D列車でいこう

D列車でいこう (徳間文庫)

メガバンクの支店長ではあるものの出世街道から外れた生真面目銀行マンと、天下りで退職金をガッポリ貯めた元中央官庁の役人の中年オヤジ2人と、ロッカーでもある銀行総合職のOLが、廃線の危機に瀕している広島県の第3セクター鉄道を救うというお話です。

時刻表の地図を見てみると広島県に第3セクター鉄道はないのですが、鉄道としての規模や沿線のイメージから山口県の錦川鉄道がモデルになっている感じがします。(行ったことはありませんが)

荒唐無稽な感じは拭えないものの、3人が繰り出す、路線継続のためのマーケティング策の数々はナットクできるものが多いです。それぞれのマーケティング策に裏付けがあって、それを実現するためのステップが詳しく書かれており、なにより、ひとつの策だけでなく、マーケティングミックスになっているところが参考になります。

鉄ちゃん向けの一冊でもあるものの、基本的にはビジネス小説といっていいと思います。ビジネスとは好きなことに突き進むこと、と受け取りました。