レトラムとキーボ

福井鉄道のレトラム運行日、18きっぷで福井県武生を目指します。

コハクチョウの時と同じ大阪駅5:55の快速で出発、京都からは湖西線の117系。この色に塗ることを決めた人は鉄道を愛していないとつくづく思いますが、それでも4本ワイパーはカッコいい。

近江今津駅前のセブンイレブンで朝食を調達して、521系に乗り込みます。1日片道1本しかない近江今津発福井行です。(その他は全部敦賀発着)

近江塩津の手前で琵琶湖の最北端がチラッと見えます。長浜経由だと見えません。湖面に浮かぶ三角の山は山本山かと。

敦賀を過ぎ、いきなり長ーい北陸トンネルを10分ほどかけて抜けると南今庄では雪が残っていました。

武生到着は9:19、レトラムの越前福井発は9:30、JRの武生駅から福井鉄道の越前福井駅は400mくらい離れています。まず間に合うはずですが、ダッシュ!!!

レトラム

結構余裕で間に合いました。越前武生駅には4本も待機中。最新型のF1001形FUKURAM(桜色)と、名鉄美濃町線で乗ったことがあるはずの770系。この桜色は名鉄スカーレットに似ているので770系にも似合うはず。

お目当てのレトラム、F10形735号、元シュトゥットガルト市電です。反対側にはFUKURAM(ブルー)。

程なく発車、ツリカケじゃなくてカルダン駆動です。1965年製で、1990年に高知のとさでんに譲渡され、2014年に福井鉄道に譲渡されています。移籍当初は何かと故障がちだったようですが、すっかり安定してきたようです。

とさでんの元オスロ市電の198形を乗り鉄撮り鉄したことがありますが、その後とさでんの外国電車は貸切専用になってしまい、現状海外から移籍してきた電車に乗れるのは広電のハノーバー電車とこのレトラムだけかと。

バックミラーに映るレトラムに乗ってる自分です。

シュトゥットガルト時代の料金表、ユーロじゃなくてマルク建て。1ゾーン2マルク10ペニヒ、1990年の為替で換算すると190円くらいです。

イラスト入りのポスターは無賃乗車は罰金40マルク、という意味のようです。

シュトゥットガルトの表示の他に高知で貼られたと思われるドイツ語のお勉強も何枚か。Panasonicの扇風機はドイツ時代からなのか高知で取り付けられたのか、気になります。

降車ボタンと「出口は中ほどにあります⇒」。ピクトグラムも色々、「禁煙」「ローラースケート禁止」「手すりにおつかまりください」はわかりますが「椅子に+」は優先座席のような意味でしょうか。

インドネシアやミャンマーに譲渡された日本の電車が日本語表記のままで走っている意味がよくわかる気がします。

路線図です。「アイスクリームも禁止」です。路線図の中ほど、Hauptbahnhof(シュトゥットガルト中央駅)には6本もトラムの路線が。今はどうなってるかチェックしてみるとさらに路線が増えています。

Stuttgarter Straßenbahnen、全15路線、総延長174.9km、駅数203(Wikipedia)、60万人規模の都市、それもダイムラーやポルシェの本社がある自動車産業の街でこのスケールのトラムネットワーク、羨ましい限りです。

もう何十年も前ですが、シュトゥットガルトに行ったことがあったはずと薄っすら記憶があります。フランクフルトとミュンヘンの中間にあって、ちょっと途中下車しただけだったかと。

急行なので主要駅のみ停車、ドア扱いは昔のバスの車掌さんのようながまぐちタイプのバッグを肩から掛けた車掌さんの担当です。停車するとホームのある側のドアをボタンで開き、階段に付けられたステップを蹴りだして、車掌さんはその都度先に外に出て乗降客を誘導します。

ちなみに乗り心地はというと、お世辞にもあまり快適とは言えません。通常電車は横に揺れるのですが(ローリング)、この電車は前後方向に揺れます(ピッチング)。でも、そこが乗り鉄の醍醐味。

後部の運転台です。シーメンス製の広電5000形みたいに、日本の電車の一般的な運転台とは機器の形状やレイアウトが全然違ってます。

レトラムの元々の形式はGT4と呼ばれ1959年から1965年にかけて380編成製造され、シュトゥットガルトでは博物館入りしたのもいる中、まだ現役のも残っていて、ルーマニアのヤシという町のトラムでは100編成以上が現役だそうです。

福井鉄道の行き違い可能駅の前後のポイントはスノーシェッドで覆われています。横からいくらでも雪が吹き込んできそうですが、それでも効果があるのでしょうね。

赤十字前駅に到着、10分停車とのことなので、外に出て撮影します。わかりにくいですが、一般的に連接車の連結部分の下にあるはずの台車はなくて、前後の車両にひとつずつの台車があるだけ、たぶんこれがピッチングで揺れる原因です。

行先表示窓のEchterdingenとはシュトゥットガルト空港近くの町のようです。系統番号窓に福井駅の行先表示。

レトラムの向こうにいるのは、デキ11、今も現役の除雪用電気機関車、旋回窓がカッコいい。

そこへやってきたのは、えちぜん鉄道から乗り入れのキーボ、デキ11、レトラムとの3ショット。

なんとも可愛い顔をしたトラム、前照灯を囲むように尾灯が赤く点灯。ズボンつりの半ズボンをはいた男の子のようにも見えます。

市役所前駅で運転手さんは反対側へ移動、スイッチバックして福井駅への支線に入って行きます。GT4の多くは片運転台でバスのように片側しかドアがなく、終端駅のループ線で方向転換するように設計されています。両運転台の735号はGT4としてはマイナーバージョンですが、このタイプでないと日本では運用のしようがないです。

レトラムとキーボ

初めてやってきました福井、2022年の北陸新幹線開通を先取りして既に駅や駅前は新しく改装されています。レトラムの発車まで少し時間があるので駅前のドトールでひと休みしていたら、聞こえてくる福井マダムたちの福井弁、イントネーションが高くて茨城弁に似ています。

ドトールの窓越しにキーボが入線してくるのが見えて慌てて飛び出しました。さっき赤十字前ですれ違ったばかりのキーボが武生から戻ってこれるはずはなく、もう1編成のキーボです。

普段キーボが福井駅前に乗り入れることはなく、駅前で開催の福井鉄道えちぜん鉄道相互乗り入れ1周年記念イベントに絡めて今日が初めての福井駅前入線だそうです。

レトラムとキーボ、大きさがかなり違います。

急行越前武生行のキーボが先行して発車。連結器カバーは口の形、目がテンの前照灯。FUKURAMと共通の車体という制約の下、機能的に意味の無い無駄なデザイン要素を排除しつつ、可愛さ、カッコよさを機能美でまとめています。GT4レトラムに引けを取らない、それでいて日本的なキャラクターを感じさせる、極めて秀逸なデザインだと思います。

車両番号は連結部分の下の方に小さく書かれていてL-01A/B、形式はえちぜん鉄道L形です。1年間の3月27日から福井鉄道とえちぜん鉄道の相互乗り入れが開始され、福井鉄道の相互乗り入れ用車両が3連接LRVのFUKURAM、えちぜん鉄道の相互乗り入れ用車両が2連接LRVのキーボです。

宙を歩いているように見える女性と目が充血したようなキーボの後ろ姿。その向こうでFUKURAM(グリーン)と770形がすれ違い。

続いて770形が入線してきました。おっとアブナイ、おかあさん気をつけて。

レトラムの発車シーン、スチルも撮りたいのでごく短い動画です。

Wössnerとは家具屋さんのようです。

まだ福井鉄道をもっと撮り鉄乗り鉄したいですが、えちぜん鉄道も行ってみたいので後ろ髪を引かれる思いでレトラムを見送り、えちぜん鉄道の駅へダッシュ…続く