島之内寄席

30数年ぶりで島之内寄席に行ってきました。六代目笑福亭松鶴の発案で、当初は日本基督教団島之内教会で開催されていました。その後30年間定席として毎月連綿と続けられていたことはホントに素晴らしい。

現在、会場はワッハ上方ワッハホール、ジュンク堂書店千日前店の上にあり、1時半開場の頃に着くと、既に100人程度の人が並んでいました。

今日、五月席の番組は、林家卯三郎「つる」、桂歌之助「道具屋」、桂三扇「君よモーツァルトを聴け」、林家染二「子別れ」、桂朝太郎「マジカル落語」、桂文三「莨の火」。

お腹が痛くなるほど笑わせてもらったのは、ママさん落語家、桂三扇さん。師匠の桂三枝による創作落語です。

主人公は魚屋のおかん、子供の病気でお世話になったお医者さんからモーツァルトの楽しみを指南され、ウチに帰って聞き覚えをダンナに指南しようする、落語では定番的展開ですが、落語家、母親、主婦をこなす三扇さんの普段の生活がベースにあるからこその一席、寄席でEine kleine nachat musikを聴かせてもらえるとは思いませんでした。

染二さんの「子別れ」は笑いより泣かせる人情話、良かった。

トリの「莨の火」は師匠の桂文枝から文三さんに受け継がれた大作です。和泉の佐野からやってきたというお大尽の気前のいいお話です。帰ってから調べてみると食野佐太郎(一個人ではなく食野家の代々の当主)という実在の人物がモデルになっていることがわかりました。

鴻池や三井と並ぶ豪商だったそうです。泉佐野は自分の高校があった場所、勉強になりました。(泉佐野市図書館ページ

島之内寄席のチケットで割引になっていたのでワッハ上方も覗いてみました。米朝や枝雀DVDを無料で楽しめるライブラリはまた来てみてみたいと思いましたが、展示の方はキツイ。

道頓堀界隈のジオラマがあったりするのですが、大阪歴史博物館のジオラマとは較べ様もなく、昔のテレビのボヤーっとした画像をそのままスクリーンに大写し、橋下知事の事業仕分け対象になったのもしょうがないと思いました。