カメラを忘れた

夏鳥の繁殖地らしい神戸の再度山(ふたたびさん)へ。

その前に珍鳥が出たとの情報があった海岸へ寄ってみました。詳しい情報はなかったものの、たぶんあそこ、と限られた情報から推測した場所へ行ってみると、防波堤で20人くらいカメラを構えていました。近くまで行ってみたものの、珍鳥が登場するかどうかに関係なく自分の居場所じゃない、と感じて、カメラをリュックから取り出すこともなく退散しました。

概してカメラマンがいっぱいいるポイントは苦手ですが、鳥なら大阪城公園や水無瀬三番瀬、鉄でも河毛とか、人がいっぱいいても居心地のいいポイントもあります。その違いの原因は明白なんですが、書かないでおきます。

元町駅から山の方へ向かってほぼまっすぐ坂道を登って20分ほどで諏訪山公園の入口に到着、その脇にある諏訪神社への参道を登ります。神戸の街は市街地から山間部に入ると、いきなり半端ない急坂になります。この諏訪神社の参道もバス道からいきなりボーゲンでは怖いような、暗峠への308号線以上の急坂になり、その先には手すりが無いとビビりそうな石段が続き、本殿にたどり着いただけでもう息絶え絶えです。

本殿の脇からわかりにくい小径が、大師道、再度山へと続いています。崖に沿った、落石と人の滑落防止を兼ねた金網のトンネルの道を抜けると、高い小梢に鳥の影が見えました。リュックからカメラを取り出そうとしたら、カメラが入っていません。ウチをでてからもう3時間、カメラをウチに忘れてきたことに漸く気づきました。今日は万一を考えてノートパソコンと折り畳み傘を持ってきたのでその重みにすっかりカメラが入っているものと思い込んでいました。周到な準備が裏目に出てしまったようです。

このまませめて見晴らしのいい場所までとも考えたものの、鳥が見つかるとさらに悔しい思いをしてしまうので、この時点で引き返すことにします。体力と時間、電車賃、びしょびしょのシャツ、全部無駄になりました。

金網のトンネルを戻ります。iPhoneで撮っておきます。どこかの水族館みたいです。ニンゲンが鳥かごに入ったような雰囲気も味わえます。ボーゲンの坂道まで戻ってきたらオオシオカラトンボがいましたが、近づきすぎて逃げて行きました。

ボーゲン坂の住宅からベビーカーのお母さんが出てきました。ベビーカーの手を放してしまうととんでもない悲劇になってしまいますが、お母さんは片手でバランスを取りながら自分を抜いてすいすいと下りて行きます。


奈良行快速急行でウチに帰ったら引き出しの中にカメラがドーンと座っていました。まだお昼前、もう交通費を使いたくないので、自転車で池島へ行ってみることにします。

期待していた池島周辺の田んぼでは何も見つからず、池島弥生橋まで来てみると、貯水池は赤い水草がほぼ水面全体を覆っています。これじゃ上空から魚を狙う鳥たちにはお手上げでしょうね。

弥生橋の反対側の恩地川には、サギたちやカルガモがそこそこいます。アオサギがまるでカワウのように翼を広げて乾かしていました。こんなポーズを見たのは初めて。

ゴミも多くて綺麗とはいいがたい恩地川ですが、コチドリが1羽、入浴中でした。たぶんアオサギ君も水浴びしたばかりだったようです。

ゴミはトリミングで消しています。ゴミは多いものの水浴びできるくらいの水質にはなっているようです。

蒸し暑くてけだるい夏、その感覚は鳥たちも共有しているようです。