大字小字

天気予報は曇り時々雨、ポンチョと折りたたみ傘をリュックに入れて、にほんの里100選のひとつ枚方市穂谷へ。

京阪枚方市駅からバスで約30分、府境の里山ですが、京阪枚方市駅へ5分毎、他にJR松井山手駅や長尾駅、近鉄新田辺駅行きなどがあって、3台、4台とバスが止まっていることもある山の中のバスターミナルになっていました。

棚田が広がる隣に新しい住宅地が広がり、関西外国語大学のキャンパスもあり、バスの本数が多いことも頷けるのですが、穂谷の村の中はシーンとしています。

ヒメウラナミジャノメとホシミスジ。

ポンチョと折りたたみ傘と両方持ってきたのですが、圧倒的に傘の方が便利だと分かりました。小雨程度であれば、片手で傘の取手とカメラの両方を支えカメラを濡らさず撮れます。ポンチョだとカメラ自体をタオル覆うとか何らかの方法で保護しなければならず、それになんといっても中が蒸すのがキツイです。

これは?としばらく待っていたら開翅してくれて分りました。ツマグロヒョウモンがこんなにしっかり翅を閉じているのを見たのは初めて。

ずいぶんポジティブな案内看板がありました。矢印の先、対向車がくるとちょっと面倒です。

カワラヒワの水浴び。

ケリが4羽くらい、中には幼鳥も混じっていました。

ホオジロとジャノメチョウ。ここから府境を越えて京都府京田辺市天王地区まで歩いてみることにします。地図で見ると、天王裂石、天王女房谷、天王夕神、天王○○、と興味深い地名が並んでいるのがすごく気になったからです。

周囲が里山から工業団地のようなところに一変、巨大な建設資材を溶接している工場や、廃棄物処理場が並んでいて、ダンプカーが行き交っています。どこまでも里山が続く能勢とはかなり趣が異なります。

府境を越えて山道を進むといきなりスノーボードの施設が現れました。かなり賑わっています。そこを過ぎるとまた里山風景に戻りました。

オオシオカラトンボとダイサギ、天王という地名のせいか「大」が好きな場所のようです。

天王バス停に到着、ここが天王地区の中心のようですが、地図の地名の多さを表すようなものは何も見当たらないものの、スマホで現在地を表示していみると天王白光田とでてきました。パソコンでは表示しきれない地名がまだたくさんあるようです。

帰ってからこれを書いていて漸く気づきました。天王は大字、裂石や女房谷、夕神は小字です。

殆どの市区町村では、江戸時代以来の字名が整理されて大字は町名として引継がれたものの小字は殆ど消滅してしまったのですが、ここ京田辺市ではその整理が行われていないため、Google Mapがすごく賑やかになっているという訳です。4月に行った隣の八幡市でも小字が残されています。

人口7万人の京田辺市の住所一覧では町名は590もあります。穂谷地区がある人口40万人の枚方市は222です。(mfont3という町名を設定しているクラス名で検索)

Wikipediaの小字の項が興味深いです。小字の多くは田畑単位で名付けられていたようです。行政的な区分である大字の中で、水利権とか経済的な結びつきの単位が小字、と理解できそうです。百姓に苗字がない時代、天王村の女房谷の甚平さん、ということで個人が特定できたんだと思います。