から淀川の花火を見れるかもと快速急行に乗っていたら御影で5001形が退避していたのを見て魚崎で乗り換え。

どう考えてもなんば線より阪神本線の方が花火がよく見えるはず、左手車窓をキープすべく遮光カーテンの降ろされた運転席後ろに腰を下ろし見上げるとトップナンバー、黄ばんだ5001のプレートの上にはいかにも昭和なスピーカー。西宮で直通特急、尼崎で直通特急と急行を退避しつつ5001に乗車し続けるとちょうどいいくらいに暗くなってきました。

阪神5001の窓にピッタリiPhoneをくっつけて阪神本線淀川橋梁を渡ります。人混みに関係のない電車内からの花火、来年の花火ではもう5001形はいない可能性が高く、いい思い出ができました。

阪神梅田駅でぐいっとミックスジュース、ここのミックスジュースはあっさりしていてやっぱり美味い。