百間川

夕暮れ近い百間川、岡山の町を旭川の洪水から守るために江戸時代に作られた人工の放水路ですが、とても人工の川とは思えない、自然がたっぷりの川でビックリしました。

鉄分の濃い文豪、内田百閒はこの近くの生まれ、ペンネームはこの百間川にちなみます。もともと新字体の百間だったのを戦後わざわざ旧字体の百閒に変えたそうです。意味は同じですが、日より月の方が侘び寂びの風情があるということでしょうか。

岡山駅から「樶(さい)」という変わった名前のバス停で下車。バスは天満屋バスターミナルを経由して遠回りするので5㎞もない距離に30分もかかりました。後から調べてみるとJR高島駅から歩いた方がよかったです。

土手に上がると、山陽本線と新幹線が川上を渡っています。幼いころの百閒が特急「燕」を眺めていたのはここだったのかも知れませんが、山陽本線の鉄橋は列車の下半分が隠れてしまう色気のないコンクリート橋になっていました。

川の向こうは操山、後楽園の借景にもなっている形のいい山ですが、里山センターとかもあっていろんな小さな仲間たちに会えそうな山です。

川の流れは葦の茂みで区切られています。鳥たちがめちゃ好みそうな環境です。

茂みの奥の方まで歩いて行けるようになっていたり、鳥見に最適の環境になっています。

ホオジロが多いです。

たぶんミサゴだと思います。

カイツブリとカワラヒワ。

だいぶ日が傾いて、近くの小学校からドボルザークの新世界が聞こえてきました。朝から1日いても飽きないような場所に、後ろ髪をひかれつつ帰ります。

予想を遥かに超えて魅力的な川ですが、今日歩いたのはわずか1kmあまり、この先は次の機会の楽しみに取っておくことにします。