子守アナとめぐる「天下人の歴史に迫る」まん福ツアー その2

前回の続きです。

妙国寺を出て大阪市内へ戻ります。妙国寺前から乗ったのはキン肉マン電車の505号、阪堺電車の方も同行しているので、運行時間に合わせてくれたものと思われます。

キン肉マン電車は新世界100周年記念に、ふたりとも阪堺電車沿線ゆかりのゆでたまご氏によりデザインされたものです。

阪堺電車の方にこのまえ自分が見た大和川駅のカオナシのこと(おなじようにビックリした人のビデオ)を聞いてみたところ、結構有名らしいです。大和川駅だけじゃなくて堺市内の駅にも出没するとか、さらに驚くべき事実まで聞かせてもらったのですが、それは書かないでおきましょう。

住吉鳥居前で下車、すれ違いにやってきたのは大阪市電カラーの354号です。自分ははっきり言って354の方が好きですが、いつも馴染めない阪堺電車の広告電車の中ではキン肉マン電車は嫌いじゃないですね。

ちなみにこの354はこのブログのヘッダー部分の大阪市電3001型(クリックすると動きます)を模したものです。窓の形状以外はそっくりです。

ここでランチタイム、南海住吉大社駅前の喫茶店のハンバーグランチを食べていたところ、ツアーメンバーでさっき堺でたばこ休憩をご一緒したジェントルマンがお店に入ってきて、同じテーブルにお招きしました。

先頃リタイアしたばかりで、泉南市にお住まいだそうですが、何かの拍子でだんじりの話題になったところ、岸和田のことにやたらとお詳しい、自分の住んでいた町名を言ったら、◯◯医院は知ってますか、とかかなりローカルな話題に。自分とは違って、知的な話しぶり、上品な顔立ちから「岸高(岸和田高校)ですか?」と伺ったところ正解。

太鼓橋を渡って境内に入ります。住吉大社では権禰宜(ごんねぎ)さんがガイドさんに。メチャ話が楽しく上手い人です。古代、手前側スグのところまで海だったところです。

住吉大社は全国に2000社以上ある住吉神社の総元締です。権禰宜さん、全国の住吉神社を巡り歩いているそうで、一番多い都道府県は兵庫県、実際の数はわからないほどあるそうです。

初詣では200万人が参拝する住吉大社、正月三が日は阪堺電車も全車両をフル動員、昭和3年生まれのモ161系も大活躍します。

今年のお正月の様子はこちら

4棟ある国宝の本殿の内、第二本宮。今年は伊勢神宮の式年遷宮がかなり話題になっていますが、住吉大社も式年遷宮を行うそうです。但し国宝なので、柱とかパーツパーツをそのまま使うそうで、一挙に作り変える以上に大変だそうです。

今日は普段入ることのできない文華館(宝物庫)にも入れていただきました。中には住吉祭のお神輿や船神輿、後醍醐天皇の御所車(車輪だけ)、さらに古文書や古地図、絵図、武具とか時間がいくらあっても足りないようなお宝が保管されていました。

境内の裏側の方に末社がたくさんあり、中でも人気なのが、毎月の初辰さんで賑わう楠珺社です。この初辰さんで毎月バザーが行われているのですが、これを長年取り仕切っているのが友人で、はたなかひろしさんのポストカードも販売してますので、ぜひのぞいてみて下さい。

ここの楠の巨木に白蛇さんが本当に棲んでいて、見かけるとご利益大きいとか。前述の友人は見たらしいのですが、ガイドの権禰宜さんが白蛇さんではなく、「 みいさん(巳さん)」と親しげに呼んでいたのが印象的でした。

国宝の第三本宮と第四本宮の間で説明を受けるツアー一行です。この住吉大社に入ると何かキリっとしたものを感じるのですが、ここはその一番キリっと度が強く感じられるところです。結婚式では白無垢の新郎新婦を先頭に、赤い傘を差した行列が通るそうです。ぜひ見てみたい。


住吉公園駅から阪堺上町線で天王寺へ。ここから第3部になります。

ハルカスを見上げながら天王寺公園へ。ついでに1年前の写真を貼っておきます。ぞうさん(たぶん春子、推定65歳)と未完成のハルカス、動物園の中で撮った自分でもお気に入りの1枚です。

天王寺公園では3人の年配ボランティアガイドさんが待ってくれていました。公園内ではちょうどオクトーバーフェスト(まだ9月ですが)が開催されています。要はビール祭りです。フェストに行ってしまわないように、との子守さんの注意があって、ガイドさん毎に3班に分かれての行動になりました。

このオクトーバーフェストのこと知っていたのですが、ビールがかなりお高いです。ジョッキ1杯1000円以上します。ソーセージとかツマミも1000円くらい、なら、スグ近くのあべちかにでも行った方が全然満足度が高いので、自分はあまり興味ないです。

天王寺公園の歴史を聞かせてもらいながら、長屋門、慶沢園へと巡ります。70代80代のガイドさん、説明が上手いです。中には、大判のファイルブックにお手製のいろんな資料をファイルして紙芝居形式で説明しているガイドさんも。

市立美術館前に入る時間はなかったのですが、自分たちのグループのガイドさん、住友家から寄贈された経緯や、8000点にも及ぶコレクションについて熱く語り、中之島に新しい美術館を作って移転させるという橋下市長の案に憤懣やる方なし、という思いが伝わってきました。(既にこの移転案は白紙化しているようですが)

天王寺公園の歴史云々は結構知っているので自分としては、おじいちゃんボランティアガイドさん達の話の内容よりも、その大阪の町のへの思いに接することができたことがとても良かった。大阪城とかでも高齢ボランティアガイドさんをよく見かけ、いずれ自分もやってみたいなと思っていたのですが、皆さんすごく知識があるし、プレゼンテーションの工夫もいっぱい、それと大阪の個性(=文化)への強い思いが伝わってきます。とても自分はまだまだです。前回書いた堺のボランティアガイドさんからも堺の町への強い思いが伝わってきました。


明日堺の市長選挙があって、維新の会は敗北が確実視されているようです。これでおそらく大阪都構想は振り出しになるでしょう。率直な所、自分も橋下市長を支持していました。わかりやすい実績として地下鉄駅売店のコンビニ化で、ファミマとポプラの2社になって、サービスは以前より格段によくなり、自分の生活にも欠かせない存在になってます。しかしながら、大阪市民府民は大阪都構想なんかにそんなこだわりは持っていないのに、それが大前提という進め方は、どうも違うとの思いが強いです。

大阪の超個性的な文化こそが大阪のアイデンティティです。堺は堺で、利休以来のアイデンティティが今も脈々と受け継がれてきたことをこのまん福ツアーで実感することができました。

都構想はその大阪や堺のアイデンティティを否定しかねないアイデアと受け取られても仕方ありません。便利で効率的で、公正な社会を作ることはもちろん大賛成ですが、一方では歴史に基づいた社会や地域のアイデンティティを守るという考えをもっと前面に打ち出さないと市民の支持は得られないでしょうね。

話がずいぶんそれてしまいましたが、天王寺公園を抜けて、新世界へ。通天閣に昇ってツアーは解散となりました。得ることの多いツアーでした。子守さんありがとうございました。

通天閣のエレベーターを降りてきた、いつも通天閣の歴史のビデオを流している小部屋で、吉本芸人TASUKUのパフォーマンスショーをやってました。ジャグリングやバルーンアート、手品にお笑いを交えた15分ほどのパフォーマンス、なかなかに見応えがありました。もう芸歴18年というベテランだそうです。最後に寸志を集めていたのですが、千円札も少なくなく、皆さん目が肥えていたようです。

めったにない自分と同じ名前の芸人さん、応援したくなりました。落語家さんや吉本の芸人さんたちと身近に触れ合えるのも大阪の大きな魅力です。


追記:

このツアーの参加料金は堺・住吉まん福チケット1,000円だけです。南宗寺と妙国寺の拝観料で800円、天王寺公園の入園料が150円、通天閣の入場料が600円、それだけで1,550円にもなります。ずっと地元のガイドさんが案内してくれて、5名くらいの添乗員付。どう考えても元は取れていないはずですが、その分まん福チケットの宣伝してください、とのことでした。それに書いてきたように満足度がとても高いツアーだったので、ちょっと気合を入れてこのブログ書きました。